札幌で突如として鮨を頂きたくなりました(笑)
本当はスープカレーの予定だったのですが、唐突に…
しかし、札幌の鮨店の多くは予約困難店化しているので、急に取るのは難しい。
そもそも当初は宮川さんにお伺いしようとして2ヶ月前に電話したところ、既に満席。
ならば、しののめさんを再訪しようとしたところ、親方が東京遠征。
そんなこんなでスープカレーにしようとしていたのですが、札幌が放つ鮨の誘惑には勝てませんでした(笑)
そこで、ブックマークしていたこちらに、夕方にお電話…
ラッキーにも席があり、鮨欲を満たすことが出来ました。
鮨を食べたいその日に取れるお店って、本当にありがたい。
鮨わたなべ札幌店の概観
こちらはそもそも、本店が中標津にあるそうです。
中標津とは、道東の中々マニアックな場所ですが、親方は自身の握りを試したくて、札幌に支店を出され、自ら漬け場に立っておられるのでしょう。
夜のおまかせは1万円と1.3万円のものがあり、そこに税サ(サ5%)が掛かってきます。
上の方が握りが6貫多く、酒肴も付くコースです。
僕は酒肴よりも握りの数で1.3万円を選びましたが、結果的には酒肴付きで大正解でした!
と言うのも、握りのタネにも北海道ならではのタネが使われますが、酒肴はほぼ全て道産食材。
鮨店離れした創作的なもの(=もはや和食)もありますが、道外から訪問した人間の満足度はグンと引き上げてくれます。
そして、肝心の握りも完成度が高い。
特にシャリ。
赤酢を用い、酸味はやや強めながらに塩気は穏やか。
硬くはないものの粒がしっかりと立ち、ほどけ加減が良く、温度も良好です。
時折、掌ポンはありましたが、手数は少なく、捨てシャリはされておりません。
コースは握り→酒肴→握りの順で進むため、お酒好きには堪りません(笑)
僕は鮨店では基本的には抑えておりますが、こちらのような流れでは仕方ないでしょう。
お酒の価格は良心的。
お会計時にサービス料が少し利いてきますが、お酒好きであれば満足度は高いかと思います。
ちなみに、こちらはガリがありませんでした。
理由を伺うのを失念してしまいましたが、全体的に味わいが強いコースなので、ガリがあっても良いように感じました。
鮨わたなべ札幌店のおまかせの詳細
この度頂いた日本酒
北の錦冬花火・純米大吟醸、福司・純米吟醸さくら、雪なごり純米
ウェルカムミルク
中標津には『牛乳でかんぱ~い!!』運動があるそう(笑)
頂く前は鮨店の初手で牛乳!?と思ったが、美味しく、風味は強くないので、魚を頂く前でも邪魔にならなかった。
(その辺りは考慮されており、量も多くはないです)
先付
豆乳、湯葉、海胆、イクラ、キャヴィアで構成。
濃厚な大豆の風味が魅力で、湯葉の食感や出汁の塩梅が良い。
キャヴィアなどを用いているが、硬派に組み立てられている。
ここで、いきなり握りに入ります!
秋刀魚
根室産。
強い脂をしっかりと〆て凝縮しており、一体感が高い仕事!
針魚
函館産。
これはしっかりと脱水されており、バツッとした食感。
マツカワ
昆布〆で、しっかり目だが、マツカワの甘みが広がる。
昆布の香りはふんわりと漂う。
鮪中トロ
宮城産。
脂が乗っており、酸味も残っており、旨い。
鯖
徳島産。
身が割としっとりな〆加減(=少々なまくら)で、これは少々好みから外れた。
ホッケとキノコの蒸し椀
これは見た目からして魅力的だが、香りが堪らない!
ホッケは礼文産で、使用しているキノコはボリボリ、舞茸、椎茸、松茸。
ボリボリとはナラタケの北海道における呼称との事。
これは良い!
