すしログ No. 205 日本橋蠣殻町すぎた@水天宮前

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今までブレを感じた事が無く、大振りでありながら端正な印象、上品な印象を与える秀逸な握り。

今回はお昼の訪問でしたので、いつもより更に握り中心で頂きました。

酒肴で頂いたのは一品のみで、鰯の海苔巻きとなります。

実は今回の訪問の約2週間後に、こちら出身でバンコクにある鮨いちづさんに伺う予定がありました。

杉田さんはいちづの親方・戸田さんへの信頼も厚いようなので、今回は実にタイムリーでラッキーな訪問となりました。

この度頂いた酒肴と握りとなります。

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鰯の海苔巻き

こちらの隠れた名品だと思う海苔巻き。

今回は鯖ではなく鰯との事で、迷わずオーダー。

釧路産との事で、凄い脂と心地良い鰯の香り。

鯖の海苔巻きでは使用しないミョウガも使用されている。

青魚の風味と海苔の香りが食欲を刺激する秀逸な酒肴。

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新子

いつも通り一貫目は小鰭…と思いきや、先ずは新子。

9月上旬なので、かなり名残の新子!

走りが珍重され奔走される方が多い新子で名残とは、粋。

そして、小鰭に繋げる。

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小鰭

今回の〆加減はいつもより強めで、皮のしゃくっとした食感を前面に感じさせる塩梅。

小鰭自体は旨味が非常に強く、香りが良かった。

〆の仕事の妙を実感する。

その都度異なる〆加減であるのが、こちらで小鰭を頂く楽しみ。

如何なる小鰭であっても安定的に〆る技術も凄いものだが、魚味に応じて〆加減を変えられるセンスもまた凄い。

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新烏賊

墨烏賊のこども。

滑らかな口当たりで、食感は墨烏賊特有のパツパツ感、そして、その後軽やかにとろりとほどけゆく。

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真鯛

恐らく割と寝かせている。

特有の食感は失われているものの、寝かせ方が巧いので旨い。

香りもしっかりと楽しめる。

旨味が超強く、寝かせ方に加えて切り付けの厚みも奏功している印象。

皮の食感もあり、ワイルドな印象を受ける鯛。

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とろろんとした食感で、噛み締めると甘みと燻香がふつふつと湧き上がる。

燻香が実に上品。

軽い和芥子の風味も良い。

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春子

しっとりした食感だが、肉厚なのでぷるぷる、トゥルンと口の中で踊る。

昆布で〆ており、効果的にグルタミン酸の旨味を付着させ、最後に(時間差で)昆布の香りを残す。

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鮪赤身

戸井産。漬けにしつつ、鮪の甘みが強く、酸味が底を支えている。

酸味は後から引き締めてくれ、旨味とのバランスが良い。

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鮪中トロ

血合いギシ。パツッとした食感の後にとろりとろけ、甘みが横溢!

お茶も差し替えられ、完璧なタイミング。

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ぷりんぷりんな鯵で、香りが爽快。

ごくごく軽く酢で洗っている模様。

敢えて低温で提供され、鮪の後に口直し的な役割を与えている。

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金目鯛

さっくりと切れた後に、ぷるぷると悶える食感。

金目鯛と鰆を用いるお店は今や無数にあるが、こちらのは非常に旨い!

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車海老

レア寄りの火入れだが、甘みが極めて強い。

海老の香りも上品に漂う。

茹で上げた後の温度の落ち着かせ方も良い。

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北寄貝

シャクシャク!

歯切れが良く、甘みが伝わった後に磯の香りが来て、軽い苦味が引き締める。

これは低温で提供。

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いくら軍艦

走りのいくら。濃厚さには欠けるが、走りに頂く喜びを実感。

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海胆

天草産のムラサキ海胆と赤海胆をハーフ&ハーフで。

よって、赤海胆の濃厚な甘みに加えて、ムラサキ海胆の異なる香り…

具体的にはスッキリした松のような香りが一体化し、独自性の高い海胆の握りに。

「松のような」と言っても、松山産よりは軽い。

余韻もしっかりあった。

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穴子

とろんとろんな穴子!

穴子の食感自体は好みに尽きかと思うが、トロトロに仕上げた穴子は煮ツメが映える。

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玉子

しゅわしゅわ、しっとり、みっちり。

多層的な食感。

海老の香りを上品に漂わせる。

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定番の浅蜊を用いた薄目の味噌汁。じんわり。

お酒は五橋を半合頂き、酒肴1品、15貫+椀、玉子で22,000円。

費用対満足度が非常に高い名店だと再認識しました。

次回のNo. 206はバンコクのいちづさんとなります!

 

店名:日本橋蠣殻町すぎた

シャリの特徴:赤酢を穏やかに使い硬め。塩気もやや強めなので、男らしいシャリ。

予算の目安:18,000円~25,000円

最寄駅:水天宮前駅から100m

TEL:03-3669-3855

住所:東京都中央区日本橋蠣殻町1-33-6 ビューハイツ日本橋B1F

営業時間:火~金17:30~、20:30~、土・祝17:00~、20:00~、日11:30~、13:30~、18:00~

※回転制となっております

定休日:月曜

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