こちらは宮島に現存する最古のもみじ饅頭屋さんです。
同時に、粒餡を用いたもみじ饅頭である、【つぶもみじ饅頭】を生み出したお店でもあります。
もみじ饅頭の歴史
歴史を紐解くと、もみじ饅頭自体は宮島の老舗旅館・岩惣の女将によって考案されたそうです。
そして、その後、岩惣製菓部の岩村栄吉氏に引き継がれ、明治末期にこちらの岩村もみじ屋さんが創業されたとの事です。
今でこそもみじ饅頭のお店は無数にあり、【生もみじ】や【揚げもみじ】と言う新名物も生み出されておりますが、岩惣と岩村もみじ屋さんが無ければ、宮島の名物は他のものであったかもしれません。
…と考えると、宮島好きとしては少々怖い気持ちになります(笑)
ちなみに、もみじ饅頭には、時の宰相・伊藤博文が関わったと言う説があります。
概要はwikipediaにも掲載されているので、下記に引用します。
>伊藤博文が岩惣の茶屋で休憩していた折、給仕した娘の手を見て「なんと可愛らしい、もみじのような手であろう。焼いて食うたらさぞ美味しかろう」と冗談を言ったのを岩惣の女将が聞きとめ、饅頭屋がこの話をヒントに考案した。
以上、伝聞によるものなのでエビデンス(史料)はありませんが、もみじ饅頭好きには有名なエピソードとなります(笑)
岩村もみじ屋さんのもみじ饅頭
さて、こちら岩村もみじ屋さんに話を戻すと、使用する原料が秀逸です。
餡に北海道産の小豆と白双糖を使用し、小麦粉も国産。
うどんですら外国産を使用するお店が多い中、これは素晴らしい試みです。
もみじ饅頭を扱うメーカーで国産小麦粉を謳うお店もまた、少ないのが現実なので。
また、こちらは宮島の本店以外だと、広島駅前の福屋のみの取扱い。
実に硬派なお店です。
しかも、岩村もみじ屋さんの焼き立てもみじ饅頭は、お茶付きで90円と言う良心的な価格。
【こし餡】と【つぶもみじ饅頭】の両方を頂きましたが、ともに完成度が高く、特に他店との違いが顕著なのは、【つぶもみじ饅頭】であると感じました。
粒餡のもみじ饅頭は往々にして小豆の粒が気になる事が多いのですが、こちらの粒餡はサラリとしつつ粒を感じさせてくれて、上品。
そして、生地はしっとり、ふんわりしており、餡と同化します。
多数のお店で頂いてきた自分としては、意表を突かれました。
頂いた時には、優しく、上品だな…と感じたのですが、しばらく経った時に、美味しさをふつふつと実感した次第です。
宮島に再訪した時に、また頂くのは必至。
そして、お土産でも購入し、家でカリッとリベイクして頂きたいと感じました。
ちなみに、宮島のもう一つの名物と言えば【穴子めし】。
宮島口であればうえのさん、島内であればふじたやさんがオススメです。
まあ、有名な「鉄板」と言える2軒ですが…
複数軒を食べ比べした結果、やっぱり美味しいです。
岩村もみじ屋さんのお店の情報
岩村もみじ屋(食べログのリンク)店名:岩村もみじ屋予算の目安:1個90円
最寄駅:島なのでなし(笑)、フェリーの発着場から950m
TEL:0829-44-0207
住所:広島県廿日市市宮島町中江町304-1
営業時間:9:00~17:00 ※売り切れ御免
定休日:水曜
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