こちらは1950年(昭和25年)に創業された京寿司(関西寿司)のお店です。
河原町通りは河原町駅のそばにあり、店内に流れる空気はゆるやか。
看板メニューは【ちらし寿し】で、それ以外に押し寿司、巻物、握り鮨まで幅広く提供されております。
しかも、宅配までされている模様!
街に根付いた京寿司店である事がわかります。
今回は京都の冬の風物詩である【蒸し寿司】を求めて訪問しました。
【蒸し寿司】はお店によって提供時期が異なりますが、こちらは12月~2月末日までと正に寒い冬のみ提供されております。
【蒸し寿司】は幾つかのお店で頂いた事があり、有名なところだと、乙羽さん、末廣さんなど。
両店ともに【蒸し寿司】の味に定評あるお店ですが、今回のひさご寿司さんは個人的に一番気に入った次第です。
酢飯と錦糸玉子、穴子の一体感が高く、流石【ちらし寿し】に定評あるお店だと実感しました。
ひさご寿しさんの【鯖寿し】と【小鯛雀寿し】
松本酒造・日出盛辛口金印620円
鯖寿し2個700円、小鯛雀寿し2個530円、蒸し寿し1,850円、小吸い物100円
こちらは押し寿司や棒寿司を1個から頼めるのが嬉しい。
また、お酒に酒肴が付いてくる点も嬉しく、小吸い物が100円とは思わないクオリティであり、良心的なお店だと感じました。
ちなみに、コースも提供されております。
日出盛辛口金印
酒肴
鯛のアラ炊きはサービスとは思えない満足度。
生姜を利かせ、甘辛く炊かれており美味しい。
ガリ
甘みが強く、しゃくしゃくした食感。
鯖寿し、小鯛雀寿し
小鯛雀寿しは昆布の香りと旨味がしっかり浸透している。
酢飯は関西寿司としては硬めで、みっちり詰まっていながらベチャッとしていない。
酸味が程良く利いており、甘みは控えめ。
鯖寿しの鯖は、脂のノリはそこまででないが、〆の仕事で魅力を高めている。
塩〆が利いており、鯖のクオリティを補っている。
ただ、これらについては「街の寿司店」と言う印象。
実直であり美味しいものの、スペシャリテでは無いなと。
最後に頂いた【蒸し寿し】によって、こちらの印象は決定付けられました。
ひさご寿しさんの【蒸し寿司】
蒸し寿し
頂いてみると、まず、穴子の香りがぶわっと広がる。
そして、サヤインゲンの香りが混じり、蒸し寿司ならではな香りの楽しみを味わわせる。
そして、錦糸玉子の甘みにオボロの甘みが加わり、温める事で強く立った酢の酸味が引き締める。
細かく切られた椎茸が馴染み、時折アクセントに。
百合根の甘み、銀杏の香りなど、魅力的な具が脇を固める。
穴子がたっぷりで野趣を楽しませつつ、矢張り蒸し寿司らしく錦糸玉子がまろやかに包み込む。
薄切り故にふんわり且つしっとりした食感で、主張せずに全体を引き立てる。
また、100円と言う価格故に侮っていた【小吸い物】も味わい深い。
すっきりでまろみのある吸い地は上品。
椀種椀妻はほうれん草、湯葉、白身魚、柚子皮。
街に馴染んだ味わいの京寿司でありながら、随所に個性を感じさせる蒸し寿司であり、有名な高級店よりも京寿司らしいな…と感じました。
蒸し寿司は関東には無い京の食文化だと再認識した次第です。
ひさご寿しさんのお店の情報
ひさご寿し(食べログのリンク)店名:ひさご寿し(ひさごずし)予算の目安:2,000円前後
最寄駅:河原町駅から120m
TEL:075-221-5409
住所:京都府京都市中京区河原町通四条上ル塩屋町144
営業時間:9:30~21:00
定休日:無休
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