言わずと知れたカステラ発祥のお店、福砂屋。
1624年(寛永元年)創業であり、全国の百貨店に支店を展開する誰しもが知る名店です。
カステラがポルトガルの宣教師によってもたらされた南蛮渡来のお菓子である事は有名な事実。
しかし、元々の洋菓子【パン・デ・ロー】とは異なる製法と形状ゆえに、日本独自の和菓子と言っても差し支えないかと思います。
そして、【パン・デ・ロー】は鶏卵、小麦粉、砂糖のみで作られ、生クリームなどの乳製品を使わないために、江戸時代の日本に根付く事が出来たとされております。
しかも、ポルトガルではオーブンが使われていたところ、日本では「引き釜」と言う炭火を使った調理器具が考案されたそうです。
福砂屋では、現在も全て手作りで作られており、添加物も不使用と言うのが愛されている理由でしょう。
ここまで有名だと、正直なところ、長崎で敢えて頂く必要があるのかな…と言う気持ちもありましたが、
実際に本店を訪問して良かったなと感じました。
外観は敢え無く改装工事中でしたが、お店の中に漂う空気が素晴らしく、趣があります。
陶器、ガラス器の展示もされており、単にカステラを入手するに留まらない喜びがある(展示品は最後に掲載しております)。
この度頂いたカステラは【五三焼カステラ】。
通常のカステラよりも砂糖、ザラメ、卵を多く用い、小麦粉を少なくする事で、より濃厚な味わいに仕上げております。
これぞ福砂屋のカステラの最高傑作。
通常のカステラの2倍以上のお値段となる高級カステラですが、個人的には、こちらを食さずして福砂屋を語る事なかれ、と思わされる至高の味わいでした。
前もってお取り置きをお願いした上で訪問しました。
読者の方も、訪問される際はお気を付け下さい。
五三焼カステラ
箱が多重になっており、いかにも高級なのですが、蓋を開けて更にビックリ。
端正な出で立ちに、鋭利なカッティング。
色合いは深く、神々しい金色。
明るい場所で見ると、後光がさしているかのようなカステラです。
頂いてみると、芳醇な香りが鼻孔をくすぐり、濃厚な味わいに舌が甘やかされます。
食感はふんわり、しっとりしており、非常に軽やか。
みっちり詰まっており重量感があるカステラなのに、実際頂いてみると軽やか。
シャリッと弾けた後に溶けゆくザラメも全く以て嫌味がありません。
通常のカステラよりも糖分は多い筈なのに、軽やかで実に危険なカステラです(笑)
店内展示品
店名:福砂屋 長崎本店(ふくさや ながさきほんてん)
予算の目安:五三焼カステラ1本2,700円、通常のカステラ1本1,100円
最寄駅:思案橋駅から160m
TEL:095-821-2938
住所:長崎県長崎市船大工町3-1
営業時間:8:30~20:00
定休日:無休
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