こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
水天宮「鮨がみ」さんは会員制の鮨店ですが、会員の方にお誘い頂き訪問しました。
タネのクオリティは非常に高く、ご主人の確かな目利きと仲卸との篤い信頼関係を感じます。
仕事についてもバッチリで、驚くべきことにネガティブな臭いが皆無なのが凄いです。
熟成の仕事も使われていますが、極めてキレイな仕上がりです。
スマガツオを血合い付きで提供され、しかも抜群に美味しいところに矜持を感じました。
「臭いが皆無なんて当たり前では?」と思う人は多いようですが、知名度や人気度にかかわらず僅かな臭いがあるお店は存在します。
全てにおいてネガティブな臭いを抑えているお店は貴重です、実は。
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「鮨がみ」の親方、坂上 剛さんはコンラッド東京の「風花」、グランドハイアット東京の「六緑」の鮨部門で料理長・副料理長を務めた後、築地の「河岸頭」の料理長をされた方です。
マクアケのクラウドファンディングで12,917,800円となる大成功のスタートを切られ、2021年7月にオープンされました。
ちょっとコミカルな響きの店名は坂上親方の河岸でのあだ名だそうです。
豊洲の仲卸から「ガミさん」と呼ばれている事にちなむとのこと。
「鮨がみ」さんの魅力については、冒頭で書いた目利きと仕入れ、仲卸との篤い信頼関係です。
酒肴の幾つかを頂き、味としてそれを実感しました
また、熟成も多用されていますが、技術が非常にハイレヴェルです。
ネガティブな要素を出す事も無く、魚の個性を消してしまう熟成に陥ってもおらず、魚の魅力を向上されるのに奏功しています。
熟成や血抜きを売りにするお店では、上記のような事態を体感する事もあるので、地に足がついている熟成だと感じました。
生命線のシャリは酸味も塩気も穏やかなシャリで、全てのタネに寄り添う方向性です。
これについては、親方のキャリアが活きている万能タイプのシャリだと実感しました。
そして、コースのうち握りが17貫という構成も素晴らしいです。
鮨店では魚を握りで食べたいものですね。
「鮨がみ」さんのおまかせコースは33,000円+サービス料で、時期によって変動する模様です。
この度頂いたお酒
- 而今 愛山火入れ2023 2,200円
- 北雪YK35 3,300円
- 田酒 特別純米酒 1,980円
- 富士ミネラルウォーター 660円×2
お酒については、【而今 純米吟醸 愛山】や【北雪 大吟醸YK35】などのプレミアム銘柄が多く、香気成分的にはカプロン酸エチル高生産性清酒酵母を用いたものが主力のようです。
凝縮感が強い白子で、非常に甘い。そして、驚くべき事にネガティブな要素が皆無であった。白子は頻繁に用いられる食材だが、有名店でもネガティブな香りをかすかに感じることがある。白子を使うならば臭いが皆無でなければ意味が無い事を実感させて頂いた。
濃密なゼラチン質!口腔の温度で溶けて、旨味が横溢する。これも臭みゼロで、味わいが広がると同時に、純粋にクエの香りが高まる。
脂ノリノリなスマガツオで、血合いも提供するとは凄い。血の香りを楽しませつつ、全く嫌味がない。ピュアに血合いの美味しさを伝えてくれる。程良く寝かせているためかねっちりした食感が魅力。これは感動的な美味しさであった。
とろ~りと柔らかく、噛んだ瞬間に吸い付いて反発するテクスチャーが魅力だ。味わい、香りの両方で印象に強く残る尾の身。鯨に苦手意識を持つお客さんも喜んで食べられるとの談だが、全く納得する。
甘味を満喫できる鉄板の毛蟹。
【ノドグロの唐墨】はきめ細かい粒で面白い。【スルメイカの肝のルイベ】は濃密なコクで、イカの肝特有のキュッとなる収斂味やベタ付きが無い。ともに魅力的な酒肴だ。
