すしログ日本料理編 No. 2 湯宿 さか本@珠洲市(石川県)

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金沢市内から130km以上離れた奥能登にある料理旅館。

「さか本はな~んにもありません。申し訳ありません。いたらない、つくせない宿なのです」

WEBサイトにはそのように書いておりますが、半分冗談、半分本気という印象です。

お店は木々に囲まれた静かな場所に、ぽつんとあります。

古くは湯治場として人を集めた珠洲。

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着いた瞬間に期待が高まります。

そして、建物に入るとストイックな空気が漂う古民家で、畳敷きの部屋はシックな調度品で統一されております。

こちらの接客は非常にざっくばらん。

一般的にイメージする「旅館」からは離れております。

泊まらずとも食事で伺っても、「放置感」を感じることが出来ます。

ただ、「放置」と言っても、こちらの宿ではそれが一つの味わいとなっているように感じます。

自然に囲まれた、シックでお洒落な空間。

穏やかな気持ちで、上質な時間を過ごす事が出来るお店だと思います。

この度は旬の奥能登産の松茸を頂くために訪問しました。

さか本さんでは、50数年間松茸料理を提供されてこられたそうです。

先ずは松茸の焼き物でスタートします。

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松茸は香りもさることながら、食感が素晴らしい。

上質な松茸は繊維質が奏でる食感が強く琴線に触れます。

上質な松茸の魅力を、高度な火入れで引き出しております。

大根おろしは甘みと辛味が同居しており、松茸の輪郭を強調する。

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松茸の土瓶蒸し

鰹出汁が強めですが、それに負けない松茸の香りを楽しめます。

具だくさんな土瓶蒸しで、海老しんじょう、鶏肉、甘鯛。

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主役を張れる食材が集結していながら、絶妙な均衡を保っております。

印象深い土瓶蒸しでした。

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松茸の茶碗蒸し

具は鶏肉、銀杏、百合根。

百合根はごろっとしたカット。

出汁は控えめで、土瓶蒸しに続いて穏やかに松茸の魅力を提示する。

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松茸ご飯

非常に控えめな味付けで、松茸を活かしております。

米の一粒一粒が香りをまとっており、ただただ心地良い。

塩分を削ぎ落としていながら箸が止まらない。

香りで食べさせる、印象深い松茸ご飯です。

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香の物

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松茸と能登牛のすき焼き

牛肉は程良い脂で、ぷるるんと柔らかい。

味付けは優しく、甘みが控えめなところが良い。

旨味を吸い込んだ糸こんにゃくは食感良好で美味。

松茸をたっぷり頂けるこちらのコースは10,000円ジャスト。

料理の品数は少ないものの、一品一品が印象に残る味わいでした。

なお、泊まりの場合は16,000円で朝食、夕食が付いているそうです。

コースの価格を考慮すると、実に、料理に重きを置いた宿なのだと感じました。

店名:湯宿 さか本

食べるべき逸品:奥能登産松茸のコース。

予算の目安:10,000円~

最寄駅:なし、車がベター

TEL:0768-82-0584

住所:石川県珠洲市上戸町寺社15-47

営業時間:要確認

定休日:要確認

※1月、2月は休業です

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