、いしおかさん。
いずれミシュラン星を取るだろう…と予想していたところ、その後本当に取られて驚きました。
ミシュラン調査員は地元の食通ネットワークに精通している方が多いようですが、拙ブログも見て頂いているのでしょうか(笑)
無名の頃にご紹介して、その後ミシュランを獲得するケースが他にも複数件あります。
何れにせよ、訪問時点での情報は乏しく、否定的な情報もあったので、心から嬉しく思います。
そして、訪問して改めて石岡さんの独自性と完成度の高さを痛感しました。
日本料理を洒脱にアレンジしつつ、あくまでも日本料理の枠組みで捉えておられるセンスが凄い。
そして、広島の食材や調味料にこだわり、広島でしか頂けない料理に仕上げておられる点も魅力。
あえて広島まで行って訪問したいお店です。
お一人でこなされるコントロールも素晴らしいです。
タップできる目次
悠然いしおかさんの御料理の詳細
頂いた日本酒
賀茂金秀・特別純米13、文佳人・辛口純米、日置桜・青冴え生もと純米
先付
地蛸、夕顔、レッドオキザリス。
ジュレには土佐酢に生姜を利かせている。
酸味がスッキリ爽快。
蛸の旨味は大変強い!
夏の瀬戸内で頂く喜び。
柔らかく炊いて、周りの皮は吸盤以外を取り除き、身の旨味と香りをダイレクトに感じさせる。
椀
椀種は大野産浅蜊の真薯。
椀種のインゲンは甘く、椎茸は濃い風味。
そして、吸い地が素晴らしい。
昆布を利かせつつ浅蜊の風味と甘みを殺さぬ塩梅で、塩気はドンピシャ。
浅蜊のコハク酸、椎茸のグアニル酸、昆布のグルタミン酸と、正に旨味の複合体。
無駄なものが無い椀だとしみじみ思う。
お造り
モンゴウイカ。
ゴワッとした食感の後、トロトロと優しくとろける。
甘みが印象深く、強くとも爽やかな甘みである。
山葵のクオリティが高く、香りが良く、
辛味は強いが甘みもあるので伺ったところ、吉和産であった!
イサキ
藁火で燻した後、皮目をバーナーで炙る。
梶谷農園のハーブサラダは富士酢で合えている。
調味料は燻製塩。
イサキは脂が大変強く、それを活かす仕事に魅了される。
燻香とパリッとした食感がアクセントになる。
これもまた地物。
独創性を上品に表現したお造りであり、「日本料理店のお造り」として頂く魅力に満ちている。
茶碗蒸し、トウモロコシのすりながし
甘い!香り良い!超滑らか!
トウモロコシが実に甘く身体に馴染むなぁと思っていると、奥から卵の甘みもこみ上げてくる。
ぐじの焼きもの
山口産のぐじは脂が乗っており、肉厚で食べ応え十分!
鱗はパリパリに仕上げられている。
そして、周りを固めるミョウガ、赤タマネギの甘酢漬け、花ニラの味噌炒めも美味。
振り掛けられている黄色い粉は唐墨で、優しい風味付け的な役割。
広島和牛の焼きもの
牛肉の下には賀茂茄子、柚子胡椒を混ぜた大根おろし。
牛肉は脂が乗りつつ酸味も楽しめる。
柚子胡椒の塩梅が良く、風味を楽しみながら程よくピリリ。
ツユに鰹の酸味を感じさせ、バランスが良い。
日本料理で出される牛肉としては素晴らしいバランス感覚。
じゅんさい、完熟トマト水
じゅんさいは黒瀬産!
やっぱり秀逸。
ヌルが大きく、輪郭はしっかりしており、瑞々しく澄んだ味わい。
しかも、シャキシャキで食感が良い。
そして、ただ上質な食材を用いるのではなく、施す仕事も魅力的。
トマト水はトマト特有の青臭さを立てず、トマトの風味を活用し、じゅんさいの繊細な味わいの輪郭をハッキリとさせる。
お食事
太田川産の鮎ご飯。
鮎は釣りもの。
香りを満喫させてくれる鮎ご飯で、香りに加えて苦味も気持ち良い。
お米の炊き加減は素晴らしい。
頭、中骨、尾は骨せんべい状に炙られており、これでご飯をもう一杯いける。
留め椀の味噌汁はお揚げと布海苔入りで、美味しい。
水菓子
ビワのブランマンジェ。
ミルキーで甘過ぎず、美味しい。
炊いた種も供されるが、これがホロッ!とした食感で意外性抜群。
今度は秋か冬に伺いたいと思いました。
悠然いしおかさんのお店情報
悠然いしおか(食べログのリンク)店名:悠然いしおか(ゆうぜん いしおか)食べるべき逸品:広島産の食材を組み合わせた縦横無尽な石岡料理。予算の目安:コースは7,000円と9,000円の2本立て。
最寄駅:段原一丁目駅から650m
TEL:082-569-5753
住所:広島県広島市南区段原3-15-19 皆川ビル1F
営業時間:17:30~22:00
定休日:不定休
本記事のリンクには広告がふくまれています。