こんにちは、マニアックな調理アイテムを紹介するのが使命の、すしログ(@sushilog01)です。
さて、このページにたどり着いたあなたはラッキーです。
なぜなら、今後、家で美味しいお魚&お肉を食べられるようになるので!
今回ご紹介する【ピチットシート】を使えば、確実に料理の味がアップします。
しかも、スーパーの刺身を美味しくしたり、冷蔵庫で干物やシャルキュトリ(加工肉食品)を作ったりもできます。
すしログ
誰でもヘタな居酒屋以上の味を生み出せます。
腕ききのプロ料理人が使用している超便利アイテムなので、記事を読んで試してみてください!
タップできる目次
【ピチットシート】とは?
前置きはサラッと終わらせるべく、重要な情報のみ簡潔にお伝えします。
【ピチットシート】とは、オカモト株式会社が販売している「脱水シート」です。
「脱水」と聞くと洗濯機が頭に浮かびそうですが、ようは食材の余分な水分を抜き、旨味を強めることです。
食材に水分が多いと味を薄く感じるんですね。
「この料理、水っぽいな…」と言う感想は「美味しくないな」と同義ですよね。
料理する前に食材の余分な水分を抜けるのが【ピチットシート】です。
さらに、水分だけでなく臭みの元となる成分(トリメチルアミンやアンモニア)や魚に残った血も抜くことが出来ます。
【ピチットシート】を使えば、旨味が強く、臭くない魚料理を楽しめるのです。
すしログ
百聞は一見にしかず。
例をご紹介します。
これが鯖から出た水分です。
使ってみると結構な水分が出るので驚きます。
鯖をこのように包むだけで、一晩で水分が出てきます。
雑味と臭味を効果的に除去できます。
メーカーが説明するメカニズムもご紹介します。
ちょっと専門的ですが、しっかりエビデンス(科学的根拠)があります。
「ピチット」の秘密は、目に見えない穴の開いた2枚の特殊な食品用半透膜フィルムと、その間にはさまれた高い浸透圧を持つ食品の水あめ成分、吸収した水分を保持する海草成分(糊料)の働きによる”浸透圧パワー”。
この”浸透圧”が、「ピチット」に包まれた魚介類や肉類などに含まれる余分な水分や、水よりも分子が小さいアンモニアやトリメチルアミンなどの生臭み成分は取り除き、分子が大きい旨み成分は素材の中に閉じ込め、ギュッ!と凝縮させるのです。
魚が劇的に美味しくなる!
では、実際の調理例をご紹介しつつ、美味しさをお伝えしましょう!
ベーシックな使い方としては、お刺身です。
スーパーのお刺身でイマイチだな…と思う時は、臭みがある時と、水っぽくて身がゆるい時です。
前者は修正不可能なので論外ですが、スーパーでも微妙に高いのがお刺身なので、外したくないはず。
「ちょっと柔らかいかも」と思った時は、【ピチットシート】の出番です。
魚を包んで10分〜20分置けば、身が締まって美味しくなります!
本当に包んで放置するだけ。
なので、料理をしない人でも美味しいお刺身を食べられます。
オススメレシピ1:自家製干物の作り方
そして、生食以外で個人的にオススメの使い方が、干物です。
干物は家で作るのはハードルが高そうですし、まして都会だと躊躇してしまいますよね?
しかし、【ピチットシート】を使えば、冷蔵庫内で美味しい干物を作れます。
美味しさは下手な市販品を軽く超えるほど!
それでいて、作り方は超簡単。
- 魚を干物用の塩水(5%~10%)に20分~30分漬ける
- その後、キッチンペーパーで表面の水分をふき取る
- 【ピチットシート】で包んで、冷蔵庫へ
- 冷蔵庫で1晩~1日で完成!
開きや切り身で買ってくれば、魚をさばくのがニガテな人でも干物を作れてしまいます。
そして、醤油・お酒・味醂を合わせて漬け込めば、お子さんも大好きな味醂干しになります。
また、お酒のツマミを作りたい人は、魚醤(いしりやナンプラーなど)とお酒を混ぜれば、お酒に合う味に調整できます。
そして、酒肴をもう一つご紹介すると、魚の生ハムも作れます。
サクの状態の魚に塩を振って、【ピチットシート】で包み、冷蔵庫で2日寝かせます。
これだけで、凝縮感がありつつ、中はしっとりした魚の生ハムを作れます。
3日だと乾燥したような脱水状態になってしまうので、2日がベストだと思います。
オリーブオイルを掛けて、好きなハーブを散らせば、素敵な一皿の完成です。
また、プロっぽい使い方をご紹介。
お刺身や干物は【ピチットシート】を「調理」として使っていますが、「仕込み」で使うと魚のポテンシャルを引き出せます。
つまり、煮物などの一見すると脱水しても味が変わらなそうな料理でも、調理前に【ピチットシート】で脱水すると、魚の旨味が強まり、料理のグレードが数段アップします。
【ピチットシート】は低温調理との相性も抜群!