ノドグロを唐揚げにするとは贅沢な。玉ねぎのポン酢漬けと共に。
バツバツした強い食感から軽くとろりととろける墨烏賊。
これも食感がしっかりしていて、旨味もまた非常に強い!食感の割に3週間熟成されているとの事で、魚の引き立て方が巧みだと実感する。
ヒメジ科の名前が有名な珍魚、オジサン。キロアップだそう。噛みしめると旨味が込み上げてきて、脂も高まる。山葵が魚の香りを活かす使い方で印象的。ここで山葵について伺ったところ、理想の山葵を探すために数10軒の山葵農家のものを試したがイメージが異なり、結果的に北海道に自生している天然モノの山葵にたどり着いたとの事。山山葵の地に自生している山葵とは驚いた。
イサキ特有の磯っぽいネガティブな香りが皆無で、それでいて1週間寝かせているそうだ。旨味と脂が強いイサキ。イサキを皮付きで出される点に確かな自信を見る。
食感がタフで甘味が強いミル貝。そして、ミル貝が持つ良い意味での磯の香りがふわりと広がる。
みっちり〆て香りが良く、酸味は穏やかな小鰭。なんと〆てから2週間寝かせているそうだが、信じられないほどの味わいだ。
余市産。脂が強烈な鰤!噛みしめた瞬間に脂がじゅわっ!と滲む。それでいて食感が強いのが魅力だ。これは面白い熟成の仕事で、聞けば2週間との事。鰤らしい香りも広がり、良い熟成だ。
焼き漬け。香りとねっちりしたペースト的なテクスチャーが面白い。縞鯵の酸味が活きる。
〆鯖に酸味を効かせた昆布を合わせ、関西鮓風のニュアンスに。脂の乗った鯖で、しっかり〆ている。
むっちり、ぱつりと食感が良く、表面に脂が滲みながら上品な甘味の範疇だ。
ぷちぷちと弾けつつ、むっちりと半生の食感に火入れを行っている。煮ツメと海苔は良い組み合わせ。
トゲシャコ。しっとりしていてホロホロときめ細かい。甘味と香りが広がり、実に美味い。
酒肴の揚げものとは異なり、脂をストレートに伝える。
凄いサイズと甘味のボタン海老に驚く!
青森県、大畑。
これは面白い味わい。脂がきめ細かく、しっかりと入っているものの、熟成によって複雑な旨味や香りに変化させている。終盤であることと断面を見た結果から、脂がストレートに伝わる大味なトロかと思ったが、予想が外れる面白い味わいであった。
甘味がたっぷりのバフン海胆。
対馬らしい脂を活かす穴子。
ボタン海老入りの豪快な味噌汁。
きめ細かく均一にしっとりしているカステラ玉子。
「鮨がみ」さんは人形町〜水天宮前らしい、落ち着いた場所にあります。
会員制でありながら大々的に「会員制」と書いていないのが上品で良いと感じました。
今回は幹事さんのはからいで貸し切りだったため、身内だけのアットホームな雰囲気でした。
親方はきめ細かく、楽しく説明してくださる方なので、貸し切りでなくても楽しい時間が過ごせるかと思います。
「鮨がみ」さんは繰り返しになりますが、会員制のお店になります。
ついては、グルメな方を探して連れて行ってもらうのが良いでしょう。
店名:鮨がみ(すしがみ)
シャリの特徴:酸味も塩気も穏やかで、全てのタネに寄り添う方向性のシャリ。
予算の目安:おまかせコース33,000円〜 ※季節・食材によって上下
TEL:なし
住所:東京都中央区日本橋蛎殻町2-10-11 ラ・パレス 1F
最寄駅:水天宮前駅から250m
営業時間:月~木・土19:00一斉スタート、金20:30一斉スタート
定休日:不定休
人形町で好きな街の名店
これぞ気軽に頂く鮨の喜び!人形町・水天宮前の鮨處六兵衛(ろくべい)至高のどら焼き
東京で一番美味しいどら焼き!人形町の名店「清寿軒」
魚の香りの勉強は一生ものだと再認識する、すしログ(@sushilog01)でした。
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