極めてインパクトのある店名が気になる大阪鮓のお店。
有職とは「有職故実」の四字熟語で有名ですが、「朝廷や公家の儀式や行事に関する知識」もしくは「その知識を有する学者」の意。
いやはや、寿司店に付けるセンスに脱帽(笑)
と思いきや、意外にもネーミングの由来は真っ当なものであり、創業者が1933年(昭和8年)に独立する際、「それ迄奉職していた宮内庁大膳職に関連した名前」として付けたそうです。
現在も皇室の園遊会に鮓を提供されているとの事で、凄い。
なんと3,000本の【ちまき寿司】を納品されているそうです。
途中「福槌」と言う屋号になったそうですが、現在は元の「有職」となっております。
また、屋号の変遷を調べたところ、経緯は社長の失踪(1996年)と商標登録の事情があったようですが、それ以上に驚くべき事実を知りました。
大手メーカーも作っており、大阪鮓として有名な【茶巾寿司】。
これは前述の有職創業者である小原義太郎氏が考案したものであるとの事です。
小原義太郎氏は伏見宮家に奉職しており、1923年(大正12年)に【茶巾寿司】を考案したそうです。
今回調べるまで知りませんでしたが、こちらは【茶巾寿司】発祥のお店となるようです。
尚、本店に伺う機会が無い場合、下記の百貨店でも入手可能です。
- 伊勢丹新宿本店
- 小田急百貨店 新宿本店
- 玉川高島屋S.C店
- 三越日本橋本店
この度頂いた鮓は3種。
【茶巾寿司】756円
【ちまき寿司】1本432円
【バッテラ(鯖押し寿司)】1本(6切)1,080円
【茶巾寿司】と【ちまき寿司】はこちらの看板メニューですが、「茶懐石寿司」を謳うだけあり、上品に仕上げられております。
酢飯は酢も砂糖も穏やか。
関西の酢飯を江戸風に改良されたか、皇族を意識して上品に仕上げられたのでしょうか。
上品ながらに独特な酢飯だと感じます。
【茶巾寿司】
玉子はごく薄き焼で、ほんのりと甘い。
酢飯には海苔と胡麻が満遍なくまぶされている。
その他の具は非常に控えめ。
甘みを付け、白く仕上げた干瓢、椎茸、穴子ともに少量。
特に穴子はごくごく少量だが、時たま野趣を感じさせる。
そして、栗が登場したのは嬉しい。
ほっこり甘くて美味しい。
茶巾で季節感を出している点が面白い。
【ちまき寿司】
笹の香りはしっかり。
6種類+季節の品が用意されていたが、オーソドックスに鯵と鱒にした。
鯵も鱒もしっかり〆で、西の寿司らしい。
鱒の方が塩気を利かせており、個人的にはこっちが好みであった。
米原の鱒寿司のような妙味があり、東京で嬉しい。
笹の香りと意匠に価値のある寿司だと感じた。
【バッテラ】
鯖はかなり肉厚で食べ応えならびに満足度が高い!
強く〆、しっかりと脱水しており、食感はみっちり。
しかし、鯖は脂が乗っており旬の鯖の魅力を伝えてくれる。
白板昆布は柔らかく、甘みは低い。
デフォルトでガリを噛ませてる点が個性的。
【茶巾】と【ちまき寿司】に付いているガリは悲しき既製品で、複数のケミカルを使用しており、原産地も「中国・タイ」であったが、こちらのガリは手作りと思われ、キリッとした辛味がある。
国産のマサバなので真っ当なガリを使用しており安心したが、他に付いてくるガリは当店の価格帯と購買層を考慮すると、即刻自家製品に変えた方が良い。
【バッテラ】自体は個性的で美味しく、鯖好きならば是非とも試して頂きたい味わいであった。
こちらは見た目が素敵な太巻きも作られているので、今度折を見て頂きたいと思います。
店名:有職(ゆうしょく)
予算の目安:茶巾寿司756円、ちまき寿司1本432円、バッテラ1本(6切)1,080円など
最寄駅:溜池山王駅から200m
TEL:03-3560-7577
住所:東京都港区赤坂2-2-21 永田町法曹ビルB1F
営業時間:月~土9:00~17:00、日9:00~15:00
定休日:年始
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