こんにちは、焼鳥が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
さて、今回お伺いした湯島の「焼鳥にしき」さんはオープンから1年も経っていませんが、安定感抜群の美味しいお店です。
食べログのスコアは3.27ですが、まちがいなく人気が高まると確信しました。
焼鳥の技術はもちろん、一品料理も美味しいので、新規店でありながら人気店と戦える実力があります。
お誘い頂いた方に心より感謝いたします!
やはり焼鳥店では焼鳥を食べたいもの。
コースのみなのに焼鳥の串が少なく、一品料理と野菜串ばかりだと不完全燃焼を覚える昨今です。
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親方の西 佳吾さんはもとは日本料理の板前さんで、焼き鳥に惚れ込んで転向されたそう。
湯島の名門「鳥恵」で修行された後、神保町の「とりアロマ (鶏馨)」で半年の仕上げを行って独立されたとの談です。
そして、2024年5月に「焼鳥にしき」をオープンされました。
今回お料理を頂いて、キャリアの原点となる日本料理の修行が如何なく発揮されていると実感しました。
高級化が進む焼鳥店において、コースの必然性とは串以外の一品料理の完成度に尽きると考えます。
中には肝心の串の本数が少ないのに一品料理が心もとない高級店もあり、個人的に懐疑を抱くところ。
西親方はそのようなところが無く、以下の点が魅力となります。
- 日本料理のキャリアに基づく出汁、塩味、甘味
- あくまでも鶏肉を楽しませてくれるコース構成
そして、西親方が扱う鶏肉は鳥取県の「鹿野地鶏」で、非常に珍しい選択です。
僕は食べチョクで取り寄せて使ったことが何回かあるため、奇遇な出会いに嬉しくなりました。
・鶏種:♂シャモ×ロードアイランドレッド ♀白色プリマスロック
・出荷日齢:♂80日 ♀95日 平均88日
・飼育方法:ヒナから平飼い
・飼料内容:ヒナから抗生物質無投与(ワクチンは投与)
そして、親方は鶏の魅力を引き出す串打ちと火入れ、調味を行っています。
力強い繊維質を活かしつつ、肉の旨味と肉汁を凝縮させ、皮や表面などと身のコントラストも明瞭です。
串打ちについてはさらに技術を上げられて独創的な表現になっていくだろうと感じました。
最後に、お店の魅力をもう一つ。
接客は西親方のお姉さんが担当されていて、姉弟タッグでお店を回されています。
駒込の「焼鳥せきね」さんとともに姉弟タッグとは、ほっこりして良いなと感じました。
今後が大いに楽しみです!
それでは、「焼鳥にしき」さんで実際に頂いたコースの内容を紹介します。
コースは2本立てで、おまかせショートコース5,500円、にしきフルコース7,700円となります。
今回は後者を頂きました。
出汁が端正で旨い!そして、胸肉の酸味を活かして鶏の存在感を一品目から示す心意気が素晴らしいと実感する。このような料理の設計やプレゼンテーションは料理人のセンスに基づくものなので、今後の大きな武器になるはずだ。
これは魅力的な火入れ!香ばしくて、鶏の酸味も楽しませる。山葵のクオリティも高く、甘味があり香りも良い。僕は高級焼鳥店や焼肉店で混ぜ山葵は論外だ(訪問に値せず)と考えているので、西親方の料理に対する配慮に嬉しくなる。
提供時点で熱々で、ぷりぷりした強い食感からジューシィな肉汁と上品な血の香りが広がる。
秋田名物のいぶりがっこが乗っているところがユニーク。お酒も青森や秋田のものが多いので、親方は秋田ご出身かも…?
オーストラリアのマスタードとともに。むちむちした肉感が強目のせせり。シャクシャクした食感のものや、脂が強いものとは異なる方向性だ。
ジューシィなズッキーニに、パルミジャーノが熱で溶けて一体化!パンチのある「合法旨味調味料」となる。
皮はパリッと、身はジューシィ。肉肉しくてむっちりした食感なので、隠し包丁が奏功している。
鰹出汁に鶏白湯を合わせているそう。旨味が強くゼラチン質もたっぷりと滲み出ている。見事に、焼鳥屋さんらしい茶碗蒸しに仕上げている。
焼き込みつつジューシィ。シャクッと弾けて、肉汁がじゅわりと横溢する。調味料は黒胡椒。
飲める塩梅の酸味と甘味が嬉しい!この塩梅で焼鳥職人の調理センスと技術がダイレクトに表れる。
焼き込んでコリッコリな食感を表現!輝きを帯びるカルデラ湖が蠱惑的で、旨味も香りもバッチリ。
完全にトロトロなうずらの卵。
パリッ!と弾けて、ひたすらジューシィ。しかも身はホロホロ。焼鳥店で手羽先を揚げる意味を感じた。焼鳥職人が揚げを選択する場合、焼きに代わる必然性が絶対に必要である。
ふとももの肉とすね肉を交互に串打ち。しっとりした食感と皮のパリッとした食感のコントラスト、そして脂も楽しめる。タレはスッキリしていて薫香に合う方向性。
焼き込んでサクッとした部分もありつつ、中はトロトロ。ずっしりとボリューム感がある点が嬉しい。
つくねはジューシィで、薬味の香りがふわっと香る。ネギはシャキシャキした食感も活用している。
タレで焼きつつ噛みしめると旨味がにじみ出る実に魅力的な部位。
皮目は焼き込んでいてサックリ!と魅力的な食感で、筋肉からは肉汁が溢れ出る。巻き込んだ長ネギの風味と食感がアクセントになり、最後まで魅力的な焼鳥を楽しませて頂いた。
締めのお食事は、そぼろ丼、親子丼、TKGの3種類から選べるそう。おすすめを伺ったところ「TKGは家では食べられないようなヤツです!」とのことでオーダー。確かに卵黄(しかも良い卵)を3つ使うなんて、家ではやらない。贅沢なTKGだ。卵好きにはたまらない。ただ、出汁も味わいたいので、今度は親子丼を頼もう!と心に決めた。
コースの最初と最後に出汁を感じさせる点が粋だ。キャリアを活かしつつ、和食への敬意を感じさせる。
「焼鳥にしき」さんは喧騒と猥雑の街、湯島にあって穏やかな立地です。
駅から少し歩いた路地にあるので、周囲には安酒で態度と声が大きくなった酔客がおらず、安心です。
店内は席の間隔も取られていて、清潔感もあり、バッチリです。
「焼鳥にしき」さんは、食べログ経由でWEB予約が可能です。
店名:焼鳥にしき(やきとりにしき)
予算の目安:おまかせショートコース5,500円、にしきフルコース7,700円の2本
TEL:050-8880-7645 ※予約のお電話は12:00~18:00にて
住所:東京都文京区湯島3-36-12 TSKビル 1F
最寄駅:湯島駅から100m
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜、祝日
※完全予約制となります
文中で言及した駒込の「焼鳥せきね」さん
上品な創作テイストを加えるハイセンスな焼鳥店!駒込「焼鳥せきね」
焼鳥の急速な進歩に刮目する、すしログ(@sushilog01)でした。
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