
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
2026年1月下旬、「鮨にし岡」さんにて、有名な長井漁港の長谷川 大樹さんの解説を伺いながら長谷川さんの魚をブラインドで食べるスペシャルな会を開催しました。

公式LINEで募集をしたところ、当選倍率がなんと5.2倍にもなり、感謝感激です。
あえなくご参加いただけなかった方々にお詫びの気持ちも込めて、本レポートを書きます(公開まで時間がかかり申し訳ありません)。

ご参加いただいた方々に大満足いただき、感慨無量でした。
ブラインドテイスティングなので、お料理が提供され、噛み締め、飲み込むまでは皆口をつぐみ、店内に沈黙が訪れるストイックな雰囲気で、あたかも「魚道場」でした笑
しかし!食べる時は真剣であっても、美味しさに気づき種明かしをされると笑顔が止まらなくなりました。
その光景を見て、ブラインドテイスティングのポテンシャルを実感した次第です。
魚に貴賤はないことを実感した夜です。
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後に記載するレビューについては、ブログの体裁上、魚の名前が先に来ていますが、イベント当日は情報無しで食べて、自身の感覚で味わった後に種明かしをしていただく流れでした。
実にエキサイティングで、個々の魚の味に向き合えました。
料理において、食べる前の情報は基本的に不要である事実を実感します。
レストランでも、まずは食べてから情報をお伝えいただく形式が普及すれば良いと個人的に思います。
偏見無しで、自分の感覚で食べるのが一番ですからね…!

そして、世間では「未利用魚」と言われる魚たちであっても、漁業者の仕立てが良ければ、抜群に美味しいものがたくさんあることを実感しました。
市場中心の価値経済だと「未利用魚」とレッテルを貼られ、酷い時には「下魚」などと蔑まれますが、本質は魚に貴賤なし。
あるのは美味いかどうかであり、美味くできるかどうか。
「未利用魚」は驚きや喜びのある「サプライズフィッシュ」になりうると確信します。

漁業者、料理人、消費者の全てが、魚に対する偏見を捨てた時、日本は再び漁業大国に返り咲けるのではないでしょうか?
僕が考える漁業大国とは、漁獲量の問題ではなく、漁業の安定性と、いかに魚を美味しく調理できるか?に尽きます。
前者の「漁業の安定性」は日本は残念ながら先進国とは言えず、発展途上国ではありますが、後者の「いかに魚を美味しく調理できるか?」についてはチャンスがあります。
僕は日本人は魚を世界で一番美味しく食べさせる民族だと信じていますので、これから漁業と魚食が見直されることを切望しています。
いやあ、魚って本当に美味しい!

長谷川さん、西岡親方、どうもありがとうございました。
それでは、当時の内容を紹介します。

まずは香ばしい香りに魅了される。いざいただけば、調味料不使用とのことだが、味がバチッと決まっている。いただいた後に魚の複雑な香りが広がり、食欲を刺激されて実に魅力的だ。長谷川さんいわく、相模湾の魚は塩味が強めらしい。そして、塩味が強い海域の魚はネガティブな雑味が出やすいので、手当が重要であるとの談でなるほど。
穂増四農醸甘やかトレンディ、荷札酒穏やかカプ

手前がマアジで、脂が乗っていて、しっとりした食感。酸味が心地良く、かなりクリアーな味わいだ。奥のマルアジはむっちり、ぱっつりと歯ごたえがあり、甘味の後に酸味が広がり、そして香りが強い。良い意味での野趣を感じさせる鉄分の香りが個性的だ。


小さめながら香りが良く、ゼラチン質が豊富。食感はコリコリしつつ、繊維がしっとりとほどける。そして、香りの余韻が長い。火入れが良く、海水で3分ほど煮た程度だそう。

ジュレの旨味と香りが強めと思いきや身の旨味が強いため、邪魔にならない。奥歯から喉に旨味が伸びるスピードが速い。とは言え、後味はクリアーだ。ほんの少ししっとりした瑞々しさがありながら、凝縮感もあって旨い。

手前のカワハギは王道を行く脂の甘味と身の旨味だ。ウマヅラハギは雌雄ともに天然モノ。昨今は養殖モノが非常に多く出回っているところ嬉しい。メスの肝は濃厚な油脂で、オスの肝は香りが濃密で血液の香りが強めだ。一般的にはハギの肝は甘味が持ち味で、あとはネガティブな香りの有無が食味を分けるところだが、まさか香りにも個性があるとは新発見だった。ちなみに、タイはオスの方が磯っぽい香りが強めなので、メスを求める料理人が多いそうだ。

