すしログ日本料理編 No. 8 酒房しんせん@すすきの(北海道)

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こちらのお店は、札幌に行く度に高確率でお伺いしております。

何が魅力かと言うと、種々多様な北海道産素材を楽しめるところなのですが、それもただの北海道産素材ではなく、

ご主人が自ら生産者のもとに足を運び厳選した素材である点です。

 

ご主人・越後さんは北海道の素材・産地に精通されており、例えば帆立なら、「今の時期ならば、サロマ湖産が一番美味いよ」などと把握されている。

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しんせんは、北海道の食材を余すところなく楽しめ、各人が行った時が旬なのです。

 

調理は丁寧で細やかながらに、どことなく家庭的なもの。

調理自体に華美や贅沢、あるいは洗練等はありませんが、心がこもった調理だと思います。

頂く素材たちがご主人に出会えて良かったなあと思わされる。

カウンターで頂けば、これぞ北海道が生んだ板前割烹料理なのではないかと感じる。

 

料理の中でも特に野菜の引き立て方は素晴らしく、濃い味のソースと合わせ創作的な仕事を施しつつも、

野菜の本来の旨味を殺さずに満喫させてくれます。

例えば、初夏。

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わらびと合わせるのは、蝦蛄と鮟肝のソース。

実に個性的な組み合わせです。

それにも関わらず、なんとわらびの存在感が上を行きます。

わらびの食感と風味がもの凄いために。

食べた瞬間の食感、香り立つ風味、噛むごとに高まるとろみに衝撃を覚えました。

聞くところによると、食感を活かすために茹でることはせず、湯を掛けて火入れされるとのことで、30分間、60℃から徐々に温度を下げられるそうです。

 

更には、アスパラ。

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茹でたアスパラに鮑とずわい蟹を添えて提供。

ソースもまたアスパラ。

個性の強い添えものを相手に、アスパラが明確な存在感を示しており感動しました。

 

また、こちらで頂く焼き魚も絶品です。

焼き方もさる事ながら、素材の鮮度に圧倒されます。

 

~初夏~

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「ちっぷ」と呼ばれる姫鱒(支笏湖産)を頂きました。

遠目で見ても明らかに違う魚の肌ツヤに驚いたものです。

 

~秋~

こちらで頂いた秋刀魚は現状、人生で一番美味しいと感じた逸品です(今も同様)。

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とにかく肉厚で、旨味よし、香りよし。

舌に絡まる脂の旨味と、鼻をくすぐる秋刀魚の香気に、ただただ没頭しました。

 

そして、ご主人が自ら山に入って採った初物の松茸は、土瓶蒸しで頂きました。

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心から温まり、満たされる一品。

さらに、その後にシメジを出されるというユーモアも最高でした。

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“香り松茸、味シメジ”(笑)

実際に天然物の道産シメジは素晴らしい香りと味わい、食感でした。

 

こちらは6,000円から1,000円刻みで組み立ててくれるのですが、個人的には10,000円のオーダーがオススメです。

仕入れが限られている素材を楽しませてくれるお店ですので、支払うお値段で内容が明らかに変わってまいります。

雰囲気も家庭的なので、一人であっても楽しめます。

是非ともカウンター席を押さえて訪問されてください!

 

一例として、9月に頂いた料理のリスト。

【先付け】

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【蝦夷鹿の串焼き】

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【名残の礼文島産海胆】

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【厚岸産ミンク鯨刺身】

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【松茸、海老団子、海老、鱈の土瓶蒸し】

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【興部産天然物シメジの煮浸し】

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【日高産ピーマンとツブ貝の利休和え】

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【ソイ、ボタン海老、鮪(南茅部産)、数の子のお造り】

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【秋刀魚の焼き物】

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【天然舞茸のうどん】

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【網走産メロン】

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店名:酒房しんせん

予算の目安:8,000円~15,000円

最寄駅:豊水すすきの駅から200m

TEL:011-512-3721

住所:北海道札幌市中央区南六条西3丁目

営業時間:17:30~23:00

定休日:日曜、祝日

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