都心にあって落ち着ける街の鮨店
コロナ前に掲げた2020年のコンセプトは「リーズナブルな鮨店の開拓」でした。
と言っても高級路線のお店のランチだけだと選択肢が限られてくるので、「美味しい街場寿司」も含めて開拓しようかなと考えていました。
高くて美味しいお店は放っておいても皆インスタにアップしてくれますもんね(笑)
しかし、新型コロナのパンデミックに伴い、皆々様と同じく外食を自粛せざるを得ず、前半は動けませんでした。
今年の後半についても動けはするものの「思うように動けない」状況が続くことでしょう。
感染の状況と世間の風潮を考慮しつつ食べ歩き、お店を応援するしか無いかと思います。
さて、今回お伺いしたこちらは、dancyu1月号「町の鮨」特集で知りました。
お店のオープンは2000年5月とのことなので、既に20年を経過する街に馴染んだお店です。
賑々しい雑居ビルの3階に上がると落ち着いた空間で、ご夫婦の接客も含めて家庭的です。
窓の外は甲州街道なので車がしきりに走っていますが、喧騒は気にならず、むしろ都心らしさを感じる良きBGMだと思います。
すし処のがみさんのメニューの概要
席に座り一息つき、メニューを眺めてみると間口が広く、様々な人のニーズに応えられる内容です。
酒肴も用意されていますが、昔ながらの鮨店らしく「料理」ではありません。
基本的に刺身となり、ものによって焼いたり炙ったりする程度。
握りを主力とされている点は、鮨好きとしては嬉しく感じます。
また、鮨種についても、オーソドックスなものの中に【〆若鮎の】が混ざっているところなどは見逃せませんよね。
全般的に旬の魚に絞っており、鮨で季節を知る喜びをダイレクトに感じられます。
現在の鮨店は【おまかせ】が一般的ですが、メニューや種札を見て食欲をそそられるのは、【おまかせ】のサプライズとは異なる魅力だなと再認識しました。
さて、こちらのシャリの特徴は、穏やかに纏めつつ標準的な街場寿司のそれとは異なります。
粘度は高くなく、温度管理がしっかりしています。
もっちりと硬めに炊かれたお米はほのかな温かみがあり、全てのタネに寄り添う味。
甘みがあり、酸味と塩気は穏やかです。
タネは基本的に仕事が施されたものが中心で、この点についても街場寿司ではなく江戸前鮨たる証左。
リーズナブルな価格で【活きから茹で上げの蝦蛄】などを頂けるのは嬉しいところです。
当世流の高級店は主役級のタネがラッシュで攻めてくる迫力がありますが、昔ながらのお店はタネによって浮き沈みがあるものの仕事で美味しく仕上げて穏やかに楽しませてくれる魅力があると感じました。
これぞ職人技!と思わされますね。
この度は【本日おすすめ握りと巻物】税込6,100円を頂き、握りをつまみながら日本酒を頂きました。
日本酒の酒器が冷やされているところなどにも素敵なおもてなしの心を感じます。
価格もリーズナブルで良心的です。
この度頂いた日本酒
自然郷・芳醇純米、水鳥記・超辛口純米
すし処のがみさんの【本日おすすめ握りと巻物】
先付
無凍結の釜揚げしらす。
ガリ
甘みが強いクラシカルなものと新生姜の辛口スッキリ味のガリの2つ。
若鮎
〆てしっとりとほどける身は、日本料理とは異なる魅力がある。
きっちり「鮨」だなあと実感。
山葵は本山葵を使用されている。
黒鮑
酒蒸し。肝も含めて香りが良い。
縞鯵
脂がしっかり乗っていて、とろりととろける。
鱚
「生」との事だが、塩で軽く脱水しているようで、むっちりした食感。
塩と酢橘でスッキリと。
蝦蛄
活きを剥き、茹で上げた蝦蛄。
香り良く、非常に甘い。
また、茹で置きとは異なり、シャクシャクした繊維質も満喫出来る。
甘みの強い爪も出してくださる点が嬉しい!
海胆
ミョウバン無添加で、甘みと自然な香りが良い。
リーズナブルなお店でミョウバン無しの海胆を出されると、親方の矜持を感じる。
小鯵 追加
今日び珍しく割としっかり〆ており、古典的で良い。
胡麻鯖 追加
こちらもバッチリ〆ている。
穴子
身はしっとり、とろりとしているが、トロトロ過ぎない。
煮ツメは穏やかな味わい。
鉄火巻
干瓢巻 追加
甘みが利いていて、食感の強い干瓢。
お茶は濃くて熱い粉茶。
こう言うお店は実に落ち着きますね。
上記の内容に生ビール1杯を加えて9,000円弱です。
すし処のがみさんのお店の情報
すし処のがみ(食べログのリンク)店名:すし処のがみ(すしどころ のがみ)シャリの特徴:甘みを利かせ酸味と塩気は非常に穏やか。硬めでもっちりした食感が特徴。予算の目安:5,000円〜最寄駅:四谷三丁目駅から140mTEL:03-3356-0170住所:東京都新宿区四谷3-11-4 池田第1ビル3F営業時間:火~土16:00~22:30、日11:30~17:30定休日:月曜、第1日曜、年始
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