すしログ No. 250 札幌わたなべ@札幌(北海道)

札幌で突如として鮨を頂きたくなりました(笑)

本当はスープカレーの予定だったのですが、唐突に…

しかし、札幌の鮨店の多くは予約困難店化しているので、急に取るのは難しい。

そもそも当初は宮川さんにお伺いしようとして2ヶ月前に電話したところ、既に満席。

ならば、しののめさんを再訪しようとしたところ、親方が東京遠征。

そんなこんなでスープカレーにしようとしていたのですが、札幌が放つ鮨の誘惑には勝てませんでした(笑)

そこで、ブックマークしていたこちらに、夕方にお電話…

ラッキーにも席があり、鮨欲を満たすことが出来ました。

鮨を食べたいその日に取れるお店って、本当にありがたい。

鮨わたなべ札幌店の概観

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こちらはそもそも、本店が中標津にあるそうです。

中標津とは、道東の中々マニアックな場所ですが、親方は自身の握りを試したくて、札幌に支店を出され、自ら漬け場に立っておられるのでしょう。

夜のおまかせは1万円と1.3万円のものがあり、そこに税サ(サ5%)が掛かってきます。

上の方が握りが6貫多く、酒肴も付くコースです。

僕は酒肴よりも握りの数で1.3万円を選びましたが、結果的には酒肴付きで大正解でした!

と言うのも、握りのタネにも北海道ならではのタネが使われますが、酒肴はほぼ全て道産食材。

鮨店離れした創作的なもの(=もはや和食)もありますが、道外から訪問した人間の満足度はグンと引き上げてくれます。

そして、肝心の握りも完成度が高い。

特にシャリ。

赤酢を用い、酸味はやや強めながらに塩気は穏やか。

硬くはないものの粒がしっかりと立ち、ほどけ加減が良く、温度も良好です。

時折、掌ポンはありましたが、手数は少なく、捨てシャリはされておりません。

コースは握り→酒肴→握りの順で進むため、お酒好きには堪りません(笑)

僕は鮨店では基本的には抑えておりますが、こちらのような流れでは仕方ないでしょう。

お酒の価格は良心的。

お会計時にサービス料が少し利いてきますが、お酒好きであれば満足度は高いかと思います。

ちなみに、こちらはガリがありませんでした。

理由を伺うのを失念してしまいましたが、全体的に味わいが強いコースなので、ガリがあっても良いように感じました。

鮨わたなべ札幌店のおまかせの詳細

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この度頂いた日本酒

北の錦冬花火・純米大吟醸、福司・純米吟醸さくら、雪なごり純米

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ウェルカムミルク

中標津には『牛乳でかんぱ~い!!』運動があるそう(笑)

頂く前は鮨店の初手で牛乳!?と思ったが、美味しく、風味は強くないので、魚を頂く前でも邪魔にならなかった。

(その辺りは考慮されており、量も多くはないです)

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先付

豆乳、湯葉、海胆、イクラ、キャヴィアで構成。

濃厚な大豆の風味が魅力で、湯葉の食感や出汁の塩梅が良い。

キャヴィアなどを用いているが、硬派に組み立てられている。

ここで、いきなり握りに入ります!

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秋刀魚

根室産。

強い脂をしっかりと〆て凝縮しており、一体感が高い仕事!

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針魚

函館産。

これはしっかりと脱水されており、バツッとした食感。

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マツカワ

昆布〆で、しっかり目だが、マツカワの甘みが広がる。

昆布の香りはふんわりと漂う。

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鮪中トロ

宮城産。

脂が乗っており、酸味も残っており、旨い。

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徳島産。

身が割としっとりな〆加減(=少々なまくら)で、これは少々好みから外れた。

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ホッケとキノコの蒸し椀

これは見た目からして魅力的だが、香りが堪らない!

ホッケは礼文産で、使用しているキノコはボリボリ、舞茸、椎茸、松茸。

ボリボリとはナラタケの北海道における呼称との事。

これは良い!

