すしログ:和久傳の仕事で神奈川食材を魅せる!非凡な美味しさの「鎌倉 北じま」

鎌倉北じま看板

こんにちは、関東の観光スポットだと鎌倉が断トツに好きな、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

さて、こちら「鎌倉 北じま」さんは、いま鎌倉で最も勢いのある日本料理店です。

オープンは2021年5月で、まだ1年も経過していない現状。

しかし、予約が取りづらくなっていて、どうやら半年待ちの人気になっているようです。

そんな中で、既に数回訪問している友人のお陰でお伺いすることが出来ました。

持つべきものはグルメ友達!

 

御料理を頂いた感想としては、予約が取りづらくなる理由に心底納得。

オープンから1年未満のお店としては完成度がケタ外れで、特に魚の扱い方は日本料理店の中でも既に群を抜いています。

『Gault&Millau 2022で』3トックを獲得したので、更に予約を取りづらくなるのは間違いないでしょう。

しかし、鎌倉・湘南エリアで訪問すべき一軒です!

すしログ

印象的な言葉は幾つかありましたが、サスティナビリティのために唐墨などの環境負荷が高い食材は使わないと言う言葉が鮮烈でした。

お金になるなら何でも使う料理人がいる世の中で、崇高な志をお持ちです。

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「鎌倉 北じま」の魅力とは?

店主の北嶋 靖憲やすのりさんは、京都の名門「和久傳わくでん」で修業された方です。

「和久傳」は言うまでもなく多数の有名料理人を輩出していて、誰もが知る名店だと、麻布 幸村(2000年オープン)、縄屋(2006年)緒方(2008年)、飯田(2010年)、京天神 野口(2011年)、木山(2017年)などがあります。

北嶋さんは「和久傳」で研鑽を積まれた後、「和久傳」が手がける「丹」の料理長に就任されました。

そして、2021年5月に故郷の鎌倉で独立されました。

 

御料理を頂いて最も驚いた点は、使用している魚のクオリティとその仕事です。

雑味が皆無でありながら力強い味わいで、同時に香りも引き出していて、ひとえに見事です。

魚の〆方、運び方、保管方法、調理の全てがハイレヴェルに完結しています。

その結果、かなり久々に日本料理で「刺身が旨い!」と心から感じました。

 

しかも、東京のお店とは異なり、全国の魚を使用せず、相模湾と駿河湾のもので固める点も嬉しい試み。

これぞ東京以外の県で頂く御料理の魅力であり、あえて訪問する価値につながります。

「さかな人」の長谷川大樹さんの強力な支援も奏功しているようで、一流の生産者と料理人がタッグを組んだ時に生み出されるパワーを感じました。

なお、長谷川さんの魚は自信が愛する「縄屋」でも昔から使用されています。

それゆえに、「縄屋」の吉岡さんと同じく「和久傳」出身の方が、地元で使用するなんて感慨深く感じました。

 

そして、北嶋さんは御料理の季節感を食材だけでなく、景色で表現するところも素晴らしいです。

若手の料理人は何かと食材に頼りがちですが、盛り付けなどで季節感を独自に表現されていて、ただ美味しいだけでない点が魅力です。

この点は鮨と日本料理の大きな違いだと個人的に思います。

日本料理においては、御料理の景色で季節を表現することが必須だと考えます。

 

ちなみに、北嶋さんは素晴らしい器をお持ちですが、「(年代物の器は)今の時代に、たまたま自分が預かっているだけ」との談。

なんて崇高な志でしょうか。

美術品や骨とう品を「資産」として考える成金料理人が多いところ、北嶋さんは若くして成熟した精神をお持ちです。

それゆえに孤高の陶芸家・美術家である辻村史朗氏に寵愛されているのだと実感しました。

 

「鎌倉 北じま」の御料理の詳細

鎌倉北じまお盆

「鎌倉北じま」さんのおまかせは、24,200円(税サ込)です。

サービス料の中にお茶や炭酸水などのドリンクも含まれているそうで明朗会計です。

しかも、お水は日本酒「白隠正宗」を造る高嶋酒造の仕込水「WASAN」。

 

