こちらは秋田を代表する鮨店・たつ福さんで修業された親方のお店です。
秋田市内から離れた旧宿場町・新屋(あらや)にあり、市内から向かう場合は、バスも電車も1時間に1~2本と言う立地!
車で訪問される方が多いのかと思いますが、旅行者の方は事前調査は必須です(笑)
お店は外観も内装も家庭的で、住宅地に馴染んだ印象を受けます。
誰しもが緊張せずに寛げる雰囲気です。
しかし、味わいとしては街場寿司のそれではなく、タネのバリエーションも豊富で楽しませてくれます。
こちらのシャリは硬めでほどけ良く、酸味は穏やか。
親方は6~8手で握られ、シャリ玉を浮かせて返されたり、ぎゅーっと握られる独特のフォームです。
最初に見ると潰れないか?と心配を覚えましたが、実際に頂いてみると、ほどけが良くて一安心。
また、山葵も本山葵を使用されており、鼻に抜ける辛味と風味が特徴的でした。
今回は車でなかったので握りの前に日本酒を1合と、それに合わせて酒肴1品を頂きました。
日本酒は刈穂・純米吟醸愛山。
ふんわりとフルーティで華やかだが、キレのある苦味もあるので蟹に合う。
地物のズワイガニ
秋田のズワイガニとは初めて。
しかも、豪快に1肩(2分の1杯)!
この後、握りに移行します。
タネによってお皿をこまめに変えられる気配りが素敵でした。
ガリ
甘みがあり、食感は柔らかめ。
クラシカルな味わいのガリ。
鮃
ぷりっぷりで気持ち良い食感。
しっかり噛むと旨味がグングン広がる。
朝〆たものと思われる。
槍烏賊
とろんとろん。
切り付けがワイルドなので初手は食べにくいかと思いきや、意を決して口に運ぶと、とろける。
ボタンエビ
パツッと弾けた後にトロトロ。
甘みがかなり強く、旨い。
インド鮪大トロ
切り付けは街場的でアレだが、鮪の脂を楽しむと言う点では良い(笑)
本鮪で戦わない点は気兼ねないお店として好印象。
赤貝
旨味、香りともに中々。
北寄貝
甘みがしっかりしており、磯の香りが強い。
そして苦味が引き締めるのは北寄貝特有の味わい。
バフン海胆軍艦
過度な期待を抱かずに頂いたが、甘く、明礬の収斂味は少ない。
小鰭
しっかり〆で、塩気も強め。
あたかも九段下の寿司政さんを彷彿させるが、秋田で小鰭を供されている点が嬉しい。
炙り〆鯖
これが良い。
見た目は、如何か!?と言った個性的なフォルムだが、火入れは皮下脂肪までに留めており、身はしっとり。
旨味を活性化させており、香りも良い。
食感も絶妙で、皮がパリッと弾けた後にとろける。
蝦蛄
ふんわりと柔らかく、煮ツメが非常に独特。
みたらし団子の蜜のような粘度と甘み。
鯵
肉厚で旨い。
強めに塩を振って脱水している。
蛸
鮑
香り良く、力強い歯応え。
柚子と塩の量が丁度良く繊細で、温めて旨味を活かしている気遣いも良い。
なめこの椀
いくら
しっかり目の漬けだが口どけは良い。
穴子
トロッと煮たのを炙って提供。
トロタク手巻き
沢庵は微塵切りで。海苔の香りが良い。
鮪の酸味と甘みが活きており、美味。
以上、日本酒1合にズワイガニと15貫、巻物、椀を頂き、8,640円。
内容を考慮すると満足度が高く、「秋田の鮨」の味を知る事が出来ました。
店名:鮨あら田(すしあらた)
シャリの特徴:硬めでほどけ良く、酸味と塩気は穏やか。
予算の目安:7,000円〜10,000円
最寄駅:新屋駅から700m
TEL:018-828-1030
住所:秋田県秋田市新屋扇町5-2
営業時間:11:30~13:30、17:00~22:00
定休日:月曜
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