実は美味しいキジ肉!「献上手箱きじ」で「キジ懐石」を作りました

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こんにちは、「山賊焼」と聞くとキジが頭に浮かぶ、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

さて、今回ご紹介するお肉は、キジ肉です。

キジ肉は一般的に流通していないので、食べたことがある人の方が少ないのではないでしょうか?

しかし、実は古来より日本人に馴染みのあるお肉で、しかも、とても美味しい!

鶏肉好きで食べたことがない人は損をしていると思いますので、この度記事にします。

僕も鶏肉が大好きなので、ご参考になれば幸いです。

 

キジ肉の魅力と美味しさ

キジ肉は今でこそマイナーなお肉になっていますが、もともとは献上される「高貴な食肉」でした。

歴史的に最古の記述は平安時代の『延喜式』で、同じく平安時代の『四条流包丁書』には「鳥といえば雉のこと也」記載されています。

また、「つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて…」で有名な吉田兼好法師は『徒然草』の118段で、下記のように述べています。

「鯉ばかりこそ、御前にても切らるゝものなれば、やんごとなき魚なり。鳥には雉、さうなきものなり。雉・松茸などは、御湯殿の上に懸りたるも苦しからず」

意味としては、鎌倉時代に鯉は天皇陛下の御前で調理される高貴な魚でしたが、鳥類ならばキジが同じく比類無いものであり、松茸のように御湯殿(御所の調理場)にあるような食材である…となります。

しかし、現代の食文化の変化や、国鳥に選ばれて逆に天然記念物のように思われた事を受けて、食文化としては限定的なお肉になってしまいました。

一説によると、キジの生産者は極めて少なく、全国に10数軒ほどと言われています。天然モノ(=ジビエ)のキジも一部のレストランにしか回らないので、食べる機会が少なくなっている現状です。

しかし、消費者が食べないままでは勿体無い。

ブランド地鶏のように美味しいお肉ですので!

 

キジ肉の魅力を端的に述べると、以下のとおりです。

  1. 白身部分の旨味が強い
  2. 皮と脂が美味しい
  3. 噛みごたえのある食感

これは美味しい地鶏の条件とも一致します。

サッパリした部位でも旨味を楽しめて、赤身は噛みしめるほどに旨味が高まるお肉、と言えます。

また、皮と脂については苦手な人が多いかもしれませんが、それはブロイラーのせいですね。

美味しいキジ、美味しい地鶏の皮と脂は臭みが一切なく、食感や甘みが強いので、カリッと仕上げると鮮烈な美味しさを発揮します。

高知の「献上 手箱きじ」とは?

さて、日本でも数少ないキジの生産者さんの中でも、飲食関係者の評価が高いのが高知県の「献上 手箱きじ」です。場所は吾川郡いの町と言う四国の内陸部で、高知市内よりも愛媛県の新居浜市の方が近い場所にあります。

1980年に5人の生産者さんが「本川きじ組合」を設立したのがきっかけで、ピーク時は8,000羽も飼育されていたものの、生産者の高齢化・農協合併等の理由で組合は解散されてしまったそうです。しかし、「本川手箱きじ生産企業組合」が復活に尽力し、現在は年間3,500~4,700羽のキジを生産、出荷するのに成功しています。

ブランド名に「献上」が付く理由は、当地にある「手箱山(標高1806.2m)」に氷室(氷の貯蔵庫)があり、土佐藩主に氷を献上していたと言う伝承があるためです。また、「手箱山」は江戸時代に狩りや樹木の伐採を禁じられた御留山(おとめやま)として保護されていたので、土佐藩との縁が深い土地であるそうです。

 

「本川手箱きじ生産企業組合」さんは、放し飼いでキジを育てられています。出荷までの期間は大体7~8ヶ月。生産地は標高600〜700mの場所にあるので、冬は厳寒で、夏は過ごしやすい気候だそうです。その結果、キジの味が良くなるわけですね。

環境の良さだけでなく、エサの良さも特徴で、配合飼料だけでなく、地元の農家から無農薬・減農薬生産のお米や果物を与えているそうです。

 

さて、次の項目では、いよいよキジ料理をご紹介します。

キジ肉の調理例〜キジ懐石を作ってみました!〜

今回、僕は丸の状態で入手しました。丸の状態の写真はちょっと生々しいので割愛しますが(笑)、丸の状態だと色々な部位を頂けるのが魅力です。

キジ肉

さばくのに抵抗がある方は、ご安心ください。解体された状態のものもあり、しかもブロックなので自由に調理可能です。

 

こちらが今回作った【キジ懐石】の内容です。読者の皆さまにキジの魅力を感じて頂けるかと!

