なかがわさん。
この度は松茸を求めて訪問しました。
2017年は松茸(キノコ全般)が全国的な不作で、予約段階で「仕入れは運次第」との事でしたが、無事に仕入れて頂きました。
しかも、岩手県・宮古産の上物。
穴子もそうですが、中川さんは天麩羅の技術のみならず、仕入れの面でも楽しませてくれる職人さんです。
また、お目当ての松茸だけでなく、今回感銘を覚えたのが鮑。
鮨や日本料理で頂く「蒸し」とは異なる火入れを実現されており、仕事の凄さに舌を巻いた次第です。
創作色の強い天麩羅屋さんも増えておりますが、中川さんはあくまでも江戸前の枠組でオリジナリティを発揮されており、実に硬派な天麩羅職人さんだと感じます。
いつ伺っても新しい発見が有るので、足を運ぶのが本当に楽しいです。
今回頂いた天麩羅
・サイマキ(2尾)
・サイマキ頭(2尾)
・鱚
・鮑
・銀杏
・ハゼ
・墨烏賊
・松茸
・海胆の大葉挟み
・穴子
・アスパラガス
・茄子
・サツマイモ
・獅子唐(追加品)
・かき揚げ丼と赤出汁、香の物
サイマキ(2尾)
サイマキ頭(2尾)
相変わらず秀逸な仕事。
レアに仕上げつつ、甘みと香りを引き出す!
頭は香ばしく揚げ、コントラストを楽しませる。
鱚
カリ!と弾けた後、ふーんわり、きめ細かくほどけゆく。
鮑
非常に柔らかく、ぷりぷりしており、甘みがジューシィに横溢する。
とにかく食感と旨味を最大限引き出す技術。
火を入れず生から揚げている(=天麩羅の仕事だけで勝負)のに、上質な蒸し鮑に近い感動を与えてくれる、硬派且つ洗練された技。
銀杏
ねっちりと美味い。
苦味が酒に合う。
この食感は天麩羅ならでは。
ハゼ
野趣に満ちた香りを強い旨味が追い掛ける。
そして、軽い酸味がサラッと引き締める。
墨烏賊
これもまた絶妙な火入れ。
松茸
岩手県宮古産。
抜群!の香り!
松茸のクオリティは香りで明確に決まる。
香りのみならず、旨味の余韻も強い。
そして、歯切れの良さもまた特筆すべきもの。
縦に裂けるのはキノコなので言わずもがなだが、横の歯切れの良さは天麩羅ならでは。
海胆の大葉挟み
揚げると磯の香りが引き立つ。
衣のサクサク感と大葉の香りの残し方が良い。
穴子
こちらの穴子の天麩羅は最高です!
野趣溢れる香りがあり、まさか10月上旬にまだ羽田のこのサイズ!?と驚いて聞いたところ、まさしく産地は江戸前羽田沖であった。
記憶に残り、また頂きたくなる穴子。
アスパラガス、茄子
アスパラガスは香り良く、ジューシィで甘みたっぷり。
天麩羅通の知人いわく、野菜の中でも特にアスパラガスで天麩羅職人の腕が分かるとの事。
その意味では、中川さんは素晴らしい腕前。
根元の方はトロトロに仕上げ、意外性が有る食感。
茄子もトロトロで香り良く美味しい。
サツマイモ
カリィッ!衣が弾け、ホクホクしたサツマイモから、甘みと香りがぶわっと広がる。
甘みを衣の香ばしさが制御する。
単に甘いだけで終わらないサツマイモの天麩羅である。
獅子唐
追加したところ、良い口直しになった。
かき揚げ丼と赤出汁、香の物
相変わらず美味しい。
この一言が全てです(笑)
店名:なかがわ
食べるべき逸品:四季を表す江戸前の一級食材を用いた、みかわ流の天麩羅。
予算の目安:5,400円〜18,000円
最寄駅:築地駅から130m
TEL:03-3546-7335
住所:東京都中央区築地2-14-2 築地NYビル1F
営業時間:11:30~13:30、17:00~22:00
定休日:月曜
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