香川県、東かがわ市には、江戸時代からの伝統的な製法を伝える、和三盆の名店があります。
お店の名前は三谷製糖。
1804年(文化元年)創業の老舗で、現在は8代目の三谷昌司氏が味を守られております。
和三盆と言うと、お茶請けの干菓子が最もイメージし易いかと思いますが、その他和菓子の材料に使われたり、江戸前鮨の”カステラ玉子”に使われたりと、当ブログに非常に深く関係する、日本独自の砂糖となります。
讃岐で和三盆が開発されるようになった背景は、江戸時代・八代将軍徳川吉宗の治世(1716年~1745年)まで遡ります。
それまで日本には、砂糖と言えば薩摩藩の黒糖しかなかったのですが、高松藩主・松平頼恭が平賀源内に命じて製糖の開発に着手します。
しかし、天才・源内を以てしても、製糖法を確立する事は出来ませんでした。
完成に至ったのは、着手してからゆうに半世紀以上が経過した1790年頃。
平賀源内の弟子の池田玄丈の弟子、向山周慶(1747〜1819)によって、遂に和三盆が発明された次第です。
苦心の末に編み出された和三盆の製糖法は下記の通り。
(三谷製糖さんのwebサイトを参照の上、記載)
1. サトウキビの搾り液からアクを取り、沈殿物を除去して煮詰める(白下糖、蜜を含む)
2. 白下糖を研ぎ、さらに木綿の袋に入れて加圧する分蜜作業を行う
3. 職人の技が求められる“研ぎ”を繰り返す
4. 寒風で丸一日かけて自然乾燥させる
上記の一工程が一週間との事なので、非常に手間と労力、技術が必要とされる製糖です。
さて、こちらの和三盆の味はと言うと、上品な甘みでありながら強い存在感を舌に残します。
艷と儚さを同居させる味わい。
しかも、干菓子はサラッとした口溶けで、儚さに拍車をかける。
店内でお茶と試食用の干菓子、茶毬の小粒を頂けるのですが、これを頂くと驚いて購入欲求が高まるのは必至。
味に自身があるからこそのサービスで、感銘を覚えました。
店名:羽根さぬき本舗 三谷製糖(はねさぬきほんぽ みたにせいとう)
予算の目安:500円〜
最寄駅:讃岐相生駅から650m
TEL:0879-33-2224
住所:香川県東かがわ市馬宿156-8
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休
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