頂いた御料理

  • 生姜の甘茶
  • 蛤の飯蒸し
  • 山菜と墨烏賊の和えもの
  • 甘鯛の刺身
  • 金目鯛の刺身
  • 椀:真鯛と蕗
  • 鮟鱇の炭火焼き
  • 鎌倉野菜の胡麻和え
  • 蛸の唐揚げ
  • ヒラマサのみぞれしゃぶしゃぶ
  • 鯵の棒寿司
  • ヒラマサの漬け丼
  • 留椀、香の物
  • ミンククジララーメン
  • ブダイの炊き込みご飯
  • 鮟鱇の雑炊
  • 湘南ゴールドのゼリー
  • 段葛
  • お薄

弥栄鶴亀の尾蔵舞生酒

お酒は3杯頂き、2名分のお会計は53,900円。

つまり、お酒は1杯1,833円となります(市販価格の3.45倍の値付けが目安)。

  • 弥栄鶴、亀の尾蔵舞生酒
  • 冨田酒造、日々 武者修行

 

生姜の甘茶

鎌倉北じま生姜の甘茶

灌仏会(ブッダの誕生を祝う仏教行事=4月8日)に合わせて供される生姜の甘茶でスタート。

生姜糖の甘みを控え目にしたような味わいで、安らぐ。

 

蛤の飯蒸し

鎌倉北じま蛤の飯蒸し01

こちらも灌仏会にちなんだ一品。

江ノ島産の蛤を使用し、器は大正時代の永楽。

蓋を開けると、色とりどりの花が登場する。

鎌倉北じま蛤の飯蒸し02

蛤の飯蒸しは香り良く、滋味深い。

エディブルフラワーは食感的にも味覚的にも謎の存在であったが、灌仏会のためならば致し方なしか。

このあたりの味覚的調整は今後大いに期待される点だ。

 

山菜と墨烏賊の和えもの

鎌倉北じま山菜と墨烏賊の和えもの

山菜はのびる、ウド、タラの芽、明日葉で、墨烏賊と合わせるところが面白い。

調理法を変えて各食材の魅力を引き出し、組み合わせる。

ソースは白味噌を卵黄で練っていて、お酢のジュレで極軽い酸味が付けられている。

様々な風味と苦味に、ソースの味わいがバッチリと合っている(ソースには出汁も使用か?)。

繊細な味の構成で食欲を刺激してくれる一品。

 

甘鯛の刺身

鎌倉北じま甘鯛の刺身

なんと活きで仕入れているそうで驚嘆に値する。

活け越しの後に神経〆を行い、調理する。

ぶちぶちと力強い食感の後に、しっとりとほどける。

甘みがあり、旨味も強い。

そして、香りを引き出す仕事が実に良い。

1日のみ寝かせているようだ。

魚の手当てが卓越していて、トロ箱の中で魚を縦にして移動させ、保管時も縦を維持しているそうだ。

 

金目鯛の刺身

鎌倉北じま金目鯛の刺身

伊東産。

脂がメチャクチャ強くて、甘みも抜群だ。

そして、香りにはどことなく甲殻類のニュアンスがある。

深海で甲殻類を食べてきた魚体であることが分かる。

普段は熟成をかけることが少ないそうだが、1週間熟成させている。

雑味は皆無。

力強いのにピュア。

これは凄い金目鯛で、感動した。

 

鎌倉北じま椀01

「見わたせば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の錦なりける」

「古今和歌集」の素性そせい法師の有名な詩を御料理で表現されている。

鎌倉北じま椀02

柳を蕗で、桜を鯛で表現しているとのこと。

鮪節由来のまろみと昆布の旨味を強く感じる。

実に丸い味わいの吸い地だ。

恐らく関西と同等の硬度の軟水を使用されているのではないだろうか?

鯛のクオリティが高いところも特筆に値し、香り良く旨味が強い。

 

鮟鱇の炭火焼き

鎌倉北じま鮟鱇の炭火焼き01

鮟鱇は、鎌倉の刺し網で獲られたもので、神経〆が施されている。

鎌倉北じま鮟鱇の炭火焼き02

鎌倉北じま鮟鱇の炭火焼き03

これは問答無用で旨い。

これも雑味が無く、鮟鱇特有のかすかに淀んだような臭みも皆無。

そして、旨味が強い。

むっちりぷりぷりした口当たりで、ほろりとほどける。

肝の甘みや食感も絶妙。

 

鎌倉野菜の胡麻和え

鎌倉北じま鎌倉野菜の胡麻和え

のらぼう菜、ウドの根、べにくるり、里芋。

胡麻の香りが濃密で、味わいも深い。

しかし、味付けの奧から野菜の味わいが抜けてくる。

 