短時間で仕上げる低温調理において、【ピチットシート】は威力を発揮します。
これはブリを低温調理する前に脱水したときの写真です。
ピチッと脱水した後、低温調理式のブリ大根にしました。
低温調理は味が入りにくい調理法なので、事前に【ピチットシート】で旨味を凝縮しておくと、上品な味付けでもインパクトのある美味しさに仕上げられるのです。
ピチット脱水×低温調理は相性抜群の調理法だと確信します。
脱水と低温調理を組み合わせる人はプロでも少ない方ですが(笑)、誰でも美味しく再現できるのでオススメです。
低温調理に興味がある方はご参考にされてください。
魚に使うときの脱水時間の目安(リスト)
各種料理ごとの目安時間をまとめます(メーカー情報に基づく)。
料理 | 脱水時間の目安 | 脱水率 |
生・お刺身 | 20分〜60分 | 1〜3% |
解答したお刺身 | 40分〜120分 | 2〜4% |
焼き魚や煮魚 | 60〜180分 | 3〜5% |
一夜干し | 12時間〜20時間 | 5〜10% |
魚の厚みに応じて10分単位で調整すると良いと思います。
例えば、真鯛のお刺身の場合、厚ければ20分、薄ければ10分と言った具合です。
10分のタイミングで指で押してみて、まだ柔らかいようなら20分…と言った感じで調整すればミスしません。
魚だけじゃなく、お肉や野菜も美味しくなる!
魚だけでなく、お肉を脱水しても旨味が強まります。
リーズナブルな牛肉を【ピチットシート】で包み、半日脱水させます。
そして、冷蔵庫から出して常温に戻さず、塩胡椒を振り、フライパンで一気に焼きます。
これで十分美味しいステーキになります。
家庭の厚みの場合、ステーキは常温に戻さなくても大丈夫。
僕は低温調理も好きですが、ステーキは低温調理して焼くよりも、上記の「雑な」焼き方の方が美味しかったです。
旨味が凝縮しつつ、ジューシィさは残っているので、「脱水」したからと言ってパサパサになるわけではありません。
【ピチットシート】の威力を体感できます。
そして、ピチットユーザーの「定番」的な使い方が、自家製パンチェッタ。
超簡単に無添加の美味しいパンチェッタをお安く作れるので、オススメです。
オススメレシピ2:自家製パンチェッタの作り方
作り方の手順をご紹介します。
- 豚バラブロックに5%程度のハーブソルト(もしくは岩塩)をすりこむ
- 肉をラップで包んで、ジップロックの中に入れて、冷蔵庫で2日ほど寝かせる
- キッチンペーパーで水気を拭き取り、【ピチットシート】で包む
- 再びジップロックの中に入れて、3日熟成
- 【ピチットシート】を交換し、さらに6日熟成(ピチット9日目)
- 【ピチットシート】を交換し、さらに6日熟成(ピチット15日目) 完成!
一度作ると美味しさにハマり、常備したくなると思いますよ。
ハナマサの安い豚肉でも感動の味になりますので。
フライパンに油を引かずに焼けば、カリッと仕上がり、凝縮したお肉の味を満喫できます。
オススメレシピ3:自家製サルシッチャの作り方
ひき肉の水分も抜けるので、美味しいサルシッチャも作ることが出来ます。
作り方は、超簡単です!
- 豚ひき肉に刻んだハーブと塩を混ぜる(ローズマリーは必須、他にあればタイム、セージ、オレガノなど)
- 長く伸ばして、【ピチットシート】で包む
- 【ピチットシート】で2日ほど脱水して完成!
