![鮨いくた暖簾](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/22b0cda2e0efa800aff2a4262479c8dd-1024x576.jpg)
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
昔から「鮨の激戦区」として知られる金沢。
長らく勢力図が固定されている印象でしたが、ここに来て新星が登場!
コロナ下にオープンした「鮨 いくた」さんは次世代を担う金沢の鮨店です。
![赤イカ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3489158985f8f3890c451c32d7718fdc-1024x680.jpg)
![すしログ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/bfff16286f71f92772bdffbe98056593.png)
握りもさる事ながら、酒肴にもセンスが光ります。
酒肴と握りの合せ技で金沢らしさを感じられる鮨店です!
![すしログライブラリー_アイキャッチ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/910017e372204aeb3368ce8ca768f40c-160x160.png)
タップできる目次
「鮨 いくた」の親方、生田 崇さんは金沢の有名店「鮨 みつ川」ご出身の職人さんです。
「鮨 みつ川」では6年修行され、合計13年のキャリアを持つそうです。
そして、「鮨 いくた」は2020年9月のオープン。
僕はコロナ下で鮨店リサーチをしている時に気になった次第です。
訪問して感じた魅力としては、ずばり、仕事。
仕事については全て意識的で、白子や鮟肝と言った冬の定番食材でも「親方ならでは」な調理法を選択されている点が秀逸です。
出汁の塩梅や塩気、甘味の付け方については鮨よりも和食の影響を感じ、これは日本料理が強い金沢らしいと実感しました。
鮨種の仕事についても疑問を抱くものがなく流石のキャリア。
無駄な調理、調味が無い端正な仕事をされています。
また、魚の味わいを考慮した上での切りつけの調整には目を瞠るものがあります。
きっちり魚味を考慮して切りつけをされていて、これも親方の誇るべきセンスです。
さらに、シャリについてもバッチリ。
パラッとしていて温度が最適です。
しかも硬く炊かずにホロッと表現している点が素晴らしい。
酸味も塩気も穏やかなので食べ疲れません。
お酢はヨコ井の與兵衛に数種類ブレンドされているようです。
…ただ、その上で望むらくは握りで〆ものと煮ものを頂きたかったとは思います。
江戸前鮨の魅力は〆ものと煮ものにあり、鮨好きとしてはこれらが無いと、食後に何となく落ち着かない感情が残るものなので。
いや、食後の満足度は非常に高いのですが…それ故に、更なる高みを目指して頂くべく、敢えて所望いたします。
土地によって食文化の違いはありますが、江戸前鮨とは〆る、煮るという仕事に規定されると、年を経るほどに感じます。
また、もう一つお願いを書いておくと、おまかせコースであっても握りは10貫以上頂ければ幸いです!
これは他のお店の職人さんにも伝えたいことですが、握りは10貫がセオリーなので、お願いしたいと思います。
なお、2024年2月の訪問で気になることと言えば、震災の影響。
自分が出来る食と酒で応援したいと思って旅行した次第なので。
あまり細かく聞くのは無粋だと思い、話の流れで聞いた限りですが、能登の生産者さんは金沢まで行商に来られているそうです。
そして、生田親方は値段を聞かずに購入されているそうで、胸が熱くなりました。
これからも頑張って金沢を代表する鮨店になって頂きたい!
昼は【握りのみ】7,700円(冬季は11,000円)、【つまみ3品+握り】11,000円。
そして、フルのおまかせは昼・夜ともに【つまみ+握り】15,400円(冬季は18,700円)。冬季に価格が変わる理由は、蟹の為との事です。
日本酒についてはメニュー以外にも色々置かれているので、尋ねるのがオススメです。
この度頂いた日本酒
- 清都酒造場 勝駒 大吟醸
- 数馬酒造 しずく 生酛純米無濾過生原酒
- 車多酒造 天狗舞 山廃純米大吟醸 飲食店限定
- 林酒造場 林 純米吟醸 五百万石
![勝駒](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3637a5915038a11cefbab73bf30889c6-1024x680.jpg)
![数馬酒造しずく](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f5379c0af7ba4a66b572533d72229888-1024x680.jpg)
![天狗舞](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2c476450a8570295910c3e4c986cd8c6-1024x680.jpg)
![林](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f6cfd53e2a49c66ef81bf63dce27558b-1024x680.jpg)
![九絵の刺身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e872b90701a92ed1eecffcb7ba94c4f9-1024x680.jpg)
肉厚な見た目だが、寝かせているため柔らかい。
脂がとろりと滲み、実に力強い脂だ。
寝かせの仕事と切り付けの厚みを調整されている点で安心感を抱いた次第。
![鰯の刺身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/9c835c4bf4ededd49ad9b2dd71e00a7e-1024x680.jpg)
軽く炙っている。
脂がノリノリな鰯なので、仕事が奏功。
煎った金胡麻と薬味で軽やかに味わえる。
![白子](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/14797ffd80ed5fc1df23f6ec9fe960d9-1024x680.jpg)
提供方法が素晴らしく、すりながしにしている。
しかも、蕪のすりながしと鰹出汁と合わせ、巧く調和させている。
アクセントは少量のオリーブオイル。
時期になると凡庸な調理法が横行する白子であるが、これは実に良い提供方法だ!
