こんにちは、鮨と日本酒をこよなく愛する、すしログ(@sushilog01)です。
今回は馬上酒造場【大号令 生もと純米 千本錦60】をテイスティングします。
馬上酒造場さんは『dancyu (ダンチュウ) 2023年3月号』の日本酒特集で紹介されました!
「熊野筆」で有名な広島県安芸郡熊野町にある酒蔵さんです。
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「馬上酒造場」さんは1893年(明治26年)に創業された酒蔵です。
4代目の馬上日出男さんは70歳になったタイミングで廃業を考えたそうですが、2021年に若い杜氏さんを迎えて再生しました。
その杜氏さんは、広島市出身で、竹原市の竹鶴酒造で10年、滋賀県湖南市の北島酒造で4年修業された村上和哉さんです。
このエピソードは、京都の日本酒バー「たかはし」さんでお伺いして、同じ広島出身の筆者は関心を抱いた次第です。
京都で寛げる、大人のための日本酒バー。烏丸「たかはし」
「馬上酒造場」さんの生産量は、166.3石(30kl)と非常に少ない状況です。
しかし、少量生産を逆手に取って、伝統的な技術で仕込んでいます。
全てのお米を木製の甑で蒸し、蒸米は放冷機ではなく自然放冷。
そして、酒造りの要と言える麹造りについては、蓋製麹や箱製麹と言った手間のかかる手法を採られています。
かの「新政酒造」さんのように温故知新で現代の酒を造る試みです。
今後、村上杜氏がどのようなお酒を造られるのか、広島県で目が離せません。
それでは、【大号令 生もと純米 千本錦60】のレビューに入ります。
外観については、透明感があるクリスタルがかったやや濃いイエローで、うっすらグリーンが混じる色調です。
色調から、硬派な路線のお酒だと推察が付きます(笑)
香りについては、ふくよかかつ熟成香を感じる第一印象です。
初手から生酛らしい香りと熟成香が調和し、お米の香りも強く、寝かせた玄米や軽く焼いた餅の香りを想起させます。
そして、醤油とカラメル香が混ざりつつ、うっすらと椎茸香が被さり、上品なクローブ香と調和します。
強すぎず、上品な香りと言えますが、香ばしさを確かに楽しませてくれます。
第一印象はやや強いアタックで、軽めの甘味をきめ細かくシャープな酸味が引き締め、キリッとしたコクを与える苦味がビリビリと味をまとめます。
バランスはドライでコンパクトで、余韻はやや短めです。
力強い香りとは裏腹に味わいにはギャップがあり、「辛口」の方向性です。
ただ、決して軽すぎず、酸酸と苦味が印象的な後味となるお酒です。
55℃で燗を付けてみたところ、これは良い!
冷酒から常温だと奥に潜んでいた甘味が引き出され、酸味とバランス良く調和します。
そして、苦味・旨味が活きます!
ただ、燗酒からぬる燗まで温度を落とすと、ヘヴィな印象になります。
甘味の密度が高まり、苦味に調和するので、力強い味わいを好む方は上げて下げると良いと思います。
常温は、甘味のある醤油味の料理と相性が良く、コクのある中華料理とも合わせられます。
燗酒は海鮮系の鍋に合う方向性です。
僕は広島らしく牡蠣鍋と合わせてみましたが、バッチリでした。
風味が強く、旨味も強い牡蠣の余韻を引き締めてくれます。
馬上酒造場【大号令 生もと純米 千本錦60】のスペックについては、以下のとおりです。
- 醸造元(製造者):馬上酒造場(広島県安芸郡熊野町)
- ブランド名:大号令 生もと純米 千本錦60
- 特定名称:純米酒
- 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
- 原料米:千本錦
- 精米歩合:60%
- 酵母:無添加
- アルコール度:15%
- 日本酒度:+15
- 酸度:2.3
- 価格:720ml・1,870円
馬上酒造場【大号令 生もと純米 千本錦60】については、上述の通り生産量が非常に少ないので、特約店で入手するのがベストです。
広島だと「大和屋酒舗」さんや「酒商山田」さんで、後者は東京の池袋に支店があります。
大阪なら「山中酒の店」さんで見かけました。
テイスティングの技量を上げて行きたい、すしログ(@sushilog01)でした。
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