  • 先付け:キジ皮と笹身の土佐酢、自家製山椒油和え
  • お凌ぎ:キジ胸肉と菊芋の手毬寿司
  • 椀:キジ出汁、せせりの丸の吸い物
  • 向付:キジ胸肉と笹身のタタキ
  • 焼き物:キジもも肉の漬け焼き(幽庵地)
  • 炊き合わせ:キジ手羽と紅芯大根、牛蒡、椎茸、ちぢみ小松菜
  • むかごご飯、自家製唐墨

 

先付け:キジ皮と笹身の土佐酢、自家製山椒油和え

先付け

前述の通り皮が美味しいので、コリコリ感を楽しむべく炙ってから酢のものにしています。皮だけだと単調なので、サッと茹でた笹身も加えています。

 

お凌ぎ:キジ胸肉と菊芋の手毬寿司

お凌ぎ

ちょっとサイズが大きめで可愛らしくないのは、ご勘弁(笑) 酢飯とゆかりの酸味や香りがスッキリで、胸肉に合います。

 

椀:キジ出汁、せせりの丸の吸い物

椀

完全にキジの出汁(ガラで取りました)のみなのに、旨味が強くて満足度が高いお吸い物に。丸(団子)にせせりを使っているので、一度濾しても脂が滲みます。上品な吸い地と程よくパンチのある丸の組み合わせが魅力です。

 

向付:キジ胸肉と笹身のタタキ

向付

一般的な鶏肉だと淡白な胸肉と笹身も、旨味の強いキジ肉だと中盤戦を盛り上げてくれるお刺身になります!表面を直火で炙って、氷水で急冷したタタキはキジ肉の魅力をダイレクトに感じられます。

 

焼き物:キジもも肉の漬け焼き(幽庵地)

焼き物

 

炊き合わせ:キジ手羽と紅芯大根、牛蒡、椎茸、ちぢみ小松菜

炊き合わせ

 

むかごご飯、自家製唐墨

むかごご飯

キジを使っていませんが、一応(笑) 実はキジの炊き込みご飯も考えたのですが、料理の余韻を長くするため、ご飯は不使用にしました。山の恵のキジを頂き、同じく山のむかごで〆るのは、何となく心地良いです。

 

また、懐石とは別に手羽周りで【塩焼き】も作りました。

キジ焼き

手羽やもも肉は、やはり焼くに限ります!醤油・味醂ベースの照り焼き+山椒/木ノ芽も美味しいと思いますが、今回は塩+山葵にしました。

冷えたフライパンに油を敷かず、皮目を下にして焼くこと20分。ひっくり返して火を止めて5分。自らの脂でパリッと仕上がった皮と、旨みたっぷりでジューシィな身のコントラストが魅力です。

 

【キジ懐石】はあまりにもマニアックですが、要は「幅広い料理に応えてくれるお肉」である事をお伝えしたかった次第です。

少しでもお伝えできたならば幸いです!

なお、今回は和食に絞りましたが、洋食にももちろん合います。例えば、ミンチにしてパスタに使っても美味しいですし、果物のソースと合わせても美味しいです。

「献上 手箱きじ」を入手する方法

食べチョクに参加されているので、食べチョク経由がスムーズかと思います。

ブロック以外に【きじ重】や【スライス・スープセット】もあるので、切るのが面倒な人でも楽しめます!

本川手箱きじ生産企業組合

【キジ料理に関するご参照リンク】

メインブログの外食店の記事ですが、料理のご参考になるかもしれないので、ご紹介します。

 

京都の南、笠置でキジ料理を出される老舗旅館です。

すしログ日本料理編 No. 193 松本亭@笠置(京都府)

 

こちらは特別コースなので恐縮ですが、今回のキジ懐石にインスピレーションを与えてくれました。

すしログ日本料理編 No. 129 野趣拓@土橋(広島県)

 

あらゆる鳥のお肉が大好きな、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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