徳島の銘菓である【小男鹿】。
代表的な製造元の冨士屋によると、その味わいは、「甘からず不味からず、佳味幽玄にしてゆかしき「小男鹿」の風味、これこそが稀にみる日本の味、風雅な和菓子の味」との事。
冨士屋は1870年(明治3年)創業の老舗で、当時から伝統の【小男鹿】を伝えておりますが、いざ頂いてみると、確かに「佳味幽玄」なる味わいで、シンプルな調理法の御菓子なのに、強い印象を残します。
【小男鹿】の原料は、山芋、阿波和三盆糖、小豆、粳米(うるちまい)。
これらを練り、蒸し上げた御菓子なので、一見すると、昔ながらの蒸しパンと言った雰囲気ですが、味わいには深みがあり、意外性を与えてくれます。
食感は結構みっちりしており、一般的な蒸しパンのようなモソモソ感は無い。
適度にモッチリしているところが食感的特徴となります。
初めの一口、二口は「蒸しパンのようだ」と認識するのですが、妙に引き込まれる魅力があります。
理由は何だろう…と考えたところ、上記の「食感」に加えて、小豆の旨味、甘みが【小男鹿】の魅力かと感じました。
生地のほのかな甘みに、小豆のじんわり広がる深い甘みが加わり、異なる甘みの二重奏が実に上品で美味。
これはひとえに和三盆のコクが奏功している為かと思います。
小豆の質も高く、生地と小豆の調理に計算されたバランスを感じさせます。
非常に地味な印象を与える外見ですが、これは掛け値無しに美味しい。
手作りの良い部分が出ている上質な和菓子です。
僕は地方で色々な和菓子を頂いておりますが、現代でも通用する確固たる味わいに、出会いの喜びを感じました。
ちなみに、駅前店やそごう店、高松の支店などもあるので、本店に行かずとも入手出来ます。
店舗一覧:冨 士 屋
店名:小男鹿本舗 冨士屋 本店(さおじかほんぽ ふじや ほんてん)
予算の目安:半棹1,130円~
最寄駅:二軒屋駅から150m
TEL:088-623-1118
住所:徳島県徳島市南二軒屋町1-1-18
営業時間:8:20~20:00
定休日:無休
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