蛸の唐揚げ

鎌倉北じま蛸の唐揚げ

小田和湾(佐島)の蛸で、意表を突く一品。

炊いてから揚げているため、ジューシィなところが魅力だ。

しっとりと、ほろっほろにほどる。

唐揚げらしい香ばしさや衣のハードな食感もありつつ、味付けが軽いため、日本料理のコースの中にしっくり馴染む。

 

ここで頂いた日本酒が、冨田酒造と松本日出彦さんのコラボ酒「日々 武者修行」。

日々 武者修行 冨田酒造

頼んだ理由は、オススメ頂いたことに加えて、翌週に松本日出彦さんと「鮨みずかみ」さんでお会いすることになっていたためだ。

 

ヒラマサのみぞれしゃぶしゃぶ

ヒラマサのみぞれしゃぶしゃぶ

ヒラマサは15キロの魚体で味が濃いう、

旨味に加えてヒラマサ特有の酸味もあり、大根の甘みが味に寄り添う。

少量の黒七味の香りと香りがアクセントに。

 

鯵の棒寿司

鎌倉北じま鯵の棒寿司01

炭を表面に押し付けて、焼いてから提供。

鎌倉北じま鯵の棒寿司02

一キロ弱の大型で、脂が乗っているためトロトロで、しっとり。

酢飯には赤酢を使用しつつ、日本料理らしく甘みがある。

 

ヒラマサの漬け丼

鎌倉北じまヒラマサの漬け丼

しゃぶしゃぶ頂いた後に、やはり旨いヒラマサだと実感する。

鎌倉北じまお食事

味噌汁と香の物も美味。

鎌倉北じま味噌汁

鎌倉北じま香の物

 

ミンククジララーメン

鎌倉北じまミンククジララーメン

すっきりした吸い物的なスープ。

 

ブダイの炊き込みご飯

鎌倉北じまブダイの炊き込みご飯01

これがお食事の中で一番素晴らしかった。

鎌倉北じま鎌倉北じまブダイの炊き込みご飯02

ブダイに天然モノの春子椎茸を使用している!

春子椎茸は前述の「さかな人」の長谷川さんが収穫したものだそうだ。

吉岡さんから長谷川さんは摘み草もされると聞いていたが、頂けて感慨無量。

香りと旨味に加えて、軽い苦味が面白い!

天然モノゆえか。

舞茸と同じく、市販品のほとんどが栽培モノであるが、天然は味わいが異なる。

ブダイは炊き込みご飯で使ってもホロホロにならないため、ぷりっとした歯ごたえを楽しめる。

 

鮟鱇の雑炊

鎌倉北じま鮟鱇の雑炊

スッキリと旨い雑炊。

 

湘南ゴールドのゼリー

鎌倉北じま湘南ゴールドのゼリー

湘南ゴールドのゼリーで、酸味とホロ苦さが爽やか!

 

段葛

鎌倉北じま段葛

鶴岡八幡宮の参道である段葛に咲く夜桜をイメージした和菓子。

水羊羹に道明寺を併用。

豆の香りが良い水羊羹で、粒子の粗さが魅力だ。

ほのかに漂う桜の香りも上品。

 

お薄

鎌倉北じまお薄

 

「鎌倉 北じま」の立地と雰囲気

「鎌倉 北じま」さんは鎌倉駅から1.2キロほど離れた、住宅地の中にあります。

ある種ギャラリーのような雰囲気を発する低層の瀟洒な建物です。

鎌倉北じま外観

店内は土壁と無垢材が自然な雰囲気を生み出していて、席間隔は広々しています。

鎌倉北じま内観

外光がふんだんに入る窓なので、心地良く食事ができます。

夜は夜で静謐な魅力があるだろう、と感じました。

 

「鎌倉 北じま」のお店情報と予約方法

予約については、OMAKASEに対応されていますが、取りづらい状況です。

お気に入り登録をしておき、同時に予約している方を探すのが近道だと思います。

 

鎌倉 北じま(食べログのリンク)

店名:鎌倉 北じま(かまくら きたじま)

予算の目安:20,000円~30,000円

TEL:0467-73-7320

住所:神奈川県鎌倉市大町4-3-18

最寄駅:御成門駅から400m

営業時間:お昼12:00〜貸し切り予約で営業、18:00~

定休日:不定休

※完全予約制です

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