読者の皆さまは【カスドース】と言う御菓子をご存知でしょうか?
まず、ほとんどの人が知らないのではないかと思います(笑)
僕も『美味しんぼ』で読まなければ、現地に行くまで知らなかったかと思います…。
長崎県・平戸に伝わる御菓子であり、他の何処にも無い個性的な味わいとなります。
【カスドース】は安土桃山時代の後期に、平戸に寄港したポルトガル人宣教師によって伝えられたそうです。
その歴史たるや、なんと460年!
日本人の誰しもが知っている【カステラ】も同じタイミングで伝来したそうですが、かたや長崎から全国に広まった御菓子ながら、【カスドース】は平戸に留まっており、平戸出身者か平戸に旅行した事のある人くらいにしか知られておりません(笑)
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カスドースとは?
江戸期には、平戸藩主・松浦家の「お留め菓子」として、門外不出であり、これまたなんと戦前までは一般にはその存在すら知られていなかったそうです。
一目見て、その美しい見た目に魅了され、いつか頂きたいと考えておりました。
風光明媚な街、平戸。
【カスドース】は現在3軒ほどで作られており、どちらが元祖か分からない状況ですが、
今回は商標登録されている湖月堂老舗さんを訪問しました。
こちらは2007年に旧市街から平戸物産館内に移転されたそう。
内外装に風情こそありませんが、味に対するこだわりは並々ではありません。
【カスドース】の製法は湖月堂老舗さんの公式サイトによると、
>ひと口大のカステラ生地を卵黄にまぶし、煮立てた糖蜜で揚げ、グラニュー糖をまぶしたもの
との事。
そして、
>類似品は、近代に創製された水飴仕立ての一般的なカステラが用いられておりますが、本家では、伝来当初の古典的なレシピに基づいて、カスドース専用の生地を仕立て、糖蜜作りや揚げ方にも比類のない技法が伝えられております
との談。
密度の高い文章です(笑)
【カスドース】
実に美しい見た目だと思うのは、自分だけでしょうか?
頂いてみると、大変個性的な味わいで、少し驚きました。
非常に甘いのは見た目通り。
しかし、カステラを想起させる風味と共に卵の風味が強く覆っており、これはありそうでない風味の御菓子だと感じました。
食感は、砂糖がジャリッとした後に、しっとり、ふんわり、もっそりとほどける。
現代としては、砂糖がとにかく甘いのですが、これは砂糖が貴重品だった頃を偲ばせる装置と思うべき。
「強い甘み」に気を取られ過ぎなければ、今なお楽しめる味わいだと感じました。
美しい街、平戸。
旅行の際には是非とも【カスドース】を試してみてください!
湖月堂老舗さんのお店の情報
湖月堂老舗(食べログのリンク)店名:湖月堂老舗(こげつどうろうほ)予算の目安:3個入り500円(税込)など
最寄駅:たびら平戸口駅から4,000m
TEL:0950-22-2063
住所:長崎県平戸市岩の上町1247-2 平戸物産館
営業時間:8:00~18:30
定休日:無休
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