こんにちは、キジの美味しさを広めたい、すしログ(@sushilog01)です。
さて、今回ご紹介するお肉は、キジ肉です。
キジ肉は一般流通していないので、食べたことがある人は少ないのではないでしょうか?
しかし、実は古来より日本人に馴染みのあるお肉で、しかも、とても美味しい!
鶏肉好きで食べたことがない人は損をしていると思いますので、本記事でご紹介します。
僕も鶏肉が大好きなので、ご参考になれば幸いです。
・白身部分の旨味が強い
・皮と脂が鶏にはない美味しさ
・噛めば噛むほど旨味があふれる
オススメの生産者さん
▶本川手箱きじ生産企業組合さんのショップページ
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キジ肉の魅力と美味しさ
キジ肉は今でこそマイナーなお肉ですが、もともとは献上される「高貴な食肉」でした。
歴史的に最古の記述は平安時代の『延喜式』で、同じく平安時代の『四条流包丁書』には「鳥といえば雉のこと也」記載されています。
また、「つれづれなるままに…」で有名な吉田兼好法師は『徒然草』の118段で、下記のように述べています。
「鯉ばかりこそ、御前にても切らるゝものなれば、やんごとなき魚なり。鳥には雉、さうなきものなり。雉・松茸などは、御湯殿の上に懸りたるも苦しからず」
意味としては、鎌倉時代に鯉は天皇陛下の御前で調理される高貴な魚でしたが、鳥類ならばキジが同じく比類無いものであり、松茸のように高貴な食材である…となります。
しかし、現代の食文化の変化や、国鳥に選ばれて逆に天然記念物のように思われた事を受けて、食文化としては限定的なお肉になってしまいました。
一説によると、キジの生産者は極めて少なく、全国に10数軒ほどと言われています。天然モノ(=ジビエ)のキジも一部のレストランにしか回らないので、食べる機会が少なくなっている現状です。
しかし、消費者が食べないままでは勿体無い。
ブランド地鶏のように美味しいお肉ですので!
キジ肉の魅力を端的に述べると、以下のとおりです。
- 白身部分の旨味が強い
- 皮と脂が美味しい
- 噛みごたえのある食感
これは美味しい地鶏の条件とも一致します。
サッパリした部位でも旨味を楽しめて、赤身は噛みしめるほどに旨味があふれるお肉、と言えます。
また、皮と脂については苦手な人が多いかもしれませんが、それはブロイラーのせいだと思います。
美味しいキジ(や美味しい地鶏)の皮と脂は臭みが一切なく、食感や甘みが強いので、カリッと仕上げると鮮烈な美味しさを発揮します。
次の項目では、キジ料理をご紹介します。
キジ肉の調理例〜キジ懐石を作ってみました!〜
今回、僕は丸の状態で入手しました。
丸の状態の写真はちょっと生々しいので割愛しますが(笑)、丸の状態だと色々な部位を頂けるのが魅力です。
さばくのに抵抗がある方は、ご安心ください。
解体された状態のものも販売されていて、調理は普通の鶏肉のようにおこなえます。
こちらが今回作った【キジ懐石】の内容です。
読者の方にキジの魅力を感じて頂ければ幸いです!
- 先付け:キジ皮と笹身の土佐酢、自家製山椒油和え
- お凌ぎ:キジ胸肉と菊芋の手毬寿司
- 椀:キジ出汁、せせりの丸の吸い物
- 向付:キジ胸肉と笹身のタタキ
- 焼き物:キジもも肉の漬け焼き(幽庵地)
- 炊き合わせ:キジ手羽と紅芯大根、牛蒡、椎茸、ちぢみ小松菜
先付け:キジ皮と笹身の土佐酢、自家製山椒油和え
前述の通り皮が美味しいので、コリコリ感を楽しむべく炙ってから酢のものにしています。
皮だけだと単調なので、サッと茹でた笹身も加えています。
お凌ぎ:キジ胸肉と菊芋の手毬寿司
ちょっとサイズが大きめで可愛らしくないのは、ご容赦を。
酢飯とゆかりの酸味や香りがスッキリで、胸肉に合います。
椀:キジ出汁、せせりの丸の吸い物
キジの出汁(ガラで取りました)だけなのに、旨味が強くて満足度が高いお吸い物になります。
丸(団子)にせせりを使っているので、一度濾しても脂が滲みます。
上品な吸い地と程よくパンチのある丸の組み合わせが魅力です。
向付:キジ胸肉と笹身のタタキ
一般的な鶏肉だと淡白な胸肉と笹身も、旨味の強いキジ肉だと中盤戦を盛り上げてくれるお刺身になります!
