こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
名前からしてインパクト絶大な「変タイ鮨」で一躍有名になった「鮨すがひさ」さん。
江戸前鮨の通常営業を止め、タイ鮨に全振りして2024年1月15日に虎ノ門へ移転されます。
この度、鮨業界のさる重鎮にお誘い頂き、ご一緒させて頂きました(2023年9月上旬)。
僕はタイ料理も大好きで、食べ歩きのため8回ほどタイに行っているので、実はタイ鮨には興味津々でした。
![鯵ドラゴンフルーツ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/9f48c608e6f46bd7c0d30f5a18963ba1-1024x683.jpg)
ド、ドラゴンフルーツ…だと…?
![すしログ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/bfff16286f71f92772bdffbe98056593.png)
結果的に、これは「鮨の形をしたイノベーティブ料理だ!」と実感。
これをタイ人ではなく日本人の鮨職人が先手を打って作っているのが素晴らしい!と感じました。
本記事は溝の口の「鮨すがひさ」さんのタイ鮨バージョンです。
「鮨すがひさ」さんについては、以下の記事をご参照ください。
![小鰭](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/9b9559a6c24de8b81463a90024c7fcdf-160x160.jpg)
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僕は「江戸前鮨原理主義者」と思われているようですが、実際には微妙に異なります。
「江戸前鮨の仕事原理主義者」で、創作的な仕事も好きです。
ただ、世に流行る創作的な仕事の多くが江戸前鮨の仕事を蔑ろにしていたり、安易な味覚の足し算を行ったりするので、率先して訪問していない次第です。
実際に、創作的なお店で痛い目を見た事は多々あります…。
王道の江戸前鮨を追及して、その枠組みを広げている職人さん達の為にも、僕は創作的な仕事には真摯に向き合いたい次第です。
ただ「面白い」だけでは駄目ですし、いかに親方がフレンドリーでも美味しくなければ不幸です。
さて、前置きが長くなりましたが、「変タイ鮨すがひさ」さんは個人的に大アリでした。
タイ料理が好きな人ならば確実にヒットするはずです。
タイ料理は好きだけど、鮨は食べた事が少ない…と言う方々に鮨の魅力を伝えてくれる職人さんです。
江戸前鮨の仕事を応用して、ただ「面白い」だけでなく、「美味しい」と感じさせてくれますので!
個人的には、これからも突き抜けて世界に誇る鮨とタイ料理の融合を果たして頂きたい、と感じます。
それでは、「変タイ鮨すがひさ」のおまかせコースの紹介に入ります。
「変タイ鮨」営業の際にはタイのビアシン(シンハー)を仕入れられている点が面白すぎる。
![ビアシン](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/4d97bccadd991cb425c63aab5679b956-1024x683.jpg)
![蛸の桜煮風ナンプラーとカルダモン煮](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/4b0471e9bd5dfb350a2f14c562ddb951-1024x683.jpg)
身はホロッホロだが、厚みのある部分はぷりっとしている。
仕事は江戸前だが、香りはエスニックで、カルダモンが香る。
その香りに違和感無し。
![甘海老の塩辛](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e412c71ae33591a415b5d41820cb36df-1024x683.jpg)
【トートマンクン(トート=揚げる、マン=油、クン=海老)】、海老のすり身揚げの生海老酒肴アレンジとは意欲的。
レッドカレー味とレモングラス風味を用い、斬新な美味しさを生み出している。
![グリーンカレー茶碗蒸し](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/529b3f8f420c309b4e16ce028114c680-1024x683.jpg)
ハーブが香る冷製茶碗蒸し。
ココナッツミルクのコクと香りが活きている。
いくらにパイナップル果汁の香りが馴染むのは、ココナッツミルク故か。
飛び切り燗の悦凱陣が実に良い相性!
![鰯の生春巻き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/520fc0cd8ffa65056898a7b5c60d4c1e-1024x683.jpg)
米が原材料のライスペーパーと、なますのお酢を用いてシャリを再構築しているそう。
大葉と富士酢プレミアムの香りで和風に感じる点が面白い。
タイに寄せつつ、和の世界に引き戻すような面白い趣がある。
![トムカー貝](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/8c4c659bb977baef749831cce9a98151-1024x683.jpg)
【トムカーガイ(トム=煮る、カー=生姜、ガイ=鶏肉)】を鮑でアレンジしているため「トムカー貝」。
管親方いわく「鮨屋なので鶏肉は使わない」との事で、確たる信念を感じる。
パロディ的に思われる料理については、柱となる信念が必須だ。
カーとレモングラスを使用し、正にトムカーガイの香り。
頂いてみると、スッキリした酸味と甘味の後に、鮑の旨味を強く感じさせる!
