すしログ No. 203 十兵衛@福井市(福井県)

鮨十兵衛暖簾

※2017年8月の訪問記事です

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

こちらは前々から伺いたかった福井の鮨店です。

お店は外観からすると大箱に見えますが、お店に入るとスッキリした空間にゆとりを持たせたカウンターが8席。

鮨店で広すぎると不安になるので、良い設計だなあと感じました。

店内には、季節ならではのうちわと花火が控えめに飾られておりました。

鮨十兵衛内観01

鮨十兵衛内観02

そして、内装のみならず親方とお弟子さんのファッションもスタイリッシュ。

キリッとした衣装で、清々しさがあります。

 

更に、タネケースを見るとクオリティは上々。

空気も清潔感に満ちており、良い鮨店の条件をクリアしています。

 

この度頂いたのは15貫10,000円のおまかせ。

貫数が少なく、より廉価なコースもありましたが、折角東京から伺うので、一番上のコースにした次第です。

握りは福井近海のタネを主体としつつ、全国の上質なタネも入れておられます。

 

シャリは酢が比較的強めで、やや柔らかめですが、口の中でのほどけ方は良好です。

米粒が少し大きく、独特な風味だったので伺ったところ、福井のハナエチゼンとコシヒカリの古米をブレンドされているとの事。

米の旨味と香りを感じさせるシャリだと感じました。

特に熟成を掛けたタネや、脂の強いタネ、海胆との相性が良好です。

 

手数が8手とやや多かったのが気になりましたので、もうちょっと少なくされると更にほどけ方が良くなるかと感じました。

頂いた握りは下記の通りです。

 

ガリ

鮨十兵衛ガリ

甘みがやや強めだが、旨味と辛味のバランスが優しくて良い。

 

アラ

鮨十兵衛アラ

ハタ族のアラ(=九絵)ではなく、アラ族のアラ。

輪島産で5日熟成を掛けている。

かなりの旨味で熟成の威力を発揮しているが、繊維質はぷりぷりと力強さが残っており、美味。

一貫目で親方の実力を実感。

 

鮪赤身

鮨十兵衛赤身

ねっちりと甘み強く、その後に鉄分と酸味が広がる。

これも軽く熟成を掛けているのだろうか。

産地は塩竈だが、仕入は築地経由。

親方は「産地」ではなく「味優先」で鮪を選んでいるため、6月は福井の市場から引いていたとの事。

 

甘海老

鮨十兵衛甘海老

ねっとりトロトロ感だけでなく、ぷっつり切れる食感もある。

 

ケンサキイカ

鮨十兵衛ケンサキイカ

福井産。塩と酢橘少々。

包丁が奏功し繊維質のほどけ方は良く、トロトロととろける。

 

鮪中トロ

鮨十兵衛中トロ

血合い下。これも赤身と共に甘みが強く、酸も味漂わせており良い。

寝かせ方が巧いと再認識する。

 

鮨十兵衛鰯

酢〆。もの凄い脂の鰯をしっかりと〆る事で乳化的味わいを生み出している。

そして香りは雄々しく、食欲を刺激する。

ネギと生姜の使用量も適切。

秀逸な鰯。

 

鮨十兵衛鯛

福井産。脱水して旨味を凝縮している。

アラの仕事とは裏腹に食感と香りが弱めだったが、鯛に日常的に馴染みがある福井だからこその仕事か。

個人的には、やはり鯛にはぷりぷり感が欲しい。

 

縞鯵

鮨十兵衛縞鯵

これも寝かせて甘みを強めており、とろろんとした食感。

縞鯵の雄々しい香りは最後に漂う。

 

キタムラサキ海胆軍艦

鮨十兵衛キタムラサキウニ

小樽産。すぐに溶け去り、強い甘みが爽やかに残る。

塩水パックの海胆である事が瞬時に分かる味わい。

尚、小浜産の赤海胆も美味しいそうだが、京都に流れてしまうそう。

 

エゾバフン海胆

鮨十兵衛エゾバフンウニ

これも口溶けが素晴らしい。

キタムラサキよりも濃厚な甘みである事は言わずもがな。

 

バイ貝

鮨十兵衛バイ貝

酢橘少々と、珠洲(能登)の竹炭塩。

かなりのコリコリ感で、噛みしめるとシャクシャクとほどけゆく。

バイ貝として独特の食感を楽しませて頂いた。

そして、甘みも強く、香りも上品で良い感じ。

 

鮨十兵衛鯵

酢〆。〆つつも、ぷりぷり、パツッとした食感があり、噛む毎に旨味と香りがジワジワと高まる。

突出した脂ではないものの、余韻はとても強い。

 

白海老

鮨十兵衛白海老

手のひらで大葉に乗せてから握られ、軽く付いた大葉の香りが粋。

 

小鰭

鮨十兵衛小鰭

かなりしっかり〆の古典的な小鰭。

流石に時期的に旨味は弱いが、福井でこの仕事の小鰭を出されている点に感銘を覚える。

 

穴子

鮨十兵衛アナゴ

ふんわり感は適度で、炙る事で少しカリッとさせている。

旨味と香りの良い穴子。

煮ツメは濃厚で、穴子の旨味がしっかりと滲んでいる。

 

鯖 追加

鮨十兵衛鯖

鯖の2枚重ねとはビックリ。

頂いてみると、胡麻鯖。

しっかり目に〆て淡い旨味を凝縮している。

ただ、食感はしっとりしており、中々良い仕事。

 

赤海胆 追加

鮨十兵衛赤ウニ

前述の海胆が良かったので別の物を追加。山口産。

舌を包み込むような甘みで、キレのある香りを最後に感じさせる。

松山近海の海胆に少し似ている。

口当たりはとろりと。

 

玉子

鮨十兵衛玉子

甘みと香ばしさのある出汁巻き玉子。

 

鮨十兵衛椀

海苔の吸い物。

 

最後に親方とお話したところ、福井の魚の面白さに胸が高鳴りました。

例えば、師走に2週間程しか出ない「迷い鰹」や10kgオーバーの鰆など…

是非とも季節を変えて訪問したいと感じました。

粗削りなところはありますが、ポテンシャルは非常に高く、個性も確立されていると思います。

 

店名:鮨 十兵衛(すし じゅうべえ)

シャリの特徴:福井のハナエチゼンとコシヒカリの古米をブレンドし、米の存在感を感じさせるシャリ。

予算の目安:10,000円~

最寄駅:日華化学前駅から800m

TEL:0776-24-3080

住所:福井県福井市文京5-17-5

営業時間:12:00〜14:00、18:00〜23:00(L.O 22:30)

定休日:水曜、第三火曜

※ランチは前日までの完全予約制

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