こちらは名古屋で鮨を頂こうと思った際、ネット上でリサーチして見つけたお店です。
訪問しようと思ったポイントは、
1. ネット上の写真を見る限り、かなり正当な江戸前の仕事を施している点、
2. 二代目がすきやばし次郎で修行されたという点。
実際のところ、小野二郎氏の弟子は既に100人以上と言われておりますが、お店のWEBサイトを見ても、米と海苔にこだわっているため、期待を抱いて予約のうえ訪問した次第です。
しかし、頂いた握りを紹介する前から恐縮ですが、決定的にクオリティと値段が釣り合っておりませんでした。
良い仕事や、光るものを感じる握りもありました。
ただ、「お決まり」を頼み、先付、握り12貫、椀を頂いて、13,000円ほどの価値があるかと聞かれると、首を傾げる他ありません。
主な理由を挙げると、
1. 店内は空いているのに、同時に二貫以上出してくる
2. 煮キリ、煮ツメが盛り板に垂れても、最後まで拭かない
3. ガリ、べったら漬けが既製品
4. タネのクオリティを超える価格設定
といった点となります。
2については、最初は多少気にされておりましたが、最後の方は垂れた煮ツメの上に煮キリで頂く握りを置く始末。
3は目の前で袋から出されて、「これ、美味いでしょ」とご自分も食べられて、閉口。
化学調味料の味がする漬物を、です。
このような流れがあったので、お会計は安心していたのですが、まさかの高価格。
しかも、「銀座なんか、ボッてくるから行かなくて良いよ」とまで言っておられたのですが…
煮ツメは中々良く、【蒸し穴子棒寿司】もオリジナリティがあり、面白かっただけに残念。
これから二代目が看板を背負って行かれることになるのかと思いますが、ご主人は引退前に己の商売を振り返られ、息子さんに良い形で引き継がれた方が、末長くお店が繁栄するかと思います。
正直なところ書こうかどうか非常に迷ったのですが、叱咤激励となれば…という思いで書いた次第です。
なお、シャリは硬さと温度は中々良く、甘みが強い点で好みが分かれるかと思います。
また、握りの順序が少々変わっているところも好みによるかもしれません。
先付
鱧の落とし、梅肉和え。
梅肉があまりにも濃すぎて鱧の味、香りが不明。
真子鰈の昆布〆
「お決まり」で頼んでいるのにお造り?と思いましたが、
親方が出勤されていないため、二代目が出されたようです。
鮪トロ
筋が気になり、産地を聞くことが躊躇われました。
蛤
これは中々の出来。
煮ツメも濃厚で、好みです。
小鰭
強めの〆。身は薄い。
鮪赤身
真子鰈
海老
茹で置きでしたが、中々でした。
穴子
柔らかくふんわりと煮ており、煮ツメとの相性も良いのですが、骨の処理が…
蝦蛄
水分が多すぎます。
すぐにシャリに水分が回り、ビチャビチャと崩れます。
蒸し穴子棒寿司
オリジナリティ溢れる一品。
甘みのあるシャリなので蒸すと良い塩梅にまろやかになります。
玉子
これも水分が多いです。
煮蛸
切りつけが…
烏賊
「烏賊出したっけ?」と二代目が聞かれて出てきました。
握りしめたレモンをしたたか絞られ、「レモンを絞ると烏賊の味わいが強くなる」とのこと。
うーむ。
椀
地物の肉厚な浅蜊を使っており、美味しいです。
蛤、蒸し穴子棒寿司と並んで印象に残りました。
店名:成田
酢飯の特長:硬さと温度が良く、甘みが強い。
予算の目安:13,000円〜
最寄り駅:新栄駅から259m
TEL: 052-932-5665
住所: 愛知県名古屋市中区東桜2丁目19-9 明治第11ビル 1F
営業時間:11:30~13:30、17:30~21:30
定休日:日曜、祝日
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