鶏胸肉よりも味わい強い!
![タイ鮨仕様のガリ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/eba2c7c5eed6898d6bb9f15442f4d74a-1024x683.jpg)
ディル入りで爽快な香りだ。
青パパイヤも使用している為、「ガリタム」との事。
タイ料理を知っている人ならば爆笑するネタが放り込まれる(上記は【ソムタム】を文字っている)。
![新烏賊](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/94730899dac7286a1229acd4009f2268-1024x683.jpg)
ぷりぷりと柔らかい新烏賊に、レモングラスを合わせている。
味覚の組み合わせとして合わない訳がない相性の良さ。
![鰊](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/27ccbe160c5a4bdf9f6edc704c28433f-1024x683.jpg)
当たり葱ではなく、なんとパクチーを使用!
特有の香りが緩衝されるのはお酢のお陰だ。
不思議と馴染み、鰊の脂にアクセントとして機能する。
![鱸](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/812afbb1228cfc54df6327615498c168-1024x683.jpg)
徳島の村さんの鱸。
焼き茄子のスモーキーフレーバーにガパオ(ホーリーバジル)の香りを合わせている。
![鯵とドラゴンフルーツの手巻き](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/9f48c608e6f46bd7c0d30f5a18963ba1-1024x683.jpg)
なんとドラゴンフルーツとは!
鯵は生ではなく焼き鰺を用いる事で、味やテクスチャーが違和感無く馴染む。
![鮪赤身](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/fd7269e8034abcfdfd5de91556725691-1024x683.jpg)
卵黄のナンプラー漬けと共に。
和食の黄身醤油的なコクを与えつつ、ナンプラーの発酵香も添える。
![鰆](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/876f8554770ae8e6d8889fe1df551746-1024x683.jpg)
鰆が纏っているのはクミン。
鰆のコクとクミンの香りが意外にも良く合う!
シャリ温も高めで良いバランシング。
![マカジキ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/f24772a44ba730a15d4c498b4370483b-1024x683.jpg)
部位はハラモ。
調味料はイエローカレー醤油にクローブを合わせたもの。
結果的に、タマリンド入りのカレーのように感じる味覚の組み合わせだ。
でも、鮨という不思議な感覚。バグる。
![クジラ](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/09231629014161cdc50b0c0098a8ebe7-1024x683.jpg)
ハーブとニンニク醤油漬け。
ハーブが香ばしくクジラ特有の香りをマスキングして、味わい部分を伝えてくれる。
![車海老](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/204d0dea85f851db56e5f6521dbac9c6-1024x683.jpg)
海老は言うまでもなくタイ人が愛する食材なので、タイ風味との相性は格別だ!
茹で上げでぷりぷりに仕上げた海老と海老醤油を合わせる。
ひとくちトムヤムクンと言った味わい。
![マッサマン海胆もどき01](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/97a165af01fa9aeb966aff1ae97eeb6c-1024x683.jpg)
マッサマンカレーを冷ましてから卵と合わせて冷凍した海胆の擬製食品。
![マッサマン海胆もどき02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/04e7330a742119c1a7928c6a6dd13892-1024x683.jpg)
手が込んでいて、正にイノベーティブレストランだ。
![タイ風稲荷寿司](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/2ebd5be0c9f7125d99888f93739998db-1024x683.jpg)
グリーンカレー風味に、ナッツとパクチーの香りと食感が良い。
皮の甘味ある味付けにも合う。
これはデパートや駅ナカで売られていたら時折欲しくなる稲荷寿司だ。
![椀代わりのシャリカレー01](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/e089645340d19ddd81f2035926f36a32-1024x683.jpg)
魚の潮汁ベースで、鮪の血合いを有効活用している。
![椀代わりのシャリカレー02](https://sushi-blog.com/wp-content/uploads/a041748abadc97a2e37817bd84f9c6c1-1024x683.jpg)
潮汁がベースになっている為、カレー味であってもシャリと合う!
「変タイ鮨すがひさ」は現在、一時営業を中止し、虎の門への移転を準備されている状況です。
恐らく虎の門に移転する事で従来よりは予約を取りやすくなるはず…。
2024年1月に虎ノ門ヒルズステーションタワーの4階にオープン予定です。
情報はインスタで発信されていて、以下のとおりです。
11月1日より2024年1月16日〜31日迄の予約をtable checkにて開始致します。
12月1日より2024年2月1日〜29日の予約受付を行います。
皆様どうぞよろしくお願い致します。
鮨とタイ料理の融合に微笑みの国に誘われる、すしログ(@sushilog01)でした。
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