滋賀は野菜、魚、肉の全てが美味しい!と思う、すしログ(@sushilog01)です。
さて、こちら「蔓ききょう」さんは、滋賀で出会った優良店の一つです。
大津の市街地ではなく、瀬田唐橋の近くにひっそりとありますが、食材の仕入れは一流店そのもの。
それでいてアラカルトで気ままに頂けるので、使い勝手が非常に良いです。
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滋賀県大津「蔓ききょう」の魅力とは?
「蔓ききょう」さんの魅力を伝えるのは非常に簡単です。
それは、「滋賀が誇る美味しい食材を、炭火で焼き上げる」と言う一言に集約されます。
食材は魅力的で、滋賀に加えて京都などの名産者さんから仕入れています。
滋賀県内だと、「かしわの川中」の淡海地鶏や「サカエヤ」の牛肉や豚肉など。
さらにシーズン中は各種ジビエを用意されていて、ジビエに苦手意識を持つ人すら魅了する美味しさを保証します。
火入れについては申し分無く、味付けについてはシンプル。
調味料の質も高く、上質な食材を見ごとに「蔓ききょうの味」に仕上げておられます。
「何を食べても美味しい」安定感が、「蔓ききょう」さんにはあります。
友人から「滋賀らしい食材を楽しみたい」と聞かれつつ、「でも、ナレズシ・鮒鮓には自信が無い…」と言われたら、「蔓ききょう」さんをオススメしています。
ただ、個人的には、ジビエの付け合わせの【鮒鮓の飯のオコゲ】が無くなっていたので、復活を心底希望します。
飯を薄く延ばしてカリッと焼き上げると、あたかもチーズのような美味しさがあります。
これは鮒鮓に慣れている人にとってはサプライズがあり、苦手意識を持つ人にとっては鮒鮓のイメージアップに繋がると思います。
多くの場合、鮒鮓の飯は「副産物」的に扱われがちなので、しっかりと活かされている蔓ききょうさんは是非とも飯の再利用メニューを増やして頂ければ…と願います。
とは言え、今回は鮒鮓の飯をクレソンと合わせてペーストにされていたので、新たな発見に繋がりました。
モダンな感性で郷土料理の新しい味を作られる姿勢が素敵です。
滋賀県大津「蔓ききょう」の御料理の詳細
それでは、今まで頂いた御料理から、幾つかご紹介します。
2022年1月の訪問時に頂いたもの
2022年1月の訪問時に頂いた御料理は、下記のとおりです。
この度頂いたお酒
- 不老泉、初しぼり 特別純米限定品880円
- 不老泉、亀の尾 純米吟醸880円
- 不老泉、純米大吟醸 木桶仕込み990円
- 不老泉、山廃純米吟醸 紫ラベル880円
お通し
富田林の海老芋、金時人参のあんかけ。
お通しに丁寧な仕事があるのが、いつも変わらぬ魅力。
焼き野菜盛り合わせ 1,100円
【焼き野菜盛り合わせ】は必食のメニュー。
僕は一人でお伺いする時も必ず頼む。
上にあるのは黒キャベツ、葱は信長葱、マキノ産原木椎茸
滋賀産ヒヨドリ 1,100円
ヒヨドリはナッティな香りがたまらない。
臭みは皆無だ。
肝周りでさえ血っぽさが無く、ハンターの腕前と手当ての良さを実感する。
旨味は強く、香りと相まってジビエの魅力を伝えてくれる。
鹿の肝パテ 1,650円
お値段が張るが、たっぷりと入っているのでじっくりと楽しめる。
パンは柔らかく、甘みがあるもの。
2017年、2019年に伺った時はパンがハード系だったりレーズン入りだったが、そちらの方が合っている気がする。
滋賀産いのしし 3,300円
調味料は燻製塩、タスマニア産マスタード、クレソンと鮒鮓の飯。
火入れや薫香のまとわせ方が良く、やはり良いな…と心から実感する。
肉自体も旨い。
赤身の酸味と脂のコクの深さを楽しみ、【クレソンと鮒鮓の飯のソース】も相性抜群。
飯の酸味が活きていて、クレソンの香りと相まって行者にんにく的なパンチが生まれている。
愛農ナチュラルポークの肩ロース 1,100円
三元豚なのに旨いのが、愛農ナチュラルポーク(サカエヤ仕入れ)。
肉質と繊維質がワイルドで、三元豚とは思えない力強い美味しさがある。
ジビエのイノシシの後に頂いても、全く見劣りしない力強い味わいだ。
これまた【クレソンと鮒鮓の飯のソース】が大活躍。
淡海地鶏もも肉 1,100円
手前オス、奥メス。
食べ比べで明確な味の違いを楽しませてくれるのが面白い。
焼おにぎり 330円
初めて頂いたが、炭火焼きのためか非常に美味しい。
ちなみに、こちらは湖魚も置いてあり、【ビワマスの刺し身】は食べたことがない人は是非!
