こちらは東京にあって大阪寿司を作り続けている、1910年創業の老舗中の老舗です。
その歴史と、「東京で大阪寿司」という希少価値ゆえ、昔から鮨の本にも紹介されてきました。
今でも東京には大阪寿司のお店が少ないですが、戦前戦後から少なかった模様です。
ちなみに、閉店したお店もあり、現在はさらに少なくなっております。
こちらのお店の面白いところは、スシ以外には外観と内装です。
ともにヨーロッパ調で、店内の壁面には洋画が所狭しと架けられております。
聞くところによると、ご主人のご趣味だとか。
クラシックの流れるヨーロピアンなお店で、大阪寿司を待ちます。
今回頼んだのは、【にしき寿司】と【むし寿司】。
セットにすると【押し寿司】も付いてくるので、セットで。
こちらの酢飯は甘めながらに、昆布で炊き上げており、旨味があります。
酢は大阪寿司としてはやや強め。
【にしき寿司】は、こちらのスペシャリテ的な位置づけなので、非常に高い完成度とオリジナリティです。
玉子、昆布〆の鯛、海老、木ノ芽の配置も美しく、ふんわり詰められた酢飯に挟んだ椎茸も 良い味わいです。
鯛の〆は浅く、大阪の〆の仕事とは少し異なるように感じます。
玉子は塩気を利かせており、玉子、酢飯の甘みと良いコントラストです。
【むし寿司】もオリジナリティがあります。
具は季節によって鯛と穴子を使い分けているそうで、今の時期は鯛とのこと。
東京だと穴子を使い始める季節ですが、鯛のほぐし身も中々美味しい。
いや、むしろ酢飯が甘めなので、鯛の方があっさりしていて美味しいのでは?と感じました。
具は鯛の他に、錦糸玉子、木耳、椎茸くらいで非常にシンプルですが、熱することで強く感じる酢の酸味と具や酢飯の甘みが合わさり、完成度の高い蒸し寿司となっております。
【押し寿司】も中々ですが、酢飯が軽めで、押し加減が弱いので、非常に上品な味わいとなっております。
ふうんわり、と言った押し寿司。
あまりにも上品な味わいなので、一般的な「大阪寿司」のイメージとは異なる、こちらならではの大阪寿司だと思います。
鯛のほぐし身で穴子のような食感を作っているのは、面白かったです。
椀
お店の情報
店名:大〆(おおじめ)
酢飯の特長:甘みがあり、ふんわりと軽やかな仕上げ。
予算の目安:3,000円〜
最寄り駅:神楽坂駅から326m
TEL: 03-3260-2568
住所: 東京都新宿区神楽坂6-8
営業時間:11:00~16:00
定休日:月曜、月1回日曜不定休
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