凡庸な調理法であれば出さない選択をした方が良いのが白子と鮟肝だ。
しかし、テキスト通りに提供してしまう人の方が多いので、意識的に向き合える方はセンスが有る。
なお、この後、鮟肝も登場する。
![寒鰤の刺身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/23c7d3491b54dff6abedc16237a598a3-1024x680.jpg)
能登産。
ぷりっ!と気持ち良い弾力で、脂がノリノリ。
旬を超えていると思っていたので、これは嬉しい出会いだ。
合わせる辛味大根も能登産で、能登のものは辛味が穏やかとの事で実際に然り。
![赤貝の刺身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a69acce87e10571445d5baef9036f516-1024x680.jpg)
福井県産。
肉厚で、甘味のある赤貝。
香りと旨味は弱く、食感も柔らかいが、原酒の香りと合わせられる事を体感した。
![鮟肝](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/28fb92fa8a9520af17be7c09ef4916bf-1024x680.jpg)
これも白子と同様に提供方法が良く、しっかり考えられている。
甘味を抑えた鮟肝に出汁餡を合わせている。
鰹出汁がスッキリ効いていて、出汁で食べさせる仕立てが実に品が良い。
![ガリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/dc750cdd33c0b3240bbbd06bf240d7bb-1024x680.jpg)
すぐに辛味が走り、酸味のスッキリ感が広がり、甘味を抑えたガリ。
![ホウボウ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/7fe67acde17dc73e6620a89e4d50569a-1024x680.jpg)
旨味が強いと思いきや1週間熟成!
厚めに切りつつ歯切れも良い。
![赤イカ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3489158985f8f3890c451c32d7718fdc-1024x680.jpg)
とろとろで甘味が強い。
イカを糸造りにして大葉とともに握っている。
甘味が強く美味なイカで、大葉の使用量も適切だ。
![カマス](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ed1be0e732f6551018149c2dfeed1ec3-1024x680.jpg)
脱水は勿論の事、加温しているのが良い。
脂が乗っていていながら重くなく、香りも上品なカマスだ。
![縞鯵](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/824ecf3d442644f0a24a9f0fb2e5657a-1024x680.jpg)
今の時期に!?と驚いたが、味わいは更に驚くべきもので、脂のノリが凄い!
脂の甘味と言うよりもコクの強さが印象的であった。
![鰆](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/691e4b2ca1eac28463162146c6d8815a-1024x680.jpg)
腹側を脱水して加温して提供している。
脂が甘く、香り良い鰆だ。
![金沢甘海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/824a9a58cf409fc997a14b5d54e1ee77-1024x680.jpg)
石川の北国赤海老は定評があるが、金沢がブランディングを行っている模様。
仕事をせずとも「普通に美味い」甘海老であるが、仕事を施して提供。
昆布〆で脱水してぷちっ!と気持ち良い端切れを表現している。
そこから甘味と昆布の旨味も強く滲む。
途中から昆布の香りが高まる。
「料理」を感じる魚介類こそが江戸前鮨だ。
![鮪トロ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/6086c1aa11686a438d3d7822a56dcd3e-1024x680.jpg)
岩手県産。
強烈な脂!
昨年12月上旬~中旬ころのものを凍結させているのかと思ったが、実際には無凍結の生であり驚いた。
![海胆軍艦](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/11c5088c8c20e6f12e0a23728fb5f3bd-1024x680.jpg)
バフンとムラサキの2種盛りだ。
良いモノを仕入れておられる。
![加納蟹の手巻き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/4f4199a120e85ebfb3bd7a559a9b38f2-1024x680.jpg)
蟹味噌を混ぜるのではなくシャリに引いて、身の甘味とシャリの酸味で食べさせる手法。
素晴らしい選択だ。
味付けも最低限なのが良い。
「鮨 いくた」さんは金沢の繁華街である片町にあるため、アクセスが至便です。
店外から明らかに美味しいお店の空気感を発しています。
![いくた外観](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/3893a9a435b57bf5b31df193201a1b24-1024x576.jpg)
店内はこじんまりしていて、親方との距離が近いカウンター。
広くはないけれど落ち着ける空間で、お客さんも最後は団欒するような雰囲気です。
「鮨 いくた」の予約については、「一休」経由でWEB予約が可能です。
店名:鮨 いくた(すし いくた)
シャリの特徴:ヨコ井の與兵衛に数種類ブレンドして、酸味も塩気も穏やかで食べ疲れしないシャリ。
予算の目安:ランチ握りのみ7,700円、11,000円~、夜15,400円(冬季18,700円)~
TEL:076-254-1422
住所:石川県金沢市片町1-4-4
最寄駅:金沢駅から2.4km
営業時間:ランチ12:00~14:30、夜18:00~22:00
定休日:不定休
長らく訪問できていないですが、金沢の素晴らしい鮨店「木場谷」さん
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/ee0485cad44f015bfba4aad87915c3f1-160x160.jpg)
カジュアルなスタイルながら、バッチリ美味しい「立喰い鮨 優勝」さん
![甘海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a155d0327a54d42f3a26049e2f40e8e3-160x160.jpg)
金沢らしい鮨店との出会いに喜ぶ、すしログ(@sushilog01)でした。
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