表面を直火で炙って、氷水で急冷したタタキはキジ肉の魅力をダイレクトに感じられます。
焼き物:キジもも肉の漬け焼き(幽庵地)
漬け焼きにすると、お子さんから大人までヨダレが出てしまう美味しさ。
炊き合わせ:キジ手羽と紅芯大根、牛蒡、椎茸、ちぢみ小松菜
キジ肉の旨味が野菜に染み込み、格別です。
また、キジ肉懐石とは別に手羽周りで【塩焼き】も作りました。
手羽やもも肉は、やはり焼くに限ります!
醤油・味醂ベースの照り焼き+山椒/木ノ芽も美味しいと思いますが、今回は塩+山葵にしました。
冷えたフライパンに油を敷かず、皮目を下にして焼くこと20分。
ひっくり返して火を止めて5分。
自らの脂でパリッと仕上がった皮と、旨みたっぷりでジューシィな身のコントラストが魅力です。
【キジ懐石】はあまりにもマニアックですが、要は「幅広い料理に応えてくれるお肉」である事が伝われば幸いです。
なお、今回は和食に絞りましたが、洋食にももちろん合います。
例えば、ミンチにしてパスタに使っても美味しいですし、果物のソースと合わせても美味しいです。
オススメの生産者「献上 手箱きじ」について
今回キジ肉を調達した生産者さんは、「本川手箱きじ生産企業組合」さんです。
こちらは、数少ないキジの生産者さんの中でも、飲食関係者の評価が高いようです。
高知県の生産者さんですが、高知市よりも愛媛県の新居浜市の方が近い場所にあります。
「本川手箱きじ生産企業組合」さんは、放し飼いでキジを育てられています。
出荷までの期間は大体7~8ヶ月。
生産地は標高600〜700mの場所にあるので、冬は厳寒で、夏は過ごしやすい気候だそうです。
その結果、キジの味が良くなるわけですね。
環境の良さだけでなく、エサの良さも特徴で、配合飼料だけでなく、地元の農家から無農薬・減農薬生産のお米や果物を与えているそうです。
現在は年間3,500~4,700羽のキジを生産されています。
ブランド名に「献上」が付く理由は、当地にある「手箱山(標高1806.2m)」に氷室(氷の貯蔵庫)があり、土佐藩主に氷を献上していたと言う伝承があるためです。
また、「手箱山」は江戸時代に狩りや樹木の伐採を禁じられた御留山(おとめやま)として保護されていたので、土佐藩との縁が深い土地であるそうです。
「献上 手箱きじ」を入手する方法
「献上 手箱きじ」については、食べチョクのショップページ経由から簡単に入手できます。
ブロック以外に【きじ重】や【スライス・スープセット】もあるので、切るのが面倒な人でも楽しめます!
キジ料理に関する参考記事
メインブログの食レポとなりますが、ご参考までに…
京都の南、笠置でキジ料理を出される老舗旅館です。
https://sushi-blog.com/entry/2020-01-15-205834
こちらは特別コースなので恐縮ですが、今回のキジ懐石にインスピレーションを与えてくれました。
https://sushi-blog.com/entry/hiroshima-yashutaku2
食べチョクのオススメの食材まとめ記事もご覧ください。
あらゆる鳥のお肉が大好きな、すしログ(@sushilog01)でした。
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