キノコの旨味と風味がたっぷりで、そこにホッケの野趣を感じさせる。

ホッケは塩を当てて一夜干しか?この調理法に馴染む食感と凝縮感であった。

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蝦夷鮑、鮑酒

鮑は実に柔らか!それでいて風味もあり!

鮑の火入れは2時間煮ているそう。

出汁が出た鮑酒も格別…鮑だけでなく日本酒の風味と甘みもあるのが良い。

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肝ソースは今や定番のシャリ玉を投入して頂くのだが、更にその後、一口程度残した状態で追いスープを行い、綺麗に頂くのがこちらのスタイル。

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印象的な鮑料理に昇華させており、看板メニューである理由に納得。

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秋刀魚酢漬け

南蛮漬け風。秋刀魚はトゥルン!と気持ち良い食感で、出汁を利かせ巧く味覚のバランスを取っている。

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お造り:柳蛸(白糠)、鰤(羅臼)、平政(函館)

柳蛸は旨味がかなり強く、脂を持っている点にびっくり。

平政も旨味しっかりで、端正な酸味が抜けていく。

鰤は意外な産地で大変な美味しさ。

強い脂と旨味なので伺ったところ、1週間熟成されているそう。

旨味を引き出し、爽やかな後味で締める点に、巧い熟成だと感じさせられた。

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秋刀魚の一杯醤油焼き

香ばしい!

秋刀魚の味が強い分、大根おろしにカボス果汁が混ぜられており爽やか。

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酒肴6品

黒豆、ホヤの塩辛、ミョウガと大根の甘酢漬け、秋刀魚のいずし、鯛の酒盗、イカゴロ。

全て完成度が高いが、特にイカゴロの鮮烈な旨味と雑味の無さが印象的。

黒豆も風味豊か。

北海道の郷土寿司、いずしを提供されており、しかも秋刀魚とは嬉しい限り!

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出汁巻き玉子

じゅわっと出汁巻き。

口直し的な印象。

ただ、塩気が利いているので、甘みによる失速感は無い。

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浅漬け

生姜と唐辛子を利かせている。

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海胆軍艦

昆布森産。

ねっちりと濃厚。

ミョウバンの収斂味はあるものの、甘い。

わたなべ花咲ガニ

花咲ガニ

非常にみっちりした繊維質がズワイガニや毛蟹の握りとは異なる。

内子の醤油漬けを添えている点も魅力。

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鮪赤身漬け

しっかりした漬け加減で、醤油の塩味が勝っていた。

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スルメイカ

ごわっと食感の後、噛み締めるととろりととろける。

細やかな包丁に加えて、炙ってほのかに香ばしさを付加している点が良い。

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塩いくら

ねっちりと舌に絡む旨味。

塩気はやや強いものの、まあ、塩いくらだからな…

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複雑な旨味があり、複数の魚介のアラを用いている模様。

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穴子

噴火湾産!肉厚!

しっとり、ふんわりした食感に仕上げており、下味はかなり上品。

強い脂と上品な香りに妙がある穴子。

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アイスクリーム

牛乳感しっかりで、甘み控え目なアイスクリーム。

冒頭のウェルカムミルクと同じ、なかしべつ牛乳を使用。

 

また季節を変えてお伺いしたいと思います。

ちなみに、お店は姫沙羅さんが入っていた場所をリフォームされているのですが、あまりの変化に驚きました(笑)

鮨わたなべ札幌店のお店情報と予約方法

WEB予約は食べログより可能です。

鮨わたなべ札幌店(食べログのリンク)

店名:鮨わたなべ 札幌店

シャリの特徴:赤酢を用い、酸味はやや強め、塩気は穏やか。ほどけ加減、温度共に良好です。

予算の目安:ランチのおきまり5,000円、夜おまかせ13,000円、おまかせミニ10,000円

最寄駅:すすきの駅から350m

TEL:090-8636-1369 ※番号通知の上で電話

住所:北海道札幌市中央区南6条西4-1 プラザ6・4ビル4F

営業時間:昼11:30~13:30、夜17:30~22:30

定休日:不定休

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