こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
本記事は「旬の魚」をご紹介する「旬魚の世界シリーズ」です。
当シリーズでは、旬の魚の魅力を鮨ブロガーならではな目線で解説していきます。
今回は「サヨリ(針魚)」についてご紹介します。
すしログ
楽しんで頂ければ幸いです。
★全国6,000軒以上を食べ歩く食好き
☆鮨の食べ歩きは15年以上のキャリア
★「すしログ」のTwitterでは幅広い情報を、インスタは鮨・魚介料理に絞ってます
☆「すしログ鮨会」やブログに書けない情報は、すしログの公式LINEにて
★noteに、鮨に詳しくなれる「鮨カレンダー」を連載しています
▼シリーズのまとめ記事はこちらです
サヨリ(針魚)の基本情報と旬は?
標準和名:サヨリ(針魚、細魚)
通称・別称:カンヌキ(閂) ※大型のサヨリの関東での別名です(40cmオーバー、150〜200g)
英語名:Half beak
旬:12月~3月ころ
サヨリ(針魚)についてのすしログ的コメント
「春告魚」とされる事も多い、見目麗しき魚、サヨリ。
この「春」とは「旧暦」の春となり、1月から3月に該当し、サヨリの旬はまさにここ。
12月から出始めますが、次第にサイズが大きくなり、釣り人ならば大きな「カンヌキ」サイズのサヨリを狙います。
サヨリは「海の貴婦人」と呼ばれる程に容姿端麗な魚ですが、反面、昔から「サヨリのような人」と言う表現にも使われてきました。
サヨリはさばくとお腹の中が真っ黒な特徴を持ちます。
意味するところは即ち、見た目は綺麗だけど、腹黒い人。
なんとも不名誉な比喩に使われておりますが、鮨になった時の美しさは白身魚でもトップクラスではないでしょうか。
美しく、長さのある魚なので、様々な細工鮨(からくり鮨)が編み出されてきました。
片身をくるっと巻いてつけるやり方が多いですが、中にはワラビ、網代や相生など、複雑な細工も古い仕事に存在します。
ただ、細工すると食感が変化する(サヨリらしい食感が弱くなる)点は、ややネック。
故に、味よりも見た目を第一に楽しむ方法だと思います。
昔の仕事(後述)ならば食感が強いので細工鮨が映えたのではないでしょうか。
とは言え、今の時代に用いられると、温故知新で嬉しいですが!
サヨリ(針魚)の鮨における仕事(調理法)
サヨリ(針魚)の鮨における仕事(調理法)は以下の通りです。
- 立て塩(塩水)で軽く〆る
- 軽めの振り塩で〆る
- 昆布〆
- 酢で洗う
- 生
古くは塩で〆、酢で〆ると言う仕事でしたが、輸送技術が高まり鮮度が向上する事で、少し脱水する程度に仕上げる方が主流です。昆布〆の場合、昆布の旨味(グルタミン酸)ならびに風味を強く付着させない事が必須。サヨリは下記の通り繊細な味わいなので、昆布が主張してしまうと台無しです。
食べる時はここに注目!
鮨でサヨリを食べる時に注目するポイントはこちら!
- 風味
- 食感
サヨリは淡麗な見た目に違わぬ繊細な香りと次第に高まる旨味があります。スッと鼻に抜ける香りは寒風に混じった春の息吹を感じるかのよう。
そして、独特の強い食感は白身魚や他の光り物とは全く異なります。さばいて時間が経つと食感が失われるので、鮮度と脱水の塩梅が食感を活かします。肉厚なサヨリは香り、旨味、食感が絶妙で、ずっと噛み締めていたくなります(笑)
掲載した写真のお店
【おまけ】閉店してしまった名店に敬意を表し…
超クラシカルな江戸前仕事と、柔らかく甘い京都らしいシャリを合わせる。
古い仕事で〆ると同時に、柚子胡椒を嫌味無く合わせてこられ、驚いた。
▼シリーズのまとめ記事はこちらです
鮨と魚をこよなく愛する、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)でした。
本記事のリンクには広告がふくまれています。