こちらは創業を享保年間(1716年~1735年)にまで遡り、江戸幕府八代将軍・徳川吉宗が愛したとされる上方鰻の重鎮です。
現在は15代目のご主人が暖簾を守っておられます。
鰻と言えば、関東風、関西風と調理法で大別されますが、個人的には、より細かく、県によって結構違いがあるように感じております。
さらに、こちらのお店の仕事は老舗となるものの、「関西風」と言う枠組みを超えた個性を有しているように思います。
と言うのも、焼き加減はそこまでカリッとしておらず、ご飯の上部の鰻もある程度ふんわり。
そして、お客さんの70%が頼むと言う【まむし(間蒸し)】が名物となっているため、伝統的でありながら個性的と言う、県外の人間が頂くには大変嬉しい鰻料理となっております。
関西風が初めての関東人でも違和感なく頂ける鰻なのではないかと感じました。
大阪まむし
奈良県・二階堂にある綿宗さんの【まむし】とは、かなり風貌が異なりますね。
使用されている鰻はかなり上質だと見受けます。
繊維質は柔らかく、脂はたっぷりながらにクドくなく、サラッと舌に心地良い。
日(ともちろん時期)によって仕入れが異なるようで、頂いた鰻は愛知県産の新仔鰻。
説明書きによると季節限定モノで、11月から翌年2月中旬までに捕れたシラスを養殖した鰻との談でした。
若い鰻魅力を殺すこと無く焼かれており、一口目から満足度が高かった。
タレも甘ったるくなく、醤油をキリッと利かせた、比較的あっさりな味わい。
醤油はたまり醤油を使用し、甘みのもとは本味醂。
更に灘の酒を加えた創業以来変わらぬ味わいのタレとの事です。
また、鰻の質のみならず、使用している炭も結構上質なのではないかと感じました。
卓上の山椒もしっかり香りと辛味があり、老舗と謂えども抜かり無い点は好印象です。
肝吸いの出汁は穏やかな昆布出汁で、肝がレア寄りの火入れである点が魅力。
個人的に、肝吸いの肝は柔らかな火入れの方が美味しいと思います。
この度頂いた料理は【桜】4,395円でしたが、クオリティ、ボリューム共に納得出来る内容でした。
むしろご飯に対して鰻が多すぎて、ご飯大盛で頼めば良かったと思った程です(笑)
老舗ながらにビルなので一瞬怯むかもしれませんが、看板に胡座をかいていないお店だと思います。
店名:本家柴藤(ほんけ しばとう)
食べるべき逸品:大阪まむし
予算の目安:大阪まむし(菊)2,880円〜、蒲焼き定食(梅)3,020円〜
最寄駅:淀屋橋駅から250m、北浜駅から400m
TEL:06-6231-4810
住所:大阪府大阪市中央区高麗橋2-5-2
営業時間:11:00~14:30、17:00~21:00 ※鰻がなくなり次第終了
定休日:日曜、月曜、祝日
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