
こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
天草にあって全国から人を惹きつける鮨店「鮓たいと」。
この度、ランチで訪問しました。
1人客の場合、予約は5日前とのルールなので席があるか不安でしたが、幸運にもゲット。
提供テンポも40分ほどと早く、良い鮨ランチになりました。

聞くところによると天草の漁師さんと二人三脚して、地魚の価値を高めた職人さんとのこと。
天草という遠隔地において、サステイナブルな漁業と料理を成立させている点が素晴らしいです!

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「鮓たいと」さんの創業は2007年で、親方の永野さんは天草に存在した「桂寿し」で12年間修業されたそうです。
30歳の若さで独立し、ご当地の魚を用いた江戸前鮨のスタイルにシフトしてこられた模様です(修行先は街場寿司なので)。

お店の特徴としては、「地魚の魅力と甘味を表現する豪快な鮨」であると感じました。
煮キリは2種類用意されていて、片方は非常に濃厚な味わいです。
九州の甘醤油もしくはたまり醤油をベースに自家調整されているように感じました。
塗る量も多めなので、意識的に濃いめの味付けを志向されているようです。

そして、生命線のシャリはかなり硬めの炊き加減で、アルデンテに仕上げています。
東京では芯を残さないスタイルにブームが移行しているので、懐かしく感じる浸漬と炊飯です。
そして、シャリにも甘味を付けつつ、野暮ッたくならない範疇です。
ただ、塩気も酸味もかなりマイルドなので、上記の濃い煮キリと合わさった時に甘味が増大する味覚設計です。
これは東京のトレンドに合致しており、故に東京から訪問するグルメな方が多いのだと感じました。
東京で流行っているいわゆる「東京和食」は甘味、塩味、旨味、油脂を強める日本料理なので、「鮓たいと」さんの仕事はドンピシャです。
そして、冒頭に書いた通り、天草の漁師さん(同級生だそう)と二人三脚して、地魚の価値を高めておられるのが素晴らしいです。
良い魚を確かな価格で買い取り、グルメな人に提供できるお店がなければ、これからの漁業は続かないと思います。
また、確かな魚の手当や輸送を意欲的に行う漁師さんがいれば、他の料理人さんにも恩恵があり、他にも志の高い漁師さんが現れる可能性があります。
ただ一店で終わらず、連続性やポテンシャルがあるところが崇高だと感じた次第です。
「鮓たいと」さんは、ランチ9,000円、夜は20,000円のようです。
ランチで1貫追加して、プラス1,500円でした。

甘味を強めに付けつつ辛味も広がる。フルーティーかつ辛い方向性のガリ。

かなり細かく包丁を入れて、パラッとほどける仕事が面白い。パラッとほどけた後に、とろけるので、リズムがある。

寝かせているため、むっちり、とろりと滑らかなテクスチャー。そして、身に脂を回しているので、柑橘が多めでもバランスが取れている。余韻として香りがふんわりと広がる。

焼いて酢橘を使用。味わいも香りも強い、肉厚な太刀魚だ。食欲を刺激する。

海苔が湿らないよう極力手を触れないよう海苔を扱っておられるのが印象深かった。そして、一人ずつ提供されるところも抜かり無い。味の濃い海苔で、香りも強い。故に海胆と濃厚な煮キリと合わさることで、あたかも海苔の佃煮のような味わいとなる。海胆自体も紫なのに味が濃い。

壱岐、湯霜漬け。薄切りにして2枚づけ。脂が乗っていて、酸味も広がる。海胆と同じく濃厚な味の煮キリで提供されるので肉のような存在感に仕上げている。

〆て3日目ほどで、酢橘を使用。酸味を含ませてしっとりした食感。意外にも小鰭も濃い口の煮キリであった。

潮汁ベースの旨味ある赤出汁。味噌をキリッと効かせている。味噌の甘味とコク、酸味があり、山椒で最後にピリッと引き締める。

みっちりした食感の強さが嬉しくなる。脂も広がり、力強い。当たり葱を使用し、濃い口でパンチある味付けだ。

繊維質はホロッホロで、ひたすらしっとりしている。蛸の味や香りよりも繊維状のまま消えてゆく方向性の煮鮹だ。

炙りも含めて力強い調理。香ばしさと煮キリのパンチが強い。

サクッと炙りつつ皮はむっちり、とろり。香ばしさと香りが広がり、これは非常に美味しい穴子だ。野趣も楽しめる。

ふんわりしつつ、みっちりと食感のあるシフォンケーキ的な方向性で個性的。

酢〆。海老の甘味を活かすために酢〆というクラシックな仕事を選択されているのが魅力的で、肉厚で美味しい海老だ。
「鮓たいと」さんについては、お電話での予約となります。
冒頭のとおり1人客の場合、予約は5日前とのルールとなります。
店名:鮓 たいと(すし たいと)
シャリの特徴:
予算の目安:お昼9,000円〜、夜円〜
最寄駅:なし
TEL:0969-22-2505
住所:熊本県天草市浄南町2-2
営業時間:12:00〜14:00、17:30〜22:00
定休日:不定休
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地魚が大好きな、すしログ(@sushilog01)でした。
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