すしログ No. 77 大〆@神楽坂【2017年7月に閉店】

f:id:edomae-sushi:20150629215837j:plain

こちらは東京にあって大阪寿司を作り続けている、1910年創業の老舗中の老舗です。

その歴史と、「東京で大阪寿司」という希少価値ゆえ、昔から鮨の本にも紹介されてきました。

今でも東京には大阪寿司のお店が少ないですが、戦前戦後から少なかった模様です。

ちなみに、閉店したお店もあり、現在はさらに少なくなっております。


こちらのお店の面白いところは、スシ以外には外観と内装です。

ともにヨーロッパ調で、店内の壁面には洋画が所狭しと架けられております。

聞くところによると、ご主人のご趣味だとか。

クラシックの流れるヨーロピアンなお店で、大阪寿司を待ちます。 

f:id:edomae-sushi:20150629215838j:plain

今回頼んだのは、【にしき寿司】と【むし寿司】。

セットにすると【押し寿司】も付いてくるので、セットで。

こちらの酢飯は甘めながらに、昆布で炊き上げており、旨味があります。

酢は大阪寿司としてはやや強め。

f:id:edomae-sushi:20150629215839j:plain

【にしき寿司】は、こちらのスペシャリテ的な位置づけなので、非常に高い完成度とオリジナリティです。

玉子、昆布〆の鯛、海老、木ノ芽の配置も美しく、ふんわり詰められた酢飯に挟んだ椎茸も 良い味わいです。

鯛の〆は浅く、大阪の〆の仕事とは少し異なるように感じます。

玉子は塩気を利かせており、玉子、酢飯の甘みと良いコントラストです。

f:id:edomae-sushi:20150629215840j:plain

【むし寿司】もオリジナリティがあります。

具は季節によって鯛と穴子を使い分けているそうで、今の時期は鯛とのこと。

東京だと穴子を使い始める季節ですが、鯛のほぐし身も中々美味しい。

いや、むしろ酢飯が甘めなので、鯛の方があっさりしていて美味しいのでは?と感じました。

具は鯛の他に、錦糸玉子、木耳、椎茸くらいで非常にシンプルですが、熱することで強く感じる酢の酸味と具や酢飯の甘みが合わさり、完成度の高い蒸し寿司となっております。

f:id:edomae-sushi:20150629215841j:plain

【押し寿司】も中々ですが、酢飯が軽めで、押し加減が弱いので、非常に上品な味わいとなっております。

ふうんわり、と言った押し寿司。

あまりにも上品な味わいなので、一般的な「大阪寿司」のイメージとは異なる、こちらならではの大阪寿司だと思います。

鯛のほぐし身で穴子のような食感を作っているのは、面白かったです。

f:id:edomae-sushi:20150629215842j:plain

お店の情報

店名:大〆(おおじめ)

酢飯の特長:甘みがあり、ふんわりと軽やかな仕上げ。

予算の目安:3,000円〜

最寄り駅:神楽坂駅から326m

TEL: 03-3260-2568

住所: 東京都新宿区神楽坂6-8

営業時間:11:00~16:00

定休日:月曜、月1回日曜不定休

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA