こんにちは、和菓子が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
さて、京都にはネットでは有名ではないものの、卓越した歴史と技術を誇るお店が点在しているのが面白いところ。
今回ご紹介する「亀屋伊織」さんもその一つ。
食べログのスコアは3.07ですが、創業から400年以上の歴史を誇る京都和菓子界の重鎮です。
世間では100名店やミシュラン店をスタンプラリーしている人を「グルメ」とみなす傾向がありますが、それが完全に間違いであることがわかります。
「亀屋伊織」さんは創業から400年以上と言われますが、正確な創業年は不明です。
理由は、天明の大火や禁門の変(蛤御門の変)などで消失したためだそうです。
まあ、そのような歴史を知らずとも凄さが分かるのが、「亀屋伊織」さんは400年以上にわたって一期一会の茶会用の干菓子のみを作り続けていると言う事実です。
もちろん支店や出店、催事など一切無く、お取り寄せも不可。
京都では茶人の地位は圧倒的で、雨の日に茶道の家元を見かけた高僧は自身の僧衣を地面に敷いて家元の道を作る、と言われます。
京都の深淵に触れるもの凄いエピソードですが、茶道は戦国時代から続き、権力者の教養とされてきたので、現代の一般常識では計り知れない文化だと言えます。
「茶会に出される干菓子のみ」の老舗なので、当初は庶民などが入手できないのだろう…と思ったのですが、意外にも完全予約制で購入させて頂けると知り、長らく頂いてみたいと思い続けました。
ただ、予約の際に「茶会の規模は?」、「亭主の意向は?」、「使用する茶器は?」、「薄茶は何処のお店のどの抹茶を使うのか?」と尋ねられると聞いて、自分などは時期尚早だとお店への訪問を控えていました。
とは言え、機を待っていても仕方ありませんので、この度意を決して、お茶も京都の某老舗で用意してお伺いした次第です。
二十四節気の清明の訪問となりました。
なお、お茶については、「柳桜園茶舗」さんにて頂きました。
「亀屋伊織」さんで特に有名なのは【有平糖】です。
昔から現在まで、水飴を使用せずに作り上げると言われます。
【有平糖】は南蛮菓子として室町後期に伝来した折には水に砂糖や氷砂糖を混ぜて煮詰めて作る手法だったものの、時を経て水飴を加えるようになったとされます。
「亀屋伊織」さんが水飴を使わない理由は、水飴を使用すると甘味が強くてクドくなる為だそうです。
「亀屋伊織」さんの【有平糖】は、水飴を用いた透明度が高く煌びやかな色彩ではありませんが、強い印象を与える傑作でした。
「亀屋伊織」さんに関心のある方は、『亀屋伊織の仕事―相変わりませずの菓子』をご参照ください。
おまかせで頂く場合には、有平糖に煎餅(打ち物)の組み合わせとなるようです。
下記は3月下旬に頂いた内容です。
砂糖がしゅわっと溶けて、香り良く、後味も上品。
煎餅は干菓子の中でもなかなか渋めだと思うが、流石…と率直に感銘を覚えた。
独特の食感と香りが鳳瑞の魅力。
春霞との取り合わせが嬉しい。
カリッ!と弾けて、サラサラと細やかに溶けて、胡麻の香りを楽しませるのが小粋。
これは良いなあ。
実に良い。
「亀屋伊織」さんのお店情報については、下記のとおりです。
店名:亀屋伊織(かめやいおり)
予算の目安:1つ140〜150円目安
最寄駅:大宮駅から550m
TEL:075-231-6473
住所:京都府京都市中京区二条通新町東入ル
営業時間:9:00~16:00 ※要確認
定休日:不定休
上生菓子で感銘を覚えた嘯月さん。
すしログ和菓子編 No. 1 嘯月(しょうげつ)@紫野(京都府)京都は、他にも和菓子の記事があります。
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京都に行くたびに和菓子を開拓したい、すしログ(@sushilog01)でした。
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