宮城では珍しい正当派でモダンな日本料理店、おかざき
こちらは仙台、西公園のそばにある日本料理店です。
ご主人の岡崎敏彰(おかざきとしあき)さんは生粋の宮城県人の料理人です。
経歴を拝見したところ、20歳の1999年に仙台の日本料理店で修業を開始され、その後2004年に宮城県蔵王・青根温泉にあるご実家の旅館で料理長に就任、2009年に独立開店、2018年2月に東北初の「ミシュランガイド宮城 2017 特別版」で一ツ星を獲得…との事ですので、たたき上げの日本料理人だと感じます。
京都や東京のお店に入らず、あくまでも宮城と言うのが面白いですね。
おかざきさんの御料理の概観
しかし、御料理は非常に洗練されていて、京都での修行経験があると聞いても何ら疑問に感じません。
盛り付けも美しく、現代的な日本料理を表現されています。
御料理の特徴としては、伝統的な日本料理の魅力と、遊び心のある上質な和食を同時に楽しませてくれるところかと感じます。
オーソドックスな御料理を安定感ある味わいで作られていて、随所にさらりとオリジナリティが挟み込まれています。
「オーソドックスな御料理」の方は京都を始めとする全国各地で食べ歩いているとオーソドックスに過ぎるきらいはありますが、このような御料理を提供する若いお店があると言うのは地元・仙台では大変頼もしいと思います。
大学生も頑張ればデートで使える価格帯で、正当派の日本料理を味わえるとは大きな魅力でしょう。
仙台の日本料理店は詳しくはありませんが、同じ方向性のお店は稀有だと思います。
出汁の方向性としては鰹がストレートに用いられていて、キリッとした味わいです。
塩気は穏やかで好ましく、全般的に香りを邪魔しない調味です。
味のみならず接客も徹底していて、全スタッフが丁寧なサービスでした。
親方も全ての包丁をお客さん側ではなく自分側に向けられていて、細やかな配慮を感じさせます。
昼からしっとり感を味わえる空間も落ち着きます。
この度はお昼のコース5,775円(税サ込)を頂きましたが、夜のコースはまた違う印象なのかもしれません。
おかざきさんの御料理の詳細
煮蛸
志津川産。しっとりとろりとほどけ、非常に柔らかい煮蛸。
煮汁のジュレには鰹出汁も使用。
穴子の竜田揚げ、アスパラガス
石巻産。アスパラとの組み合わせが良い。
穴子の旨味・風味とアスパラの香り・甘みのコントラストが魅力的。
アスパラの香ばしさとほのかな苦みが引き立つ。
椀
黒毛和牛の首肉を使用した沢煮椀。
吸い地はスッキリした鰹出汁で牛肉に合う塩梅で、塩気は上品。
牛肉を嫌み無く使用していて、選択する部位と調理法のセンスを感じた。
お造り
地物の鯛。調味料は梅肉醤油。
しっとり寝かせている鯛だが、香りを楽しめる。
梅肉醤油で頂くと旨味が強調される。
ヤリイカ、塩昆布和え
自家製塩昆布、長芋、ミョウガ、胡麻と合わせた爽やかな一品。
ヤリイカの甘みと昆布の旨味、薬味の爽やかさが良いバランス。
毛蟹、湯葉、焼胡麻豆腐
蔵王の湯葉、毛蟹と共に。
胡麻豆腐はむっちりした食感で、毛蟹の香りが彩に。
湯葉の風味も良い。
餡は鰹出汁がキリッと利いている。
太刀魚の酒盗焼き
石巻産。丸茄子の田楽と共に。
太刀魚は脂の乗りが良く、丸茄子は甘くて美味しい。
お食事
鯛飯、味噌汁、香の物
塩気を抑えた硬めの炊き加減の鯛飯。
味噌汁は秋田産のもずくを使用し、これも鰹出汁がスッキリ。
水菓子
自家製の羊羹、青梅ゼリー。
青梅ゼリーは香り良く、強めの酸味が実に爽やか。
羊羹はみっちり濃密な味わいで香りも良い。
共に印象深い水菓子であった。
日本料理おかざきさんのお店の情報
日本料理おかざき(食べログのリンク)店名:日本料理おかざき西公園前(にほんりょうり おかざき にしこうえんまえ)予算の目安:昼のコース7,000円(+税サ)、夜のコース10,000円・15,000円(+税サ)最寄駅:大町西公園駅から480mTEL:022-265-3688住所:宮城県仙台市青葉区立町19-16営業時間:月18:00~21:30、火~土12:00~14:30(L.O.13:00)、18:00~21:30(L.O.19:30)定休日:日曜
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