こんにちは、野生食材が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
「マナックターブル(mannacktable)」さんは、かなりヒットしたフレンチです。
食べログは3.05ですが、シェフはかなりの実力派。
ジャンルはフレンチとなるものの食後感は軽く、食材の取り合わせや調理法はモダンです。
しかし、地に足がついた調理で食材の魅力を引き出しています。
それでいて超リーズナブル。
実力と世間の評価の乖離が激しすぎるお店です。
食べログにアップされている写真はイマイチ垢抜けていませんでしたが、公式サイトの以下のシェフの言葉を見て訪問を決めました。
自然の環境がこの信州松本の周りにはあり、それを活かした新しい料理を提案したい。そんなシェフの考えから作られたmannacktable(マナックターブル)は、松本の天然食材を特に大事にし、その食材を使った松本でしか味わえないメニューをお届けします。日々、山に入り綺麗な野草を摘み食材に活かし、時には落ち葉を集め、その香りを使った料理を考案したり。フレンチシェフの経験を活かし、その知識と技術で料理を仕上げていますが、フレンチというカテゴリーには収まらないオリジナルの料理を提案します。
結果的に大正解だった次第です!
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「マナックターブル(mannacktable)」さんは、2016年8月28日のオープンとのことです。
読者の方には微塵も関係ありませんが、僕の誕生日でビックリしました(笑)
しかし、オープンから8年以上経つのに松本以外で知られていないとは、何かがおかしい!と感じました。
それほどに味、独創性、食材力、コストパフォーマンスを兼ね揃えるレストランなので。
食材の多くは長野県が誇る山野のもので、キノコのシーズンには多用されていました。
ただ、多用と言っても決して多すぎることはなく、上品にキノコを配置する使い方です。
そこに長野には無い海の素材を加えて、料理の幅を広げておられます。
魚介類は沼津漁港から直送で仕入れているそうです。
御料理は全体的にモダンフレンチらしく美しいフォルムですが、調理法はクラシックフレンチに近しいです。
シャルキュトリーを活かしたタルトなどは個人的に琴線に触れまくりでした。
そして、調理法はクラシックに近くとも、調味に関してはモダンなので食後感が軽いところも特徴になります。
コースの提供テンポも秀逸で、食べ疲れしません。
モダンフレンチとして独創性や軽さを意識されつつ、しっかりした満足感を与えてくれる秀逸な組み立てです。
- 葉唐辛子のピュレを練り込んだスポンジ、自家製ヤギチーズ
- アカヤマドリダケと根室の毛蟹のロワイヤル、地元のハナイグチ
- 自家製の胡桃パン
- 茄子、ホロホロ鳥の白レバー、信州牛のパテのタルト
- マハタ、ソース・ヴァン・ブラン
- 佐久の日本鹿、自家製生ハム、原木マイタケ、天然クリフウセン、マイタケソース
- 自家製チーズのクレームダンジュ、リンゴのソース、シャインマスカットの液体窒素ソース
- 焼き立てのカヌレ
- カフェ
ドリンクのメニューはこの通り。
僕はシードルをボトルで頂いた後、グラスで白と赤を頂いた。
チーズの旨味が活きる印象深い一品。見た目に心が踊り、軽やかなふわふわスポンジとチーズのコクを楽しめる美味しいアミューズ。
毛蟹の旨味をたっぷりと楽しませつつ、毛蟹の使い方がこれ見よがしではないのが好感。塩気も上品だ。ハナイグチのぬめっとしながらコリコリした食感と軽い苦味が魅力的なアクセントになる。山椒オイルを使用か。
胡桃がごろっと入っていて、パン自体も香ばしくて味わい深い。美味しいパンだ。
ホロホロ鳥の白レバー、信州牛のパテに、自家製モッツァレラチーズのソース、パプリカソース、菊の花のマリネ。レバーの濃密なコクと他構成要素の味わいが複雑に絡む、絶妙なバランス!薄くともタルト生地の香り味わいも活きている
ソースヴァンブランに発酵させた紫蘇の実を合わせ、ペルノに漬けたイクラを加えている点が独創的で面白い。奥は万願寺唐辛子の蕎麦粉のフリット。中にはジャガイモと魚のすり身が詰められている。
これは、イクラの使い方が巧い!単に映えのために乗せる日本料理人よりも巧い!イクラ油脂のコクとペルノの香りが調味料的に効いている。肉厚なマハタをジューシィに焼き上げて旨味を楽しませる調理。ソースの油脂は非常に軽い。モダンな着想で基づきながら、しっかりと必然性のある組み立てを行っている。魚のポーションも巨大で嬉しい。
ちなみに、「ペルノ」はフランスのリキュール。1915年に発売禁止となった「アブサン」の後継的なお酒で、「アブサン」のボタニカルがニガヨモギ主体であるところ、「ペルノ」はアニス、スターアニス、コリアンダーなど15種類のハーブである。…ようは変態的なフランスのリキュールだ。
鹿肉はむっちりしつつ、しっとりほどける魅力的なテクスチャー!鹿の香りが上品に広がり、旨味と酸味が広がる。
焼き込んで味わいと香りを凝縮させたマイタケも魅力。苦味も付与しているため鹿肉のアクセントになる。フウセンタケのクリーミーな香りもたまらない。
美味しいデセール!チーズの風味が濃厚なクレームダンジュ。各フルーツの香りと自然な甘味が抜群である。リンゴのソースには紫蘇の香りも加えているのかな。味覚だけでなく温度差も効果的に構成している。
パリッ!と弾けて、もっちもち、とろりなカヌレ。ラム酒はふんわりと香る。これは美味しいカヌレだ。
「マナックターブル(mannacktable)」は松本駅から徒歩で10分ほどの場所にあります。
比較的大きな通りに面していて、控えめな外観です。
店内に入ると、モダンなカウンターと温かみのある木のテーブルが配置され、穏やかな空気が漂います。
シェフとマダムのお二人の営業で、くつろげる雰囲気です。
「マナックターブル(mannacktable)」さんは、公式サイトから飛べるテーブルチェックよりWEB予約が可能です。
店名:マナックターブル(mannacktable)
予算の目安:ランチ4,620円、7,700円、ディナー12,000円
TEL:0263-31-0033
住所:長野県松本市大手2-7-3
最寄駅:松本駅から700m
営業時間:11:30~14:30(L.O.13:00)、18:00~22:30(L.O.20:00)
定休日:不定休
長野県で僕が好きなイタリアン、タイ料理、中華料理。
長野の豊かな恵みを満喫させて頂けるご当地イタリアン!茅野「カエンネ(ca’enne)」 ここでしか頂けないモダンタイ料理!発酵を駆使する長野県伊那谷の「GUUUT(グート)」 伊那谷の食文化を中華に落とし込む俊英!「中国菜 木燕(ムーエン)」
土地の食材で個性的な表現をされていると感動する、すしログ(@sushilog01)でした。
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