こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
この度、久々に石川県に旅行をした際に、一食目でお伺いしたのが「立喰い鮨 優勝」さんです。
名前は若者にストレートに訴求した感じですが、実際に優勝です(ネットスラングで「美味しい」の意)。
ミシュラン二ツ星の「すし処めくみ」の山口 尚享親方が監修しているそうですが、一般的な市場の鮨店を凌駕するクオリティです。
リーズナブルであっても決して手を抜かれていません。
素材の良さに加えて「仕事で魚を更に美味しくしよう」と言う気持ちも感じます!
立喰い業態でありながら、スシの表記が「寿司」ではなく「鮨」なのも意識が高くて素晴らしいですね。
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「立喰い鮨 優勝」の魅力については、石川県や近県の地魚をリーズナブルに頂けて、しかも美味しい点にあります。
金沢は回転寿司も人気ですが、回転寿司だとシャリがイマイチなケースもあります。
しかし、「立喰い鮨 優勝」はシャリもバッチリなので1貫目から最後まで美味しく頂けます。
母体の「金丸水産」は業務用鮮魚卸の会社で、金沢市内に「鮨やしち」と「居酒屋87」を既に展開している模様です。
さらに、「すし処めくみ」も使う能登町の漁師「日の出大敷」中田洋助さんからも仕入れているそうなので、立ち食い鮨としてはレベチな仕入れとなっています。
店長を務める 清水 晶義さん(八七産業取締役)は、「すし処めくみ」の山口親方から鮨を教えてもらって、2年ほど独学で精進されているそうです。
仕事の見極めについてはセンスを感じ、薬味の使い方なども下手な都会の人気店よりも繊細で洗練されていました。
率直に申し上げて、頂いた後に経歴をお伺いをして「え、独学??」と驚いた次第です。
生命線のシャリは温かめで、すぐにホロッとほどけます。
味付けはまろやかながら、途中から酸味が高まり、最後の味わいにおいてもアシストしてくれます。
単に穏やかに調整するのではなく、ちゃんと酸を活かしている塩梅です。
聞けばお酢は「富士酢」との事で、成る程と感じました。
そして、魚の仕事については、敢えて寝かせない仕事を選んでおられるそう。
鮪ですら寝かさず、時としていかっているのを出す選択です。
これは、東京の鮨店で食べられるものを出してもつまらないので、この場所らしい仕事を選択している為との事なので素晴らしい選択だと感じます。
名古屋や大阪などの大都市であっても東京の二番煎じでは全く面白くありませんので。
また、県外産の魚も用いつつ、県外産の場合には仕事を施して当地で提供する必然性を与えている点も良いです。
リーズナブルなお店ながら工夫されているのが分かり、志の高さに惚れ惚れしました。
【おまかせコース】については、税込み4,000円と妥当な価格帯です。
東京では立ち食いなのに高額な「高級立ち食い鮨」が増えてしまいましたが、座って食べられるお店よりもリーズナブルでないと訪問する価値はありません。
先日、自ら「高級立ち食い鮨」を名乗るお店にすら遭遇し、厚顔無恥とはこの事なり…と実感しました。
僕は車なのでお酒を頂きませんでしたが、お酒については魅力的な品揃えです。
この味わいのマトリックス図は分かりやすい。
公共交通機関を利用される方はぜひ!
赤酢を用い、酸味と辛味を出したスッキリタイプ。
シャキシャキした食感も魅力。
圧倒的多数の市場の鮨店が、甘味たっぷりの既製品を用いているので、手抜かり無く嬉しい。
能登産との事なので、赤イカだろうか?
包丁で歯切れを良くしていて、柔らかく、非常に甘い。
椀種が海藻なのが北陸らしい。
鰹出汁がバシッと効き、味噌に独特の香りと酸味がある。
金沢近郊。
ぷちっと弾けて、とろとろ甘い。
ネガティブな香りと味はゼロ。
これは流石の鮮度だなと惚れ惚れ。
地物。
腹側で、脂がたっぷりと乗っていて、口溶けもとろり。
薫香がありつつ提供温度は低いので、スッキリと楽しませる方向性だ。
能登産。
酢〆にしている為、甘味のある煮ツメを合わせつつサッパリと食べさせる仕事。
中々個性的な意欲作!酢〆によって味の密度が上がり、香りも気持ち良い範囲内で磯を感じさせる。
朝獲れとの事で、これは白眉。
脂が乗りながらトロッとする前にぱつりと弾ける食感が素晴らしい。
また、後味も爽やかで綺麗な脂だ。
これは産地ならではな味わい。
当たり葱の量も下手な都会の高級店よりも上を行く良き塩梅。
千葉県産。
部位はハラモ!
脂が乗りつつ爽やかな酸味もある。
これはマカジキならではな味わいで、良いなあ。
鱈の白子は北海道のイメージが強いかもしないが、産地は能登で、金沢でも白子の食文化がある。
味わいはネガティブ無し。
また、提供温度も良好で熱くなく、甘味を感じさせシャリの酸味と合わせやすい温度帯。
そして、酸味が後味を引き締める。
能登産、50キロのメジマグロ。
柔らかく脂があり、シャリの酸味がキリッとした後味。
最後に鮪の香りをふんわりと残す。
能登産との事で、地物の鮪なのが嬉しい。
上品に作られているネギトロで、海苔は有明一番。
歯切れ良く香りもあり、旨味もある海苔なので、市場の立ち食い鮨とは思えない上質な味わいとなる。
愛知県産。
煮穴子の江戸前仕事を転用している。
身はホロッホロ、とろとろ。
しかし、香りと脂は鰻!
江戸前の芝海老ではなく、当地らしく甘海老を使用したカステラ玉子。
頭で出汁を取り、身はすりみにしている。
甘海老らしい香りが和む。
まろみのある香りだ。
食感は均一にきめ細かく、しゅわっと感が少ないスフレ状の玉子焼き。
「立喰い鮨 優勝」は「金沢港いきいき魚市」にあります。
金沢駅から車で15分~20分なので、僕のように到着してすぐ一食目に頂く事も可能です。
なお、市場だけに駐車場は広々しています。
店内は立ち食い業態であっても非常に清潔で、空気すら清浄で、臭みは皆無です。
「立喰い鮨 優勝」については、「一休」経由でWEB予約が可能です。
立ち食い形式と言っても人気が非常に高いので、予約なしでは入れません。
特に旅行者の方は必ず予約をされてください!
店名:立喰い鮨 優勝(たちぐいすし ゆうしょう)
シャリの特徴:温度、硬さともに良好で、「富士酢」を用い上品な酸味と旨味を活かしたシャリ。
予算の目安:4,400円~
TEL:090-1390-8787
住所:石川県金沢市無量寺町ヲ52 金沢港いきいき魚市
最寄駅:金沢駅から5.3km
営業時間:①10:00~10:45、②10:45~11:30、③11:30~12:15、④12:15~13:00、⑤13:00~13:45、⑥13:45~14:30
※予約は45分スパンで席入れ替え
定休日:不定休
全国の市場でも同様の鮨店が増えて欲しい!と願う、すしログ(@sushilog01)でした。
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