すしログ和菓子編 No. 7 長命寺桜もち@向島

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桜もちと言えば、西は道明寺、東は長命寺。

両方の違いは、ひとえに調理法。

道明寺は、餅米由来の道明寺粉で作った餅に餡を詰め、桜の葉を巻いたもの。

長命寺は、小麦粉で作った生地で餡を包み、桜の葉を巻いたもの。

和菓子は京都から江戸(東京)に伝わり、独自の発展を遂げることとなりましたが、まさに桜もちにその発展の姿を見られるのではないかと感じます。

 

こちら、「長命寺桜もち」の創業は1717年(享保2年!)と、東京に現存する和菓子店では屈指の歴史を誇ります。

ゆうに約300年・・・

創業当時、こちらがある隅田堤は桜の名所でした。

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そこで、長命寺の門番であった山本新六が塩漬けにした桜の葉を用い、オリジナルの和菓子を考案したところ、大ヒット。

現在、桜の葉は西伊豆・松崎のオオシマザクラのものを使用されておりますが、頂いてみると、昔ながらの味わいを継承されていることが如実に分かります。

他の何処にも無い独特の味わいなので…

こちらの桜もちは、1個につき葉っぱを3枚使用されております。

これは結構珍しいですよね。

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餡を包む餅は非常に薄い。

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そして、薄いながらに歯応えが非常に強く、存在感のある餅です。

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力強い食感だけでなく、しっとりした口当たりも楽しめるので、わざわざお店で頂くのはアリだと思います。

餡はかなりサラッとしており、上品な甘み。

小豆のコクが少ない点は上品さを志向した仕様でしょうか。

全体として、桜の葉の香りと塩気、餅の食感、餡の控え目な甘みに粋を感じます。

このクラシカルな味わいは此方ならではなので、一食の価値が有るのではないでしょうか。

お店で頂けば、昔の情緒を少し感じられるかもしれません。

 

店名:長命寺 桜もち(ちょうみょうじ さくらもち)

予算の目安:6個入り1,350円、店内召上り1個300円(煎茶付き)

最寄駅:曳舟駅から720m、押上駅から1,000m

TEL:03-3622-3266

住所:東京都墨田区向島5-1-14

営業時間:8:30~18:00、イートインは17時まで

定休日:月曜

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