こちらは福岡方で知らない人はいないと言われる老舗の鰻料理店です。
1873年(明治6年)の創業以来、多くのファンを生み出してきました。
福岡では、きっと親子何代かでファン…と言うご家庭もある事でしょう。
また、有名な話だと、タレントのタモリ氏がこよなく愛する鰻店との事です。
福岡県だと、小倉の田舎庵と並んで伺いたいお店でした。
こちらの調理上の特徴としては、焼きの過程で、「こなし」という独自の技を用いる点が挙げられます。
「こなし」とは、鰻を焼きながら、もみ、たたく事らしく、身から滲み出た脂で表面をムラ無く焼き上げ、鰻をふっくら仕上げる事を目指しているそうです。
休日の夕方18時頃にお店に伺うと、予想よりも混んでおらず、一人だったので待ち時間ゼロで入る事が出来ました。
ただ、お店を出る頃には行列が出来ていたので、訪問される際は空いている時間を読んで訪問されるのが得策かと。
メニューには【うな重】【うなぎ丼】がありますが、関東の感覚とは異なり、【うな重】は鰻とご飯が別々の定食形式となります。
九州ではこのスタイルが多いので、ご飯の上に鰻が乗っている方が良い方は、【うなぎ丼】を頼んでください!
こちらの価格設定は良心的なので、僕は【特 うなぎ丼】2,581円を頂きました。
【丼】は他に並1,598円、上2,062円となっており、【重】は並2,581円、上3,088円、特3,607円となります。
蒲焼が焼き上がるまで酒肴をつまむのは江戸で学んだセオリー(笑)
【うざく】831円とビールも頂きました。
生はスーパードライだったので、エビスの中瓶を選択。
うざく
鰻の味は味は中々だが、焼き置きな点が残念。
その結果、皮が硬くなっており、ゴワゴワ感があるうざく。
酢も強めなので、むせないように注意が必要。
特 うなぎ丼
丼ではなく重箱に入っており、矢張りこちらの方が美味しそうですね。
頂いてみると、うざくの失速感を挽回する美味しさ。
表面カリッと、中身はジュワッと。
そして、身はとろ~り、ふわふわ。
この独特のカリトロ感は他に無い魅力。
鰻は肉厚で脂が乗っており、甘み強めのタレと相まってご飯にピッタリ。
ただ、タレが「甘い」と言っても、糖分が高いと言うよりも東京のように醤油を使用していないと言う印象なので、嫌味になりません。
徒に糖分を高めたタレは野暮ッたいですが、こちらのタレは福岡の味として楽しめます。
ちなみに、使用している鰻は静岡、宮崎、鹿児島との事でしたので、即ち有名な養殖地のモノを使用している状況。
肝吸いは柔らかな出汁に、やや強めの塩気。
肝は火入れ強めで、プリプリ。
卓上の山椒のクオリティも高いので、名店の条件を一つクリア。
しかし、香の物における化学調味料の使用が気になってしまいました。
舌を刺すような濃度で、頂くのがかなり厳しかった…
老舗で、固有の技までお持ちの名店。
ならば、小手先の化学調味料など使わない事を切に願う次第です。
店名:吉塚うなぎ屋(よしづかうなぎや)
食べるべき逸品:「こなし」の仕事を用いた鰻。
予算の目安:並うなぎ丼1,598円〜
最寄駅:中洲川端駅から400m
TEL:092-271-0700
住所:福岡県福岡市博多区中洲2-8-27
営業時間:11:00~21:00(L.O.20:30)
定休日:水曜、年末年始
※予約は可能ですが、2名以上より
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