伊万里の秘窯の里、鍋島藩が開いた大川内山 ↓ に行く際に立ち寄りました。
こちらは龍門峡と言う少し辺鄙な場所にありながら、1921年(大正10年)創業と言う、川魚料理を得意とする老舗です。
龍門峡は日本の名水100選「竜門の清水」で知られるそうなので、川魚の味に期待が持てます。
お店は思った以上に奥まった場所にあり、ダムを超えた先にあります。
休日に訪問したところ、予約で一杯でしたので、事前予約はマストかと思います。
川魚料理龍水亭さんの外観と雰囲気
お店は結構な大箱で、冠婚葬祭に使われそうな雰囲気。
実際にそのように使われていたようで、仲居さんが走り回る音がドタバタとけたたましかったです(笑)
個室なので落ち着けはしますが、その他の雰囲気や接客には一切期待されない方がベターです(笑)
さて、お料理を頂いた感想としては、鯉が美味い、の一言に尽きます。
川魚料理龍水亭さんの【龍門コース】の概観
我々は、全8品で構成される【龍門コース】3,920円(税サ込み)を頂きました。
・小鉢
・ごどうふ
・鯉の洗い
・山女魚塩焼き
・うなぎの蒲焼
・こいこく
・ご飯、香の物
・水菓子
上記料理名を見ると、盛りだくさんで期待が持てますが、個人的には鯉一択!で問題無いと思います。
看板メニューの【鯉のあらい】と【鯉こく】については専門店にふさわしい味わいだと感じました。
かたや【山女魚塩焼き】や【うなぎの蒲焼】はお座敷割烹の範疇を出ず、正しく冠婚葬祭向けのそれだと感じました。
また、ご飯の炊き加減が貧相であり、水菓子がド定番のメロンと言う点も、残念を通り越して苦笑が出る程。
それでいて、鯉料理と共に供される自家製調味料のクオリティは高い。
自家製味噌を駆使した【酢味噌】と【柚子胡椒】は印象深い味わいであり、無添加で作られている点が素晴らしいです。
なお、こちらの鯉の産地は地元以外との事ですが、当地の水で泥を吐かせ、食を断ち、お店ならではの味に仕上げておられるそう。
このあたりの仕事の成果は、頂いてみて味として実感できました。
「鯉料理」と聞くとクセが強く、野暮ッたいイメージを浮かべる方がおられるかもしれませんが、こちらの鯉料理は洗練されており、クセは全くありません。
【酢味噌】についても田舎的な甘みもしくは酸味(もしくはその両方)が強い、素材の味を阻害するような味わいでない点が大変好ましいです。
龍水亭さんの鯉料理の詳細
小鉢、ごどうふ
山葵が混ぜ山葵で、小鉢は季節感が乏しいため不安が走ったが、【ごどうふ(胡麻豆腐)】はねっちり且つ滑らかで美味しい。
鯉の洗い
前述の通りクセは皆無で、旨味が強く、食感も良い。
鮮度の高さを実感。
時折、少し骨が気になったが、全体的には鯉料理に不慣れな人でも十分美味しく頂けるクオリティだ。
身以外に添えられたほほ肉と皮も魅力的。
皮はコリッコリで旨く、ほほ肉はぷつっぷつと弾けぷるんと踊り、旨味が溢れ出る。
そして、特筆すべきが前述の自家製調味料。
酢味噌は酸味が穏やかで、味噌のコクがある。
「赤たれ」は何処となくエスニック調味料のような感じがあり、熟成味噌に酢の強い酸味と唐辛子の辛みを利かせ、薬味と合わせている。
柚子胡椒は辛い!しかし、柚子の香りがしっかりしており、大変美味しい。
山女魚塩焼き
焼きは標準的だが、振り塩が少なめで良い。
うなぎの蒲焼
鰻に特筆すべき点は無し。
ただ、山椒が紀州の良質なものを使用されており、好印象。
こちらは上記山葵を除き、調味料類が良い。
ご飯、こいこく、香の物
【こいこく】は自家製味噌が活きており、独特の香りとコクがある。
こちらも鯉の臭みは無く、アラなどを用いているので下処理の良さを感じさせる。
珍しいところでは鯉の卵も使用されている。
大変美味しい【こいこく】だが、ご飯との相性は悪いと実感(笑)
水菓子
メロン
鯉は古代の頃より食されてきた食材であるものの、現代日本において鯉の消費量は激減している状況。
かつては武家の饗応料理や慶事に食される高貴な食材であったので、現在の状況には少し寂しく思います。
海の魚で美味しい魚がたくさん食べられる時代ではありますが、鯉には鯉なりの魅力があるので、
苦手意識を持たずに食してみると楽しいかと思います。
川魚料理 龍水亭さんのお店の情報
川魚料理 龍水亭(食べログのリンク)店名:川魚料理 龍水亭(かわざかなりょうり りゅうすいてい)食べるべき逸品:鯉の洗いと鯉こく予算の目安:2,000円〜4,000円
最寄駅:なし
TEL:0955-46-2155
住所:佐賀県西松浦郡有田町広瀬山甲2286-22
営業時間:11:00~15:30、16:00~21:00
定休日:水曜(祝日の場合は営業)
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