こんにちは、隠れた名店開拓が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
1年前の8月末に訪問して印象的だった岡もとさん。
今回は10月下旬にお伺いしました。
改めて感じたのは、お料理の美味しさは勿論、カウンターの潔さから来る凄み。
カウンターならびに厨房が完全に見渡せて、調理はご主人一人でこなされているため、全く誤魔化しが効きません。
フラットで低いカウンターで一見すると誤魔化しが効かなさそうだけど、実際の調理の大半は奥の厨房でお弟子さんがこなされるお店もある。
最後の調整をご主人が行う方法は昔からあるものだが、カウンターでの「劇場的な演出」が増えている昨今では、お一人で全てをこなし、お客に全てを開陳されている姿には、ハッと胸が打たれた次第です。
調理は矢張りシンプルさとオリジナリティを巧く合致させている点が素晴らしい。
料理の構成的にたまたまかもしれませんが、前よりも「引き算」料理が多い気がしました。
そして、日本酒好きには堪らないお店である事も再確認しました(笑)
初亀・からからべっぴん純吟、鳩正宗・純吟プロトタイプ NO.20、一博・純米、
醴泉・純吟山田錦ひやおろし、尾瀬の雪どけ・純大吟ハロウィーン専用酒(笑)、
飛良泉・山廃純米マル飛はま矢酵母ひやおろし、紀土・純米あがらの生原酒、
梅乃宿・純吟ジビエ
先付
玉地蒸しに、若狭のへしこ出汁の餡!
出汁はへしこが本当に活きており、生の鯖で出汁を取るよりもこなれた強い旨味と発酵の軽い香りが魅力的だ。
糠の匂いは皆無。
卵はとろっとろ且つ滑らかで、甘みが横溢する。
具は銀杏のみとシンプルで良い。
海老やら鶏やら入れると、妙に野暮ッたくなるものなので。
へしこ由来のごく軽い酸味が味を抑制する。
大変感銘を覚え、家で早速試みてみた次第である。
お造り
明石産のアシアカエビ(クマエビ)、衣笠茸、いくら。
甘みに加えて雄々しい香りが特徴的で、食感はそこまでとろりとしていない。
明石は秋(9月~11月)が旬である模様。
衣笠茸は出汁を含ませており、香りと食感が抜群!
いくらは出汁に漬け込み柚子を軽く用いている。
椀
鱧はその場で骨切り。
実に見事な骨切りで驚いた。
信州産の松茸がたっぷりと使用されている。
キレのある吸い地が実に良い。
出汁はスッキリしており、塩気は鱧に合わせられている。
鱧は脂が乗っており、松茸も旨味がある。
大変男気のある吸い物で、シンプル且つワイルドだと感じた。
お造り
アコウ(標準和名キジハタ)の極薄造り。
あしらいは紫蘇の実漬け、芽葱。
アコウは瀬戸内の夏を代表する魚であるが、秋であっても抜群の旨味で驚いた。
紫蘇の実漬けと合わせても何ら問題無し。
八寸
鰯の辛煮
ムカゴとヒラタケの白和え
京都産のヒラタケを使用。
八寸らしく塩気を利かせている。
大黒しめじの煮浸し
丹波産大黒しめじに、水菜。
しめじの甘みがしみじみと広がる。
剣先烏賊の山うに豆腐和え
五島産の剣先烏賊を酒粕と醤油で和え、3日寝かせたもの。
烏賊のとろけるような甘みを各種調味料の香りとコクが包み込む。
焼きもの
明石産太刀魚と松茸のパートフィロ奉書焼き!
太刀魚の野趣ある香り、千切りにした松茸の香りと食感が絡み、松茸のシャクシャク食感とパートフィロのパリパリ食感が合わさる。
揚げずにオーブンで焼いている為、味わい的に重くなく、食感についてもパリパリだけでなく何処と無いしっとり感もある点が良い。
海老芋
ほっくりトロトロで、出汁が染み出しじゅわり!
クルミを誤記う少量あしらっているのが素敵。
餡の出汁は鰹が先行するが、まろみがあると言うか控え目。
あくまでも海老芋を主役にする。
鯖寿司
この度は芝漬けと実山椒。
肉厚な鯖をしっかり〆ており、格別!
実山椒の方の鯖が脂が強かったので伺ったところ、やはり魚体が違った(〆の仕事を変えているわけではない)。
米粉麺
出汁はシャポーン鹿児島鶏、気仙沼産フカヒレ。
極薄の米粉麺は上品で、スープにはゼラチン質が半端なく溶け込んでいる。
水菓子
ラ・フランスを白ワインとブランデーで炊き、干し柿を合わせたもの。
最低限度の味覚調整を行い、ラ・フランスの風味と爽やかさを引き立たせる。
即興で作る饅頭
皮には黄粉と白味噌を混ぜ、今回の餡は栗、和三盆、アマレット。
アマレットと栗が調和しており、大満足!
店名:佳肴岡もと(かこうおかもと)
食べるべき料理:確かな日本料理の技術に裏打ちされた個性的な岡本料理たち。
予算の目安:10,000円〜17,000円 ※お酒の量次第です(笑)
最寄駅:清水五条駅から900m
TEL:075-551-1055
住所:京都府京都市東山区常盤町470-4
営業時間:17:30~22:00、17:00~20:00
定休日:月曜、最終日曜
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