こちらは仙台の街中にあって静謐な風情を感じさせてくれる和菓子屋さんです。
門構えは重厚感がありますが、店先は昔ながらの和菓子屋さん。
誰でもふらっと寄って頂けますが、どことなく背筋がピンとなるような雰囲気もあります。
それは店構えに加えて、賣茶翁(ばいさおう)と言う変わった店名の影響かもしれません。
「賣茶翁」とは江戸時代中期に活躍した黄檗宗の僧の名で、煎茶の中興の祖との事です。
初代の渡邊僊爺さんが賣茶翁に感銘を受けたため店名にしたそう。
しかも、初代は座禅を組み、無料で煎茶を振る舞うなど、「賣茶翁」の行動も実践する和菓子職人であったようです。
マニアックですな(笑)
創業は1879年(明治12年)と言われ、仙台空襲を受けて現在の場所に移転したのが1947年(昭和22年)との事です。
電話番号が非公開であるため、予約をするにしても直接訪問する他ないと言う、古風なスタイルを貫く老舗です。
それ故に県外から訪問する自分としては売り切れを危惧しましたが、お昼過ぎでも品切れは1点のみで、無事に頂く事が出来て安堵しました。
お店の入口には待合席があり、ソーシャルディスタンスを確保できる距離感です。
誰にも対して丁寧に梱包されるお店なので、ゆったりと待ちます。
ただ、何故か高齢者の男性がズカズカとお店に入ってきてソーシャルディスタンスを崩し、横柄に注文されたのは残念でした。
店名の由来に思いを馳せて自重される事を切に願います。
こちらの和菓子の特徴としては、漉し餡と粒餡の使い方が巧みだと感じます。
食感的コントラストを使うのが巧い。
そして、甘みは行き過ぎておらず、野暮ッたさがなく洗練された味わいです。
それはどら焼きについても同様で、食感、香り、甘みなど全てが上品です。
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賣茶翁さんの上生菓子・どら焼きの詳細
この度頂いたもの
- 苔清水400円
- 浮草420円
- どら焼き250円
苔清水
瑞々しさを感じるスッキリ味の餡。
そして、中には存在感のある粒餡。
食感の対比が印象的な金団。
浮草
ぷるぷる錦玉に存在感ある食感の羊羹。
羊羹の出来は出色で、初手はみっちりしつつ、さらりと溶ける。
どら焼き
生地はふんわりした食感と卵の香りが印象的。
香ばしさは軽め。
餡はさらっとした粒餡で、甘みがありつつ漉し部分と粒部分のバランスが良いので、嫌味がない。
上品に粒を感じて、さらっと溶けるイメージ。
仙台に行くことがあれば、再度立ち寄り異なる季節の和菓子を頂きたいと感じます。
賣茶翁さんのお店の情報
賣茶翁(食べログのリンク)店名:賣茶翁(売茶翁、ばいさおう)予算の目安:どら焼きは250円、上生菓子は400円前後最寄駅:勾当台公園駅から700mTEL:非公開住所:宮城県仙台市青葉区春日町3-13営業時間:9:30~18:00定休日:毎月1日、16日
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