すしログ No. 252 八竹@四谷三丁目

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こちらは1924年(大正13年)創業の大阪鮓の専門店となります。

大阪鮓でありながら東京にあり、その味わいは本場の老舗を凌ぐほど。

先日大阪の老舗である吉野鯗さんを再訪しましたが、訪問時点での味の比較だと、こちら八竹さんに軍配が上がります。

これには、自分もビックリしました。

伝統を受け継ぐ大阪鮓が大阪ではなく東京で頂けるなんて!

 

大阪から東京に来てわざわざ大阪鮓を食べる人は少ないかもしれませんが、それでも敢えて訪問する価値のある名店だと確信しました。

大阪鮓は大阪でも東京でも閉店や休業が続き、少なくなっている状況です。

江戸前鮨(握り)が「鮨」の代名詞的に普及している事が理由ですが、別物として面白さがあるのは間違いありません。

それでいて、江戸前鮨に繋がる仕事が残っているので、鮨好きであれば楽しめるのではないかと思います。

そう言った意味で、こちらは魅力を伝える「隠れた名店」なのではないでしょうか。

特に【箱寿司】と名物の【茶巾ずし】は一食の価値がある逸品です。

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箱寿司

こちらの酢飯はほんのり甘いが、控えめで上品。

関西寿司は東京の方にとって甘みが気になると言われるが、こちらの塩梅であれば多くの方に響くであろうと感じる。

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しっかり〆ているが、塩気は控え目。

上記の酢飯の味わいと合わせて、上品と言う印象を強める。

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小鯛(皮目)

小鯛としては珍しく海苔を挟んでいる。

強めの酢の爽やかさと磯の香りの対比が魅力。

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玉子とケラ

しゅわっと舌に馴染む食感と香りが良い玉子。

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穴子

かなり香ばしい穴子の仕事。

身はしっとりホロホロで、柔らかく煮ている。

タレは甘みに対して醤油を強めに利かせており、東京らしい味わいのように感じる(江戸前の煮ツメには該当しないが)。

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茶巾ずし

これが素晴らしい完成度。

超しっとりした食感の玉子の生地からオボロの甘みが広がり、すぐに穴子の野趣が追いかけてくる。

味わいのハーモニーにうっとりする。

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そして、食感も軽妙。

甘酢漬けの蓮根がシャクッ!と弾け、甘く炊いた椎茸と干瓢、キクラゲが様々な食感を穏やかに演出。

卵の風味が活きており、非凡な完成度の茶巾ずしである。

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バッテラ(鯖寿司)

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非常にしっかりと〆ており、鯖は脂が強い。

白板昆布は食感が比較的ある。

〆の仕事が強いので、酢飯の甘みが引き立つ。

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実山椒の醤油漬けが付いてくるのが嬉しい。

噛み締める楽しみのあるバッテラだと感じた。

お電話で予約し、受け取りに上がった際、

厨房にはお弟子さんと見える方が何人かおられた。

正統派の大阪鮓を継承する方々の姿に、心から安堵した。

また来よう。

築地の八竹さん神楽坂の大〆さんが閉店した今、大変貴重なお店だと思います。

 

店名:八竹(はちく)

予算の目安:茶巾ずし(1ヶ)490円、箱ずし1人前(9切)1,450円、バッテラ1人前1,520円など

TEL:03-3351-8989

住所:東京都新宿区四谷3-11 八竹ビル1F

最寄駅:四谷三丁目駅から150m

営業時間:9:00~18:00

定休日:水曜

 

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