
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
2025年7月のオープン直後から、鮨好きの中でひっそりと着実に人気を高めている「芳尾」さん。
夏場はバタバタしていてオープン後に訪問できませんでしたが、10月に念願の訪問を果たしました。
こちらの鮨は都内最大級か!?というほどの、巨大なサイズ感。
握り中心のコース内容なので、握り原理主義者にとって嬉しいお店です!

まるで江戸時代の鮨のようなサイズ感!

久々に鮨でお腹パンパンになりました!
大大大満足です!
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「芳尾」の親方は、オープン時点で30歳の芳尾 信治さんです。
新橋の「冨所」さんでみっちり修行された経歴なので仕事は間違いと踏んで訪問したところ、期待を裏切らない精度でした。
巨大な鮨はインパクトがありますが、酢飯の量だけでなくタネも大ぶりなのでバランスが良く、仕事についても基礎を押さえつつ自己の仕事をされているので、オープン早々に大変魅力的な鮨を握られています。

鮨の仕事については、個人的にかなり琴線に触れる方向性です。
春子がバランスの良い〆加減だったり、墨烏賊は肉厚なものに包丁を少なめに入れたりと、かなり意識的に古典的な江戸前鮨を志向されつつ、あくまでも味わいは現代的に整えている点が見事です。
握りで供する秋刀魚についても、酒肴で別調理の秋刀魚を出したとは言え、良い意味で「華やかさ」を排除した仕事で、鮮烈な印象を与えてくれました。
このような仕事を出来る職人さんは素晴らしいです。
技術だけでなく発想、鮨のセンスが無くては出来ないことなので。
かたや、酒肴については塩味が強めのものが多く、お若い職人さんらしい方向性です。

生命線のシャリは酸味が強めで、塩気をスッキリ効かせてていてシャープな方向性です。
米粒にはハリがあり、ぱらっとしつつ、もっちり感もあり美味。
浸漬と炊飯が決まっていて、温度管理もバッチリです。
ただ、個人的に気になった点としては、コースの所要時間です。
3時間以上かかるのですが、個人的には鮨のコースで2時間を超えてくるとお店にとってハイリスクだと感じます。
シャリについても、コース時間の長さが仇となり、保温時間が長めのためかザラつきが気になった次第です。
要は満腹になるお客さんが現れたり、冗長に感じたりするので、ワンオペとは言え90分~120分ほどで提供できる内容に設計された方が、お客のみならず親方の為にも良い気がしました。
繰り返しになりますが、これは仕事の精度が高いからこその指摘です。
親方は営業と仕入れ、仕込みでかなり大変そうな印象を受けましたので、バランスを取って営業されるのが良いのではないかなと…。
握りに光るものがあるので、ツーオペになるまで酒肴は無くすか仕事を施した刺身や煮ものなどの簡易的かつ伝統的な鮨店らしい酒肴のみにされた方が良いように感じました。
とは言え、またお伺いしたい職人さんです!
今度はお昼に訪問させていただこうと思います。
「芳尾」さんのおまかせコースについては、ランチ10,000円、ディナー22,000円と、現在の水準を考えると破格です。
しかも、握りは15貫で構成されるので、抜群の満足度です。
おまかせでいただいたお酒
- あべゴールド(白ラベル)
- 仙禽あかとんぼ
- 土田生もと
- 江戸開城
多用な酸を意識した銘柄をそろえておられ、明確な方向性を感じるラインナップです。
モダンな味わいなので、日本酒に苦手意識がある若い人でもバッチリ美味しく思えるはず。

ヒラメは脂が乗っていて旨い。アラはより力強い方向性の脂の甘味だ。寝かせつつ程よい食感で、繊維にしっとり感がある。

肉厚でネガティブな要素は無く、しっとりした身質から脂も楽しませてくれる。

脂が乗っているものを寝かせてから漬けに。

2025年の秋刀魚の味を強烈に楽しませてくれる調理とボリューム感!

これはなかなかヘヴィなパンチのある酒肴だ。甘海老の紹興漬けには卵黄と胡麻油も使用されている。

塩気が非常に強いが、焼きのパリパリ感と身のしっとり感のコントラストは良い。

正に口直しの為のガリ。キレのある酸味と辛味だ。酸味がスッキリ。

肉厚な墨烏賊に少ない包丁!パツパツした食感で食べさせ、粋な名刺代わりの一貫目だ。

良い〆加減。しっとり感を残しつつ脱水している。

肉厚なものをむっちり感を活かして〆ていて、これは旨い!昆布に頼らず春子を活かす。

煮キリではなく出汁醤油の漬けか。鮪の酸味を引き立てる旨味と、甘味を感じる。

脂が乗っていて、香りは上品。

〆に酢を効かせて爽やかな方向性。

魅力的な火入れだ。シャクシャクした食感を立たせてて、甘く、香りも上品に活かしている。

全く時代に媚びない仕事。純粋に〆と向き合い、脂を活かす。硬派ながら甘味と余韻は間違いなく秋刀魚。非常に意識的な仕事をされていて、親方の芯を感じた。

〆てねっちりした食感で、脂を広げて香りを活かす。塩気はしっかり目の〆加減。

小柱が大好きな自分としては嬉しい大盛り!クオリティも高く、大満足である。

「小型」とのことであるが、甘味がありつつ脂が軽やかなので個人的には面白い仕入れだと感じた。

塩いくらで、常温に戻して使用されていて抜かり無い。香りを楽しませつつ旨い!

しっとりと半生に仕上げていて、魅力的な茹で上げの仕事だ。

海胆の油脂を感じさせる濃密な甘味の海胆。

トロトロで最後にどっしりした存在感を印象付ける穴子の仕事。

甘味が強めの黒糖を用いた玉子焼き。
「芳尾」さんについては、お電話での予約となります。
なにぶんワンオペなので、営業時間外にお電話しましょう!
店名:芳尾(よしお)
シャリの特徴:酸味が強めで、塩気をスッキリ効かせてていてシャープな方向性。浸漬と炊飯が決まっていて、温度管理もバッチリ。
予算の目安:ランチ10,000円、ディナー22,000円
最寄駅:新富町駅から140m
TEL:03-6278-8077
住所:東京都中央区築地2-8-2
営業時間:12:00~、17:00~
定休日:不定休
修行先の「冨所」さん
芳尾親方が仕上げをされた「鮨処やまと」さん
江戸前鮨をこよなく愛する、すしログ(
@sushilog01)でした。
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