手でちぎってパスタやピザに使うと、まんまお店の味になります。
すしログ
オススメレシピ4:淡白なササミがめちゃ美味になる鶏ハム
ピチットは淡白な味わいのササミも異様に美味しくしてくれます。
塩とスパイスを振って、ピチットで1日。
朝ご飯にピッタリな、サッパリなのに味わい深い鶏ハムを作れます。
また、鶏ハムを叩いてつくねにすると、旨味の強さに驚くはず。
本当にササミで作ったの??と思うほどに味わい深いつくねになります。
ちなみに、ピチットは野菜にも使えます。
水気のある野菜、例えばトマトやキュウリに使うと、程良く水分を抜けるので、サンドイッチやハンバーガーに使っても水っぽくなりません。
意外に知られていないようですが、野菜の味が濃く感じられるので、オススメです。
【ピチットシート】のデメリットと注意点
デメリットとしては、以下の2点です。
- お値段が張るので、初めて買う時に勇気がいる
- 過脱水に注意
32枚ロールが2,000円強と決して安くはないので、ポチるのに勇気がいります。
僕もそうでした(笑)
ただ、使ってみると得られる効果が大きく、他では代替できないので、お値打ちだと感じます。
最初に買う時がちょっと躊躇してしまう価格です。
そして、長時間使い続けると食材がパサッとなる可能性がある点もデメリットです。
干物の場合は塩水に漬けることもあり大丈夫ですが、刺身などの場合は忘れないよう注意が必要です。
まあ、これらは「敢えて述べれば」と言うところの2点です。
デメリットと言うよりは「注意点」に近いです。
メリットの方が多いので、僕は常備しています。
【ピチットシート】のラインナップ
主力製品のラインナップは3つです。
水分の吸収力で低吸収、高吸収、超高吸収と分かれています。
用途に応じて使い分けられます。
詳細説明の前に、分かりやすくリストでまとめます。
違いがわかるリスト
商品名 | 主な用途 | 参考価格 | 1枚価格 | サイズ(cm) |
マイルド(低吸収タイプ) | 食材の保管 | ¥1,600(30枚) | 53円 | 35×25 |
レギュラー(高吸収タイプ) | 刺身・干物・仕込み | ¥2,050(32枚) | 64円 | 35×25 |
レギュラー(高吸収タイプ)ミニ | 刺身・干物・仕込み | ¥1,100(32枚) | 34円 | 25×18 |
スーパー(超高吸収タイプ) | 燻製 | ¥1,950(18枚) | 108円 | 35×25 |
ピチット マイルド(低吸収タイプ)
主な用途:お刺身や寿司ネタ、食材の保管など
短時間の調理に向いているとされますが、個人的には「食材の保管」がメイン用途だと思います。
と言うのも、お刺身や寿司ネタなどの「短時間調理」については、次にお伝えする【レギュラー(高吸収タイプ)】でまかなえてしまうので。
食材を長持ちさせたい時、じっくりと熟成を掛けたい時に【マイルド(低吸収タイプ)】が役に立つと思います。
ピチット レギュラー(高吸収タイプ) ★オススメ!
主な用途:お刺身から干物づくりまで幅広く対応
自分が使用しているのは、こちらのタイプです。
万能タイプなので、燻製作り以外はまかなえるかと思います(燻製作りの場合、後者の【スーパー(超高吸収タイプ)】がベター)。
吸収力が高いので、お刺身なら10分〜20分で脱水出来ます。
10分〜20分の使用で捨ててしまうのはもったいないので、僕は続けて非物作りように転用しています。
なお、「高吸収タイプ」には【ミニ】サイズもありますので、更に用途を分けられます。
ピチット スーパー(超高吸収タイプ)
主な用途:手作り干物や燻製作り
これはズバリ、燻製作り向けです。
干物は【レギュラー(高吸収タイプ)】で作れるので、燻製をやるかどうかで決めれば良いかと。
その他の小分けシリーズ
他に以下のような少量入りの専門特化シートもあります。
- お刺身美味しくなるシート
- 簡単一夜干シート
- 燻製用脱水シート
お値段が安いので、「まずは試してみたい」と言う方にはピッタリでしょう。
燻製用の【スーパー(超高吸収タイプ)】はお高いので、4枚入りで1,000円強の【燻製用脱水シート】は特に使い勝手が良いように感じました。
すしログ
「大は小を兼ねる」とはよく言ったもので、汎用性が最も高く、様々なサイズの食材と様々な料理に使用できるので、非常に便利です。
【ピチットシート】のよくある質問と回答
Q. 使用期限はありますか?
A. ありません。
Q. どのように保管すれば良いでしょうか?
A. 高温多湿な場所を避けて保管しましょう。そして、縦置きは厳禁です。筆者は冷蔵庫の上に保管しています。
Q. 中の成分は有害?身体に大丈夫なのでしょうか?
A. 中身は水あめと昆布の成分なので、仮に破れて食材に付いてしまった場合でも、無害です。水で洗い流せば問題ないそうです。
Q. 切って使用することはできますか?
A. できません。中の液が出てしまいます。1枚につき1品にしましょう。
Q. 電子レンジやオーブンで使用できますか?
A. できません。耐熱温度は約70℃です。溶けてしまうので、高温下で使用するのは止めましょう。
Q. ピチットは再利用可能でしょうか?
A. 使い切りになるため、再利用はできません。また、一度使ったシートは3日程度で飽和状態になります。それ以上使う場合は、新しいシートに変えた方が得策です。
Q. ピチットは可燃物?不燃物?
A. 可燃物として生ゴミと一緒に捨てて問題ありません。
まとめ
知らないと買わないでしょうし、知っても「高いな…」と感じるかもしれません。
しかし、サランラップのように日常的に使うものでもないので、費用対効果が高いはずです。
他のアイテムで表現できない味を生み出せるので、お家で美味しいごはんを食べたい方なら買って損はありません!
なお、3本まとめ買いの場合、下記のショップが最安で、おまけも頂けるのでお得です。
しかも、ピチットが大好きな店員さんがいるらしく、お手製のマニュアルも同梱頂けるのが嬉しいです。
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単品買いの時はAmazon、3本まとめ買いの時は楽天と使い分けている、すしログ(@sushilog01)でした。