2019年9月に頂いたところ美味しかったので、オススメ。
ただ、一人だと多いので、二人以上の方々にオススメです(笑)
2017年4月の訪問時に頂いたもの
2017年4月の訪問時に頂いた御料理は下記のとおりです。
2015年に初訪問した時から更に美味しくなっていた。
お通し
こちらのお通しは満足度が高い。
相変わらず野菜と自家製のもろみが美味しく、炊いた鯉子も美味。
のっけから日本酒を進める。
淡海地鶏刺盛り(1人用)
胸肉の雌雄食べ比べ、笹身、砂ずり、ハツ、白レバー、鶏ハラミの湯引き。
淡海地鶏の笹身は実に旨い。
ねっちりした食感の後にとろりとほどける繊維質は旨味に満ちており、軽い酸味が爽快。
胸肉の雌雄食べ比べについては、雄は力強い食感で、雌は旨味と酸味が強め。
前回と同じ感想で自身の味覚にホッと安心した(笑)
他の部位も勿論申し分無し。
焼き野菜盛り合わせ
付け合わせの調味料は、大徳寺納豆味噌と面白い。
どれも味わい、香りが強い。
大徳寺納豆の独特の香り(豆豉のような)が味わいの強い野菜に合う。
特に、マキノ産の椎茸が秀逸で、表面をカリッと焼き、中を完全にジューシィに仕上げ、旨味を引き出しておられ、白眉。
猪のリエット
たっぷりで嬉しく、猪の力強い風味を上品にまとめている。
猪なので、レーズンやチョコ入りのパンとも相性が良い。
滋賀産猪の自家製ベーコン
猪の脂の旨味と香りが非常に活き活きしているベーコン。
脂の粒子は細かく、口腔の温度で丸く溶け、消え去る。
塩気を強めに利かせ猪の鼻につく部分は除去している。
滋賀産月の輪熊
感動的な美味しさ。
脂身も赤身も共に旨味がバッチリ。
そして、冷めても脂の個性が失われず、継続的に旨い。
添えられた鮒鮓の飯(いい)のオコゲも焼いたチーズのような妙味があり、パンチのある月の輪熊の良きパートナーを演じる。
たまたま届いた花山椒も頂き、感慨無量であった。
淡海地鶏の焼鶏丼
やはり頂きたくなる焼鶏丼。
流石にご飯は少なめにして頂いたが、一気に頂いてしまった。
2015年5月の訪問時に頂いたもの
2015年5月の初訪問時に頂いた御料理です。
初訪問時は淡海地鶏の美味しさに感動しました。
お通し
野菜と自家製もろみ。
朝風きゅうり、泉州の水茄子、鈴鹿かぼちゃなど。
もろみも野菜も共に非常に味わい深く、期待が大きく高まりました。
淡海地鶏刺盛り(1人用)
鶏ハラミの湯引き、砂ずり、ハツ、胸肉の雌雄食べ比べ、笹身、白レバー。
白レバーと砂ずりは素晴らしい鮮度。
笹身も強いコクがある。
良い鶏かどうかは内臓と淡白な部位を頂いて実感出来ます。
胸肉の雌雄食べ比べは、雄の方がさっぱりとしており、少しシャクシャクした食感。
雌は力強い旨味と軽い酸味がある。
鶏ハラミの湯引きは脂の強い旨味。
淡海地鶏つくね
シンプルながらに旨い。
炭火の香りが食欲をそそります。
淡海地鶏もも肉塩焼き
じゅわっと滲む旨味に感動。
繊維質は力強くも歯切れが良く、塩加減もバッチリ。
この地鶏を食べるために伺ったのですが、倍の量でも頂ける程の味わいです。
…結局、焼鶏丼を頼んで倍の量を頂いたのですが。
近江牛イチボ
炭火で焼いた後、コンベクションオーブンで仕上げ。
岩塩プレートに乗せて少量の塩分で頂きます。
付け合せのソースも面白く、鮒鮓の米にバジルを混ぜたソース。
薬味は地野菜の日野菜の微塵切り。
朝風きゅうり
お通しで頂いた生が美味しかったので、焼き物を追加。
僕はタイ料理などの熱したキュウリが好きなので、ヒットしました。
焼くことで朝風きゅうり特有の香ばしさが強まり、強い歯ごたえに軽い酸味と苦味が心地良い。
塩はイギリスのマルドンの塩を使用。
賀茂茄子
噛みしめるとねっとりと深い甘みが広がり、繊維がまとわりつき、ほのかな酸味を残す。
野菜だけで成立する焼き物です。
淡海地鶏の焼鶏丼
塩焼きを頂き、タレでも頂きたく思ったので、文句ない味わいでした。
上品なタレで地鶏を活かす。
米は土鍋で炊かれており、細やかな心配りを感じます(保温はジャーです)。
シンプルな調理ですが、細部に調理のセンスを感じさせる、素晴らしいお店です。
「蔓ききょう」のお店情報と予約方法
WEB予約については、食べログ経由で可能です。
店名:炭火割烹 蔓ききょう(すみびかっぽう つるききょう)
予算の目安:ランチ1,100円~、夜5,000円~10,000円くらい
TEL:077-545-7837
住所:滋賀県大津市瀬田2-2-1
最寄駅:唐橋前駅から500m
営業時間:11:30~14:00(L.O.13:00)、17:30~22:00(L.O.20:30)
定休日:水曜、第1・3・5火曜、木曜のお昼
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滋賀の親善大使になりたい、すしログ(@sushilog01)でした。
本記事は「日本料理編」No. 63、No. 79をもとに最新情報を記載した記事になります。
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