
こんにちは、鳥料理が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
長らく訪問してみたかった神楽坂の「三菊」さんに食の変態仲間と訪問しました。
結果的に満場一致で感動!
派手さは皆無で、味付けも極めて控えめな水炊きなのに、全員の心をつかむほどの美味しさでした。

ご主人が水炊きに向き合ってきた足跡を感じる、他にない調理で生み出される水炊きです!

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「三菊」の魅力は他では決して頂けない水炊きに尽きます。
なにせコース全体で3時間以上(4時間近く)かかり、品数が多くはありません。
それなのに深い感動を覚える水炊きです。

ご主人は寡黙に鍋を見つめ、火加減をコントロールしながら「鍋を育てて」提供してくださります。
ぽつりと口から漏れる言葉に深みがあり、鍋と向き合ってきた末の職人気質を感じます。
故に、待ち時間が長くともご主人の世界観に惹き込まれ、じっくりと楽しむ事が出来ます。
こちらの水炊きは水炊きでありながら鶏肉はほとんど出ません。
出汁たる鶏の旨味で白菜や豆腐を頂くところが「三菊」の水炊きの妙味。
「分かりやすい味」やボリュームを求める方にはヒットしないかもしれませんが、食べこんできた方ならば必ず驚嘆を覚える味わいです。

なお、ご主人はしきりに「ありがとう」と仰っておられ、お客だけでなく食材や時間にまで御礼を伝えているようだ、と感じました。
自分も感謝の気持を意識して持ち続けよう、と思います。
かつてはアラカルト注文が可能だったようですが、現在は水炊きのコース一つです。
その結果、透徹した独自の水炊きを完成されたのだと実感します。
【水炊きコース】は7,700円です。

有田のしらすと別府のちりめん。


渋い!…が、この組み合わせにこだわりを感じ、世界観に惹き込まれる。おそらく、この先付けに魅力を感じない方は訪問しないほうが良いだろう。きっとミスマッチが起きる。

水炊きのお店で赤貝の刺身とは予想しなかった。しかし、クオリティはなかなか高く、コースに構成する料理全てに配慮されていることが分かる。
この後、徐々に鍋料理が提供される。


鶏の旨味、香り、ゼラチン質をたっぷりと楽しめる水炊き()のスープ!鶏が革命的なホロホロ感で、同時に味が抜けていない点が素晴らしい。とろ火で煮込み、決して沸騰させない点に熟練の技を見る。
そして、塩をほぼ使わずに旨い!ギリギリまで削っている感。臭みはもちろん、鶏特有の香りも極めて上品。ガラは使わず、もも肉で出汁を取っているそうで、納得だ。
なお、「水炊き」でありながらコースで提供される鶏肉は上記1かけらのみである。

〆に用いる昆布は真昆布で、付け合わせの調味料は梅鰹。

写真のとおり昆布でしっかりと〆ているので、梅鰹を付けずとも旨味が強くアテになる。

鍋に白菜が投入され、じっくりと煮詰められていく。それを鯛の昆布〆をじっくり頂きながら待つ趣向だ。


鶏の旨味を凝縮させた出汁に白菜の甘味を乗せて化学変化!!

白菜はもちろんトロットロ。しかしながら本質は吸い地だ!!!凝縮された鶏の旨味と香りを濃密に楽しませる。待つ時間も含めて完全なる贅沢でしかない、と痛感した。

白菜の後に強い食感を持つ食材を提供し、食感でリズムを変えるフェーズ。

再びスッキリした味わいに戻す。トロトロの豆腐の甘味と香りに癒やされる。


傑作と形容すべき雑炊。生の米から作る雑炊で、鶏肉の出汁に白菜、葱、エノキの旨味を乗せたスープ。卵は溶かずに、ご飯の中に落として蒸して加熱する。




「三菊」は神楽坂で飲食店が連なる三年坂にあります。
外観は非常に渋く、昭和の居酒屋の風情があります。
その外観とは裏腹に店内のカウンターは白木で、上質な小料理店の趣です。
現在はカウンターは使わず、小上がりのみ使用されているようです。
「三菊」さんは、お電話での予約が可能です。
店名:三菊(さんきく)
予算の目安:【水炊きコース】7,700円+お酒
TEL:03-3269-0340
住所:東京都新宿区神楽坂4-3
最寄駅:飯田橋駅から450m
営業時間:18:00~23:00 ※3~4時間かかるので早めの入店を強く推奨します
定休日:土曜、日曜、祝日
「妙味必淡」の言葉を反芻する、すしログ(@sushilog01)でした。
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