実は、博多はうどん、饅頭の発祥の地である事をご存知でしょうか?
“聖一国師”の諡号で知られる円爾(えんに、1202年〜1280年)上人は、1235年に宋に渡って臨済宗の修行を行い、1241年に帰国した際に、うどんと饅頭を持ち帰ったとの事です。
そして、博多に承天寺を開山し、京都に東福寺を開山。
ちなみに、円爾は博多祇園山笠と静岡茶の生みの親でもあるとされております。
お茶については、同じく宋から持ち帰った茶の実を故郷の駿河で栽培し、現在に至るお茶の名産地としての礎を築かれたとの事です。
こちらのお店は1855年(安政2年)創業で、元々は豆の行商をされていたそう。
円爾上人の由来からすると、新し目のお店に感じますが、味わいには長年の歴史に裏付けられた、確固たる存在感があります。
円爾上人が開いたお寺の名前から、こちらの饅頭は【承天饅頭】と名付けられております。
承天饅頭
薯蕷饅頭のような白いものかと思いきや、黒糖を用いた茶色い饅頭でした。
聞けば、茶色い方が人気なので、現在は白いのは作っていないとの事…なるほど(笑)
頂いてみると、黒糖の香りがぶわっと広がり、サラサラの漉し餡が優しく溶けます。
皮は山芋を使用しておりますが、もっちり感は低く、薄めなので餡とのバランスが良好。
非常にアッサリな餡が印象に残る饅頭です。
お多福
もう一つの名物である空豆を用いた御菓子。
本当は饅頭だけの予定でしたが、帰り際に試食を出して頂いたところ、とても美味しかったので購入しました。
皮を感じさせないほどに柔らかく炊いておられ、これもまたサラリと溶けるような味わい。
甘みも実に上品です。
尚、試食させて頂いたのは冷蔵品の【本だきお多福】で、購入したものは常温で持ち歩ける【お多福】。
冷蔵品の方がより繊細な食感でしたので、福岡にお住まいの方は是非【本だきお多福】を!
通りすがりに偶然発見したお店ですが、殊のほか美味しくてラッキーでした。
店名:承天庵 本店(じょうてんあん ほんてん)
予算の目安:500円〜
最寄駅:呉服町駅から1,000m
TEL:092-272-2354
住所:福岡県福岡市博多区対馬小路11-15
営業時間:8:30~19:00
定休日:年末年始
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