創業1781年の、言わずと知れた京寿司の老舗です。
若狭の鯖を用いた従来の鯖の棒寿司を改良し、「鯖姿寿司」として流行させたお店です。
いわば鯖の棒寿司の地位向上を果たした名店。
余談となりますが、鯖寿司の歴史は古く、室町時代から馴れずしとして存在していました。
これは鮒の馴れずしに次いで古いのではないでしょうか。
さらに、余談の余談となりますが、京都で鯖よりも格式の高い寿司は小鯛の雀寿司。
いづうの創業と同じ1781年に宮中に納めるために考案されました。
というわけで、オーダーは鯖姿寿司と小鯛の雀寿司を半々にしました。
鯖姿寿司
9月早々の訪問でしたが(旬の走りなのに)、鯖の質は非常に高いものでした。
一口目から喜びを覚える脂の乗りです。
じゅわっと大量の脂がにじみ出て、それが重くなく、サラッとしていながら深い。
そして、厳選された真昆布を使用されているというだけあり、鯖に上手いことグルタミン酸由来の旨味が移されております。
この仕事は京都の老舗ならではだと感じました。
上質の鯖を仕入れ、上品にまとめあげております。
鯖の状態によって調整されるという、酢飯の酢と塩の塩梅も素晴しいです。
小鯛の雀寿司
皮を噛み締めるごとにじわじわと旨味と香りが広がる。
〆ることで鯛の魅力を高めており、鯖寿司とともに頂くとリズミカルで楽しい。
上記を三切れずつ頂き、折角だからと鯖と穴子を二切れずつ追加しました。
穴子
旬の名残にあたるため、穴子自体の旨味は弱い。
しかしながら、炙り加減が中々巧く、香ばしさで旨味を補強しております。
総合的に、鯖や昆布は申し分無く上質なものを仕入れていて、流石の存在感ある味わいです。
いづうさんは昔ながらの京寿司の形を伝えるお店であり、多くのお弟子さんを輩出した名店であることは間違いありません。
京都の名物の一つである、鯖の棒寿司を食べ比べしようという方は、最初に訪れる価値のあるお店かと思います。
また、鯖、昆布のクオリティは非常に高いので、お土産には喜ばれることでしょう。
店名:いづう
予算の目安:2,000円~3,000円
最寄駅:祇園四条駅から300m
TEL:075-561-0751
住所:京都府京都市東山区八坂新地清本町367
営業時間:月〜土11:00~23:00、日・祝11:00~22:00
定休日:火曜