柔らかい身で脂が乗っている。骨が僅かに当たるが、味を邪魔する範囲ではない。脂が強いので、柑橘の酸味が効いたポン酢とのバランスが良い。脂と酸が好対照だ。


むっちりした食感から気持ち良い香りが広がり、旨味へとつながる。酒肴の後に「鮨って美味しいなあ」と思わせてくれるのは、やはり白身魚だと感じる。相模湾のエビスダイは半年に数本しか揚がらないそうなので食運に感謝。

むっちりしていて、脂がありつつ軽やかな余韻。香りは上品な青魚で、ブリ系だろうかと当たりを付けたところイナダであった。縞鯵のような食味で印象深い。長谷川さんが船上で〆たものとのこと(長谷川さんは長井漁港で働かれているので、非常に貴重な船上〆)。

脂がノリノリながら、身はむっちりしていて旨い!昆布の当て方が巧いな…と感じる上品な昆布様の香りと旨味であったが、実は昆布不使用でメジナのみの香りと旨味だそう!長谷川さんから「そこに気づくとは流石」とのお言葉を頂戴し、嬉しい限り。今の時期は沖合に出て甲殻類プランクトンを食べているそう。バカにされがちなメジナだが、美味いものは美味い。絶対的な真理を知った。

食感はぶりぶり、バツバツで、甘味が強い!旨味の余韻も長い。当初は食感からこちらをスミイカ(コウイカ)ではないかと踏んだ。

みっちりした後に軽いさっくり感がある。甘味がありつつ軽やかな後味。しかし、こちらがスミイカとのことで驚いた。食感の強さは水あるいは氷水に触れることで強まるそうだ。

鰤のハラモのような脂の甘味と柔らかさで、鉄分や野趣は極めて穏やか。故に40キロほどのメジマグロと聞いて意外に思った。

脂の甘味だけでなく、コクと清涼感を感じさせる香りが持ち味のエボダイ。皮目と繊維質からエボダイだと分かったが、味のレヴェルが異なるエボダイ。身はしっとりしつつ、軽いむっちり感もあり、活き活きとしている。西岡親方の仕事が興味深く、丸の状態で皮目だけ酢を入れるそうだ。故に身への味覚的影響を抑えた上で食感の表現や純化に成功している。

食感は柔らかく、キャッチーな甘味を持つ。血液の影響を被っていないキンメダイだと思いきや、チカメキントキとは。二宮(ふたみや)丸のものだそう。

炙りの香りが程良く上品。甘味がありつつ、切断面に軽い脱水も奏功している。クロムツは深海魚なので旬が曖昧だが、本当の旬は6月とのことで勉強になった。
ちなみに、合間の余談が印象的であった。2026年の初ゼリの鮪は5億1,030万円にもなったが、なんと、二番は神奈川の人だったそう。しかも、三浦から大間まで(もちろん船で)行って技術を習得し、八戸〜噴火湾まで操業しているとのことだ。漁法は延縄。第五君栄丸、チェックしたい漁師さんだ。

非常に肉厚。食感をホロホロにせず、むっちりした食感に仕上げている。炙りの香りに噛ませた海苔の香りが自然に調和する。大型の太刀魚かと思いきや、異なる魚種でサプライズがある。なお、太刀魚と比べて遜色がないというよりも握りであれば本種の方が美味しいかもしれない。

強烈な甘味の海老だ。出汁はアカザエビの殻(他の出汁は不使用)とのことで、選択が良い。
「鮨 にし岡」さんについては、下記の食べログのリンクからWEB予約が可能です。
店名:鮨 にし岡(すし にしおか)
シャリの特徴:塩気は穏やかで、酸味も尖りすぎておらず、タネによって酸味をキリッと感じさせる塩梅。温度管理が良好。
予算の目安:【おまかせコース】27,500円、【日曜日 握りおまかせコース】18,000円 ※別途サービス料10%
最寄駅:泉岳寺駅から300m、高輪ゲートウェイ駅から500m
TEL:050-3091-0909
住所:東京都港区高輪2-14-17 グレイス高輪 B-102
営業時間:18:30一斉スタート、日曜12:30一斉スタート
定休日:不定休
通常営業時の記事
西岡親方と親交があり、僕も長年推している「鮨ゆうき」さん
鮨の未来が楽しみな、すしログ(@sushilog01)でした。
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