鮨が10倍楽しくなる旬魚の世界 No. 15~秋~サバ(鯖)※ほとんど全国鯖すしまとめ!

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こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。

本記事は「旬の魚」をご紹介する「旬魚の世界シリーズ」です。

当シリーズでは、旬の魚の魅力を鮨ブロガーならではな目線で解説していきます。

今回は「サバ(鯖)」についてご紹介します。

すしログ

魚の旬についての記事はたくさんありますが、鮨マニアが解説している記事は唯一無二かと!

楽しんで頂ければ幸いです。

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▼シリーズのまとめ記事はこちらです

サバ(鯖)の基本情報と旬は?

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標準和名:マサバ(真鯖)

通称・別称:サバ(鯖)

英語名:Chub mackerel, Pacific mackerel

旬:10月〜11月を秋鯖、12月〜2月を寒鯖としてみなされる

サバ(鯖)についてのすしログ的コメント

小鰭と並んで鮨種を代表する青魚ですね。

江戸前鮨(握り)だけに限らず、大阪のバッテラ、京都の鯖棒寿司、奈良や和歌山の柿の葉寿司などなど、昔から大人気なタネ。

 

【大阪のバッテラ】

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【京都の棒寿司】

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【奈良の柿の葉寿司】

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家庭では塩焼きや味噌煮などが一般的ですが、〆て酢飯と合わせた鯖には強烈な個性があります。

ある意味、苦手な人がいるのが分かるくらいに個性のある魚。

苦手な人は特にかく言う【〆鯖】が苦手と言うケースが多い気がします。

 

ただ、苦手になった理由は、「居酒屋で食べた〆鯖」が原因である事も多い気がします。

本来ならば生食に向いていないクオリティの低い鯖を、塩でしっかりと〆て、酢をバッチリと浸透させれば、そりゃあ鯖の嫌な部分が浮き彫りになってしまうでしょう。

もちろん、今や居酒屋でも美味しい【〆鯖】を出すお店は多いですが、外す事も多いのは事実。

僕も学生の頃に食べた【〆鯖】は大好きな塩焼きとは全く異なる不味さで、なんで大人達は鮨店で喜んで食べるのだろう?などと思ったものです(笑)

 

ただ、その理由は明白でした。

真っ当な鮨店が用いる鯖はクオリティが高く、脂が乗っているので、〆の仕事で魅力を引き出す事が出来るためです。

サバ鮨みなと

苦手意識を持っている方は、よろしければ今回ご紹介するお店でチャレンジされてみては如何でしょうか?

 

なお、本項の「マサバ」と「ゴマサバ」は別種となります。

一緒くたに「サバ」と呼ばれ、混同されがちですが、後者の旬は主に夏となり、脂の含有量はマサバよりも少ない種です。

ゴマサバでブランド化されているものは、鹿児島の「首折れサバ」や「屋久サバ」、高知県の「清水サバ」などがあり、現地では主に生食されます。

 

【鹿児島の市場の首折れサバ】

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一度現地で頂いてみると、食感と脂の含有量、香りがマサバと異なるので、舌で違いを感じる事が出来るかと思います。

 

また、ノルウェーからやってくる「タイセイヨウサバ」も別種。

一般的にマサバよりも脂の含有量が多く、見分けるポイントは身体に筋模様がクッキリと浮いている点です。

ちなみに、ゴマサバは身体の中央から下にかけて丸い模様(=胡麻)がある点が判別ポイント。

 

長くなってしまいましたが、サバを見る度に模様をチェックすると面白いかもしれません(笑)

※鯖は江戸前鮨のみならず関西寿司でも用いられる魚なので、今回は「シャリ」と言う符牒は用いず「酢飯」に統一します

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サバ(鯖)の鮨における仕事(調理法)

サバ(鯖)の鮨における仕事(調理法)は以下の通りです。

  • 〆(締め)

塩で〆た後、酢を当てて、寝かせる。西も東も鯖の仕事と言えば、これに尽きます。素人でも慣れると美味しく作れるものですが、鮨職人の〆加減は芸術と言っても過言ではありません。

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塩で何分〆るか、酢に何分さらすか、どのくらい寝かせるのか。そして、どんな塩と酢を使うのか。シンプルでありながら極めて奥深く、味が大きく変わるのが、鯖の〆の仕事です。魚体が大きく脂が多い魚なので、小鰭の〆とは異なるセンスが必要なのではないでしょうか。ちなみに、塩ではなく、砂糖で脱水する職人さんもおられます。

 

大分では生で頂き、かなり斬新でした。

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東京の料理店で頂いた美味しいサバの棒寿司。

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食べる時はここに注目!

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鮨でサバを食べる時に注目するポイントはこちら!

  • 〆加減
  • 脂の含有量(鯖のクオリティ)

鯖の〆加減を楽しむポイントは、食感、旨味、脂、香り、塩加減(塩味)、酢加減(酸味)に分類されるように思います。

そして、自慢の酢飯とのバランス。例えば鯖も酢飯も酸っぱいと、酢の物を食べているような気分になってしまいます。逆に、〆の塩梅が良いと、鯖の脂と酢飯の酸味が合わさる事で、あたかも乳化のような複雑かつ一体的な味わいとなります。

 

また、食感的には鯖の身と酢飯の米粒が自然に馴染むのが理想。最近は鯖の身(の中心部)をしっとりと仕上げる〆加減が多く魅力的ですが、下手すると〆きれていない(巧く脱水=旨味の凝縮が出来ていない)、通称「なまくら」な状態となってしまいます。バシッと〆つつ、身がボソボソしておらずフレッシュ感のある〆鯖を頂けば、冒頭のように〆鯖に苦手意識を持つ方でも克服出来るのではないかと思います。

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【プライドフィッシュ登録県】(カッコ内は旬)

・松輪のサバ(10月〜12月)、茨城常磐のマサバ(11月〜1月)

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意外にもプライドフィッシュ登録は少ないですが、サバはブランドが多い魚となります。

日本で初めてブランド化された魚である関サバ(大分県・佐賀関沖)に始まり、金華サバ(宮城県・三陸沖金華山)、八戸前沖サバ(青森県八戸市)、旬(とき)さば(長崎県・五島列島、対馬海峡)、岬(はな)サバ(愛媛県・佐田岬漁港)、紀サバ(和歌山県・紀伊水道沖)、安乗(あのり)サバ(三重県・志摩半島)などがあります。

 

他にも養殖ブランドのひむか本サバ(宮崎県延岡市)や、名前が面白いお嬢サバ(鳥取県岩美町)、冒頭のゴマサバのブランドもあり、日本人のサバ愛を感じさせます(笑)

僕のサバ愛も炸裂してしまい、コラムなのに2,400字を超えている事に気づいたので、このあたりで筆を置きたいと思います。

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掲載した写真のお店

・鮨みずかみ(東京都)

あばらや(大阪府)

九和楽(和歌山県)

鮨みなと(北海道)

市場食堂(鹿児島県)

 

▼シリーズのまとめ記事はこちらです

 

鮨と魚をこよなく愛する、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)でした。

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