こちらは1835年(天保6年)に創業し、当時から同じ場所(石切橋)で営んでおられる老舗です。
東京大空襲の折にも焼かれなかったそうです。
現在の親方は6代目で、仕事を継承する傍ら、鰻問屋に通い鰻の目利きも学んだ手練。
こちらでは鰻をクオリティに応じて蒸し時間を変えておられるため、目利きまで学ばれたご主人ならば、より理想的な蒸しの仕事を実現出来るのでしょう。
実際に頂いてみると、他店には無い食感を楽しませてくれ、上品な味わいのタレと相まって、唯一無二の味わいとなっております。
この度頂いたものは【鰻重(特上)】4,000円と【肝吸い】300円。
特上は数量限定となり、(上)3,300円、(並)2,600円もあります。
オーダー後、油断しておりましたが、結構な時間待ちます(笑)
しかし、僕個人的には素晴らしい待ち時間!と嬉しくなりました。
東海より西の鰻店は待つことが少なく、東京においては待ち時間が長いお店ほど信頼を抱けると言うもの。
本来であれば、串やうざくなどを頼んで一杯飲みつつ待つのが粋ですが、久々の東京なので忘れておりました(笑)
日本酒には時間が足らず、ビールがスーパードライなので追加しませんでしたが、訪問される方は是非とも一献楽しまれてください。
鰻重(特上)
まずは、一口。
一口で、こちらの鰻が独特である事を感じた。
身はふんわりで皮下脂肪はトロトロ、肉厚ながらにホロホロ過ぎまで追い込まない蒸し加減。
焼きにより外はパリッと仕上がっている。
江戸前の仕事の鰻として、柔らかすぎず強い印象を与える。
そして、ご飯。
米粒が立ちつつ、モッチリ感もあるお米と炊き加減で美味。
創業時から継ぎ足しのタレは一言で、上品。
甘みが非常に低く、それでいて醤油のトゲも無い。
甘みと辛味(醤油)のバランスが良い上に、ご飯に掛けられた量も上品。
タレの味わいに加えて焦げの風味と苦味が控えめにアシストする。
かなり脂が乗った鰻だったが、それでいて香りも楽しめた次第だ。
肝吸い
上品な出汁。
肝の中心はとろりとしており、管はぷりぷり。
鰻の肝の旨味と香りを満喫出来る。
卓上の山椒は香り中々で、痺れしっかりなもの。
香の物も美味。
総合的に老舗ながらにコストパフォーマンスが高く、またお伺いして印象を再確認したいと感じました。
店名:はし本(はしもと)
食べるべき料理:独特の蒸しの仕事と上品な味わいのタレが織りなす鰻重。
予算の目安:鰻重(特上)4,000円、(上)3,300円、(並)2,600円、肝吸い300円
最寄駅:江戸川橋駅から190m
TEL:03-3811-4850
住所:東京都文京区水道2-5-7
営業時間:11:30~14:00 、16:30~20:00
定休日:水曜