キノコの旨味と風味がたっぷりで、そこにホッケの野趣を感じさせる。
ホッケは塩を当てて一夜干しか?この調理法に馴染む食感と凝縮感であった。
蝦夷鮑、鮑酒
鮑は実に柔らか!それでいて風味もあり!
鮑の火入れは2時間煮ているそう。
出汁が出た鮑酒も格別…鮑だけでなく日本酒の風味と甘みもあるのが良い。
肝ソースは今や定番のシャリ玉を投入して頂くのだが、更にその後、一口程度残した状態で追いスープを行い、綺麗に頂くのがこちらのスタイル。
印象的な鮑料理に昇華させており、看板メニューである理由に納得。
秋刀魚酢漬け
南蛮漬け風。秋刀魚はトゥルン!と気持ち良い食感で、出汁を利かせ巧く味覚のバランスを取っている。
お造り:柳蛸(白糠)、鰤(羅臼)、平政(函館)
柳蛸は旨味がかなり強く、脂を持っている点にびっくり。
平政も旨味しっかりで、端正な酸味が抜けていく。
鰤は意外な産地で大変な美味しさ。
強い脂と旨味なので伺ったところ、1週間熟成されているそう。
旨味を引き出し、爽やかな後味で締める点に、巧い熟成だと感じさせられた。
秋刀魚の一杯醤油焼き
香ばしい!
秋刀魚の味が強い分、大根おろしにカボス果汁が混ぜられており爽やか。
酒肴6品
黒豆、ホヤの塩辛、ミョウガと大根の甘酢漬け、秋刀魚のいずし、鯛の酒盗、イカゴロ。
全て完成度が高いが、特にイカゴロの鮮烈な旨味と雑味の無さが印象的。
黒豆も風味豊か。
北海道の郷土寿司、いずしを提供されており、しかも秋刀魚とは嬉しい限り!
出汁巻き玉子
じゅわっと出汁巻き。
口直し的な印象。
ただ、塩気が利いているので、甘みによる失速感は無い。
浅漬け
生姜と唐辛子を利かせている。
海胆軍艦
昆布森産。
ねっちりと濃厚。
ミョウバンの収斂味はあるものの、甘い。
花咲ガニ
非常にみっちりした繊維質がズワイガニや毛蟹の握りとは異なる。
内子の醤油漬けを添えている点も魅力。
鮪赤身漬け
しっかりした漬け加減で、醤油の塩味が勝っていた。
スルメイカ
ごわっと食感の後、噛み締めるととろりととろける。
細やかな包丁に加えて、炙ってほのかに香ばしさを付加している点が良い。
塩いくら
ねっちりと舌に絡む旨味。
塩気はやや強いものの、まあ、塩いくらだからな…
椀
複雑な旨味があり、複数の魚介のアラを用いている模様。
穴子
噴火湾産!肉厚!
しっとり、ふんわりした食感に仕上げており、下味はかなり上品。
強い脂と上品な香りに妙がある穴子。
アイスクリーム
牛乳感しっかりで、甘み控え目なアイスクリーム。
冒頭のウェルカムミルクと同じ、なかしべつ牛乳を使用。
また季節を変えてお伺いしたいと思います。
ちなみに、お店は姫沙羅さんが入っていた場所をリフォームされているのですが、あまりの変化に驚きました(笑)
鮨わたなべ札幌店のお店情報と予約方法
WEB予約は食べログより可能です。
店名:鮨わたなべ 札幌店
シャリの特徴:赤酢を用い、酸味はやや強め、塩気は穏やか。ほどけ加減、温度共に良好です。
予算の目安:ランチのおきまり5,000円、夜おまかせ13,000円、おまかせミニ10,000円
最寄駅:すすきの駅から350m
TEL:090-8636-1369 ※番号通知の上で電話
住所:北海道札幌市中央区南6条西4-1 プラザ6・4ビル4F
営業時間:昼11:30~13:30、夜17:30~22:30
定休日:不定休
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